劣悪夜行列車で未知の国へ 〜 北マケドニア🇲🇰 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #08-1
【Day17-18: ベオグラード→スコピエ】
ギリシャのテッサロニキ行きの夜行列車、突如北マケドニア首都スコピエ止まりと言われ、理由も分からぬまま渋々乗り込む
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##行き先は謎のまま
夜行列車はベオグラードを18時過ぎに出発し、スコピエには早朝の4時頃に到着予定というスケジュール。
2等列車の清潔度はどんなものか、とか早朝に到着するということはまだ暗闇だよな、とか不安は尽きないままプラットフォームへ向かう。

案の定、見ただけで乗りたくないような、埃っぽくて古めかしくて、もちろん落書きだらけの車両が停まっている。
うわー、これか、と落胆しながらも乗り込むと、扉に貼ってある行き先の紙が“テッサロニキ行き”になっている。

もしかしてテッサロニキまで行くのかな??
列車の行き先表示に印刷した紙が無造作に貼ってあるのも驚きだけれど、すぐに取り変えられそうなこの紙すら変更されていないのもどうかと思う。
本当に驚くべきセルビア国鉄クオリティだ。
##蒸し風呂状態の客室にうんざり
指定の客室に進むと3段クシェットの狭さに愕然とする。

1室に3段ベッドが向かい合わせになっているわけだが、縦が狭いだけでなく横幅も狭いのか、向かい合わせのベッド間も窮屈そうだ。
今回、一等ユーレイルパスを持っていることもあり快適な夜行列車が続いてたので、そのギャップが大きい。
寝台料金800円だからこんなもんでしょう。
誰が来るか分からないので今のうちに身支度をしてしまおうということで、手早く下段にある自分のベッドのセッティングに取りかかる。
まだ空調も効いてない状態で西日が燦々と差し込んでくるので、客室内が蒸し風呂状態でとにかく不快だ。

##狭い部屋がほぼ満席
そんな中、大荷物を背負ったカップルが顔を出す。
若いドイツ人カップルが爽やかに挨拶してくれたものの、この狭苦しくて息苦しいほど暑苦しい空間に、2人増えたことにうんざりする。
するとすぐに別の若いカップルが顔を出す。
こちらはアメリカからの若者、この狭苦しい空間に大柄&大荷物の4人+私の5人が集まってしまい、荷物を置く場所もままならない空間を前にみんなで途方にくれてしまう。
聞けば2組とも、私と同様ギリシャのテッサロニキまで行くはずが、謎の行き先変更に巻き込まれた人たち。
意味分からないよねーとか文句を口々に言っていると、静かに電車は動き出した。
##いい加減すぎる部屋割り
あまりの狭い空間に耐えきれなかったのか、他の客室を探検しに行った男性が「結構空いてる客室があるよ!」と情報をくれる。
注意されるまではそっちでゆっくりしよう、とアメリカ人カップルが移動。
1組のカップル+私というのもなんだかなぁという気まずさと、やはり1人でゆっくりしたいので、他の部屋を探検し、私も空っぽの部屋に移動する。

しばらく車窓を眺めていたけれど、眠気がやってきたので、一番無理なく上り下りができる気がする真ん中のクシェットで横になる。
寝台は下段が眠りやすいというのはよく聞く話だけれど、3段クシェットともなると最下段はレールにも近すぎるし上段の人々の足場にされるのでなんとも居心地が悪い。
いつもは心地よく感じる列車の揺れも、ダイレクトすぎてキツかったのでちょうど良かった。
はっきり言って、快適とは言い難いこの寝台で果たして眠れるのだろうか、と不安に思ったのも束の間、疲れのせいかあっという間にぐっすり。
途中、別室から退避してきた1組の男女が隣のベッドの上下に寝ていたけれど、それも気にならないほど、パスポートコントロールで起きた以外はぐっすり眠れてしまった。
この2週間強でずいぶん図太くなったもんだ。
##やっぱりセルビア国鉄クオリティ
ちなみに夜行列車で気になるのはトイレ。
長距離列車ともなると、どうしてもお世話にならざるを得ないのが辛いところ。
ただ、セルビア国鉄共通の仕様(2018年当時)としてトイレは線路に垂れ流し、つまりはボットンスタイルなので意外にも臭いも控えめ、汚れも控えめという点は幸いだった。
むしろトイレを流す(蓋を開ける)瞬間、線路が通過していくのが見えてなんだか新鮮。
衛生上どうなんだ、という感じだけれど、これもセルビア国鉄が一世紀前のままだと言われる所以だろう。

##安定の2時間遅れ
熟睡からふと目を冷ますと、車窓がほんのり明るくなっている。
到着は4時のはず…と思って時計を見ると、すでに到着時刻はとうに過ぎていて、それでも列車は元気に走り続けている。

結局いつものセルビア国鉄クオリティで、到着は2時間遅れ。
おかげで車窓から素晴らしい朝日を眺めることができたし、暗闇の駅で怖い思いをせずに済んだので、今回ばかりはセルビア国鉄のいい加減さに感謝だ。

これがスコピエか…今回初めて聞いた地名
##活気ある早朝の首都駅
未知の国の首都スコピエには、すっかり日が昇った朝6時過ぎに到着。
ここから夕方18時過ぎのバスまではたっぷりすぎるほどの時間がある。
この国はユーレイルパスの対象外国だったため、途中下車なんかすると運賃を請求されるのでは⁉と心配していたけれど、そもそも車内検札以外に改札という概念もないようで、プラットフォームからするすると外に出て来れてしまった。

左のマケドニア車両は意外にも新しい!
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朝早いというのに駅構内には何人もの客引きが居て、我々夜行列車到着組を待ち構えている。
今回の旅、これまでの国ではほとんど見られなかった光景なのでびっくりするけれど、商売熱心なのは素晴らしい。
1人のよく肥えた男性がしつこく絡んできて
男「Taxi? どこ行くの?街まで遠いよ」
私「No, thank you.歩きます」
男「じゃあ僕とコーヒーでも行かない?」
え、いきなりナンパ⁉
私「もっとNo, thank youです‼」
男「じゃあ今日ホテルで素敵なパーティがあるから一緒に来ない?Believe me!」
いやいや信じられるわけないでしょ、と思わず笑ってしまう。
私「I can’t believe you!!」
今まで口に出したこと無い英語だ。
なかなかのアグレッシブさではあるが、寝起きにこの攻撃はうんざりしてしまう。
荷物預かり所に荷物を預け、絡んでくる客引きをあしらいながら街歩きを開始する。
##事前知識無しで乗り込む未知の国
客引きの注目を浴びている手前、平然と駅を出て歩き出したけれど、果たしてこっちで合っているのか?
実はこの国、私のヨーロッパ各国対応SIMカードの対象外で、頼みの綱のインターネットが使えないのだ。
これを見越して事前にMAPをダウンロードしたり必要な情報をスクショしたりしていたけれど、すっかりスマホに頼り切っている身にはなかなかにスリリング。
いざとなればWi-Fiを探せばいいか、とは思っているものの、どんな国かも分からないので不安は募る。
##2018年当時の北マケドニア
今回、急な行き先変更で途中下車したわけだが、事前情報が無さすぎて、マケドニアって国なんだっけ?というレベル(失礼)。
調べてみるとこの旅をした2018年当時、日本も国連もその国名を承認しておらず、“マケドニア旧ユーゴスラヴィア共和国”と呼ばなければいけなかったのだとか。
“マケドニア”というアレクサンダー大王が治めた広大な古代王国の名称を、この一部地域で使うのか、ということで隣国ギリシャともめていたらしい。

後日のニュースで知ったが、私が訪れた翌年2019年に“北マケドニア共和国”という名称にすることで、30年来の名称争いに終止符が打たれたそうだ。
この未知の国では、何が見られるのだろうか。
🚊次回、謎の銅像だらけの不思議な街、スコピエを散策する。
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です↓
