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赤いワンピースの女|掌編小説

カツカツカツカツ…….

最寄りの駅を降りてから10分。
ずっと背後に誰かの気配を感じる。

ここは閑静な住宅街。
まだ19時だというのに人っこ一人歩いていない。

カツカツカツカツ….

間違いない。
後をつけられている。

物騒な世の中なので、何が起こるか分からないと思ってはいたが、まさか今日自分の身に起こるとは。

カツカツカツカツ...
だんだん音が大きくなってきている...

逃げるしかない。俺は全速力で走り出した。

カッカッカッカッカッ

チラッと後ろを振り返ると、赤いワンピースを着た髪の長い女が物凄い形相で走ってきている。

ひいいいい!!こ、殺されるぅー!!!!

ズコッ

何かに足を滑らせてしまった。
見るとバナナの皮だった。
こんなアニメみたいな転び方ってあるかよ!!

もうだめだ、おしまいだ....

「あ、あの、これ落としましたよね?」
「へ?」

女が手を差し出すと、そこにはハンカチが握られていた。

「あ、あの、すみません、ストーカーみたいな真似しちゃって。交番に届けることもできたと思うんですけど、なんだかこのハンカチ、大切なもののような気がして。」

「あ….落としてたんだ。」

それは、亡くなった妻がオーダーメイドで作ってくれたハンカチだった。生前、俺の誕生日に、世界に一つしかないものをあげたいと言って作ってくれたものだ。紺色の生地に銀色の細やかな星と一羽の小鳥の刺繍が施されている。

「俺こそ逃げたりしてごめんなさい。てっきりホラーとかでよく出てくる赤い女かと…」

ぷっと女性が笑った。

「無理もないですよ、赤いワンピースにこの髪ですもんね。こちらこそ、驚かせてしまってすみません。」

「ほんっっっとに、失礼致しました!!ありがとうございます!!あの、何かお礼したいので連絡先でも...」

「いえいえ、大したことないので。では、私帰りますね。」

そう言って彼女は元来た道を戻って行った。

それにしても、随分足が速い人だったなぁ。


もぐらさんの「まろやかホラー」に参加させて頂きました。もぐらさん、ありがとうございます!

きっかけは、きのころさんのこの記事から。

感想書くとネタバレになっちゃうのであんまり言えないですが、もう、ストーリーが秀逸でした。
最後のオチに、なるほどー!!そうくるかぁ!!って膝を叩きました。ホラーとしてのドキドキ感もあって🫶ぜひ読んで頂きたい作品です。

きのころさん、ありがとうございます!
久しぶりに小説が書けてとても楽しかったです!

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