夜行列車明け アルベロベッロ難易度高すぎ問題〜イタリア🇮🇹| 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #20-3
【Day70: パレルモ→ナポリ→アルベロベッロ】
シチリア島から夜行列車でナポリへ戻り、そのままイタリア南部のアルベロベッロを目指す。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
**********************
##寝台列車でシチリアから本土へ
パレルモの駅前トラットリアで楽しい時間を過ごして駅に入ると、すでに私の乗る夜行列車が停車していたのでほろ酔い気味で自分の寝台コンパートメントに入り寝支度をはじめる。

6月の終わり、まだ外は明るい
4人部屋ながら寝具類もアメニティ類も一つしか置かれておらず、向かいの2段ベッド上段は上がったままなので、もしかして私しか居ない!?と期待が高まる。

車掌がやってきて私のチケットを黙ってチェックしていると、別の乗務員らしき制服の男性がひょっこり顔を出して車掌に話しかけ、次に陽気に私に声をかけてくる。
「どこから来たの?ひとり?どこまで行くのー?」
やたら軟派な様子であれこれ質問してきた彼は、車掌が居なくなった後も私の目の前の座席に腰をかけて話し続ける。
「今日この部屋は君だけだって!ラッキーだねぇ」
「僕は仕事を終えて帰るところなんだよね」
なるほど、仕事終わりだからこそのこのテンションなのか。
それにしても一刻も早く汗を拭いて寝間着に着替えたいのに早く出て行ってくれないかなー。
適当に相槌をうっているとナンパ男は一向に出ていく様子なくニコニコと私の顔を眺めながら楽しく話を続けるので、目を合わせずに荷物を解き始めたところ、ようやくウィンクをして出て行ってくれた。イタリア男子恐るべし。

汗拭きはこの季節助かります
##寝台列車もぐっすり
目が覚めた時には外はすっかり明るくなっていて、終着駅のナポリに近づいていた。
昨日は炎天下の中たくさん歩いた疲れのせいか、列車に乗り込む直前のワインとレモンチェッロが効いたのか、列車が出発するや否やぐっすりと眠りに落ちたようで、今までの夜行列車経験の中で最もぐっすり眠れた朝だった。

この路線は行きの列車と同じく、シチリア島から本土へは列車ごと船に乗り込むルートを夜中に通過しているはずなのだが、長時間停車していたことも船に揺られていたことも全く記憶なし。
自分でも驚くほどにぐっすり眠れてしまった。
まだぼんやりした状態でナポリ駅に放り出され、次の列車まで忙しそうに通勤するナポリ市民を眺めながらカフェで朝ごはんを食べる。
##本日の目的地
この日の行き先はとんがり屋根の家々が立ち並ぶ景観で有名なアルベロベッロ。
この街はイタリア南東部、ブーツの形をしたイタリアのかかと部分にあるのだが、近くにイタリア国鉄の駅が無くて公共交通機関で行くのはなかなかに難易度が高い。
比較的近くの駅からバスで向かうか、別の駅から私鉄に乗り換えて向かうか、最後まで悩んで、行きは時間のロスが少ない前者のバスを使うルートを選択することにしたのだった。

青々とした緑地が続く
ナポリから今度は青々とした大地が続く内陸部を一気に南下し、お昼過ぎに海沿いの街ターラントに到着したのだが、ここからが難問だった。

駅前はガラーンとしてる
##田舎町でバス乗り場を探す
ネットで断片的に収集した情報によると、バスは駅から離れた港近くにあるバスターミナルから出ること、バスチケットは近くの雑貨屋さん兼タバコ屋さんである“タバッキ”で買うらしい。
問題はそのバスターミナルの場所が正確にわからないところで、ほとんど人が歩いていない田舎の港町という風情の駅前から港に向かって歩きだし、まずはじめに見つけたお兄さんに声をかけて聞き込み開始。
わたしの舌足らずな発音のせいかアルベロベッロがいまいちピンとこないようだが、バスが出るのはあっちのほうだよ、と指さすのでひとまず信用して港前にある大通りを歩いていく。
酷暑の真昼間のせいか歩いている人影は無く、青い海が光り輝く明るい港町のはずがなんだかゴーストタウンのようでアンバランスに感じる。

しかし誰も歩いてない…
それでも時折目に付くレストランをのぞくと観光客らしき団体のお客さんで賑わっているので、クルーズ船か何かでやってくる人がいるのだろうか?
大通りにタバッキを見つけたのだが、扉を開けるのに勇気がいるような商店で恐る恐るオープンすると、強面の恰幅の良い男性がお菓子などの商品が並んだカウンターに立ち、奥のカウンター席では地元のおじいさんがエスプレッソを飲みながら新聞を読んでいる、といったご様子。

イタリアのそこかしこにある個人商店のコンビニみたいな店で、タバコや宝くじ等いろいろ売ってる
2人がこちらに注目するのでヒエーと思いながらおずおずと「バスチケット?」と聞くと強面店主にはすぐ通じたようで、にっこりと「どこまで?」という感じで答えてくれたのでアルベロベッロまで行きたいことと、バスはどこから出るのかを立て続けに質問する。
ジェスチャーを交えながらそこをまっすぐいくとバスターミナルがあるよ、と時間まで教えてくれたのでひとまずバスがありそうなことに安心して指さされた方向に歩くことにした。

お店はやってなくて公園で売ってるビールしかなかった
##謎多きバスシステム
大通りがカーブする手前にバス停らしき屋根付きのベンチが見えたのでここだな、と近づいたのだがベンチの背後は広告ポスターのみで何一つ案内表示が見当たらない。

しかしなんの表示もないので不安
さらに周辺を捜索したけれどほかにそれらしい場所がないので仕方なくそのベンチ近くで様子を伺うことにする。
すると、どこからともなく地元の方々が集まってきて、数人が集まった頃合いで向こうのほうからバスがやってきた。
あれか?それにしてもまだ予定の時間にはだいぶ早い...念のためバスに近づいてみるが行き先表示がないので運転手に「アルベロベッロ?」と聞いてみると、違う違うといった様子で後からくる別のバスだよ、と言っているようだ。

同じことがもう一度繰り返され、3台目にやってきたバスで「アルベロベッロ?」と聞くと運転手が頷いた!結構大きなバスなのに、正面にも側面にも何一つ書かれていないなんて。
なんて不親切なんだ!と思いつつ意外と時間と違わずにバスが来たことに感動して乗り込んだ。
##まさかの貸切状態
私を含めて7-8人の乗客を乗せたバスは田舎の国道といった風情の道をひた走る。
車窓に張り付いて景色を見ていると、すでにとんがり屋根の小さな建物が1軒、2軒と見えてきて何とかアルベロベッロに到着できそうで嬉しくなる。

なるほどこういう感じね!
ところが、しばらくして到着した小さな街で2―3人が降車、次の街で私以外の全員が降車してしまったので一気にまた不安が押し寄せてくる。

一生懸命、まだ私居ますよ!ということをアピールするようにルームミラーにうつりこもうとするが、それだけでは不安になって運転手の横にあたる最前列に移動して行く手を見守ることにした。

本当に無事にアルベロベッロに着くんでしょうねぇ、と圧をかけていたのが功を奏したのか、信号待ちの際に「あと5分くらいだよ」と声をかけてくれる。
一気にホッとして笑顔になると、無事にバスターミナルらしき場所に到着した時には、
「街の中心へはあっちの方向に歩いて行けばいいよ!」
とにこやかに教えてくれたのだった。
いい運転手さん!ありがとう。
ホッとしたのも束の間、ここからも難易度高かった。

バス停から歩くこと15分ほど、同じようなとんがり屋根が並ぶ坂道を荷物を背負って登り、宿の場所を探すがなかなか見つからない。
夜行明けの疲れた身体に太陽と荷物の重さが堪える…。
🚊次回、アルベロベッロで1泊、静かな夜と朝の街を堪能する
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
