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ダイエットはミスマッチを補正すること

進化的ミスマッチ

本日は、進化論的にダイエットを考えていきたい。

ヒトがこれまで、どう進化してきたのか?

自分への問いかけこそが、問題解決思考的に重要な要素であるが、ダイエットをする上でも、問いかけが情報が玉石混交している現代においては、ひとつの道しるべになるはずである。
例えると、船を導く灯台であり、登山中の暗い山道を照らすヘッドライトのような役割を担うのである。

ダーウィンが提唱した「進化論」をベースとし、そこに最新医学の粋を組み合わせたものを、「進化医学」=「ダーウィニアンメディスン」と呼ばれている。
このダーウィンニアメディスンの理論がダイエットにとって道しるべとなる。

わたし達人類の進化は途方もない時間をかけて、すさまじくゆっくりと進んでいく。
現在の人類の基礎が形成されたのは、約680~700万年前のことであり、約600万年に渡って、狩猟採集生活を続けてきた。
そして、約1~2万年前にようやく石器時代から農耕生活に移行してきた。

狩猟採集生活を想像してみるとこうだ。
太陽の動きに生活リズムを合わせ、自然のなかで獲物を追い求め、仲間とチームを組んで狩りをする。
そして、狩りの合間や夜はいつもの仲間たちと食事をともにしながら語り合い、絆を深める。

途方もない進化の歴史の中で、ヒトの脳と身体は、そんな環境のなかでこそ、パフォーマンスを発揮するように仕上がってきたのである。

アメリカの生物学者のダニエル・リーバーマンは、書籍『人体600万年史』の中で、「進化的ミスマッチ仮説」という概念について言及している。
進化的ミスマッチとは一言でいえば、人類が〝良い方向に進歩していくことで、望ましくない結果を得る〟ということ。

本来、ゆっくりと時間をかけて進んでいくのが、自然な進化である。
ここ数十年の爆発的な文明の発達は、人類をこれまでとは比較にならないほどにすさまじく前には進ませてきたけれども、それがゆっくりとした進化とはどうも相性がよくない。
その代償として、カラダに様々な不調、例えば、肥満やそれに伴う糖尿病、心血管疾患や脳卒中、うつなどのメンタル系の病気を罹患する人の数が文明の爆発的進歩に伴い、右肩上がりで増えてきているのも見逃すことが出来ないのである。
わたしたちは、今みんなで壮大な実験の渦中のど真ん中にいるということを認識すべきだという。
文明の進歩を享受しつつも、健康に対するリテラシーを高め、進化に伴う現代におけるミスマッチを補正する能力が今後、いっそう求められる時代ではないかと思うのである。

wellnessな枠組み


そこで、その補正に役立つと思われるのが、前出のダニエル・リーバーマンが提唱するフレークワークである。
リーバーマンは、ミスマッチが起きるパターンを3つの枠組みでとらえている。

◎多すぎる
古代には少なかったものが、現代では豊富すぎる
【摂取カロリー、精製穀物、アルコール、オメガ6脂肪酸、塩分、乳製品、飽和脂肪酸、満腹感、食事のバリエーション、人口密度、衛生設備、人生の価値観】

◎少なすぎる
古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる
【有酸素運動、筋肉を使う運動、睡眠、空腹感、ビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質、オメガ3脂肪酸、自然との触れ合い、有益なバクテリアとの接触、太陽光の摂取量、深い対人コミュニケーション、他人への貢献】

◎新しすぎる
古代には存在していなかったが、近代になって現れた
【加工食品、トランス脂肪酸、果糖ブドウ糖液糖、公害、人工照明、デジタルデバイス、インターネット、慢性的なストレス、化学物質、重金属、処方薬、抗生物質、孤独、仕事のプレッシャー】

生活の中に潜む上記の〝多すぎる〟や〝新しすぎる〟ものは少なくし、〝少なすぎる〟ものは、積極的に増やしていく。
全部をコンプリートすることは、無理であるので、可能なかぎりにおいて、このミスマッチをひとつひとつ修正していくだけでも、自分なりの「wellnessな枠組み」が出来上がるはずである。
wellnessな姿勢を追及していくことは、その過程においておのずとオプションとして、ダイエットも叶えてしまえるというおまけもついてくるのである。

例えば、〝多すぎる〟アルコール、塩分、満腹感を減らしてみる。
ついでに〝少なすぎる〟運動やタンパク質、自然との触れ合いを増やしてみる。
そして、〝新しすぎる〟インターネットの使用時間を減らしてみる。

これだけでも、進化医学的にヒトの自然の進化に沿ったものに近づくこととなる。
その1つ1つが生活習慣病を遠ざける行動となり、重なりあえば、とてもwellnessな枠組みとなる。

様々なダイエットを試してはみたものの、なかなか自分にしっくりとこず、結果に反映されないならば、このフレークワークを使用してみることをおススメしたい。
ダイエットとは一時的なイベントにせず、生活に根差させることが成功の秘訣であるということで、迷ったら、このフレームワークに立ち返り、スモールステップとゲーミフィケーションでひとつひとつ楽しみながら、クリアしていくイメージを持つと行動がデザインしやすくなるはずである。



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