テニス上達メモ175.真面目にやるほど下手になる!? カジュアル・テニスのススメ
▶あなたはどのタイプ?
テニスプレーヤーを分類すると、ベースライナーか、サーブアンドボレーヤーか、オールラウンダーか。
あるいはこちらで述べた、上手いけど弱いか、下手だけど強いか、はたまた上手くて強いか、下手で弱いか。
いろんな切り方があるでしょうけれども、これもあると思います。
シリアス派かカジュアル派か。
シリアス派は、テニスの上達についてYouTubeのレッスン動画やテニス雑誌などで打ち方やフォームについて研究し、プレーではしっかり集中もしようとするタイプ。
カジュアル派は、この逆です。
あまり上達など考えずに、テニスを楽しもうとするタイプ。
もちろん、打ち方やフォームを解説するレッスン動画など、ほとんど参考にしません(苦笑)。
▶体育会系vs.インカレ系
大学生だと、真面目に頑張る「体育会系サークル」と、自由な雰囲気のいわゆる「インカレサークル」といった区別でしょうか?
ガチ派?ゆる派?
前者は、その名のとおり体育会のように厳しい練習も厭わない真面目なサークル。
後者は、夏はテニスで冬はスキーの「飲み系サークル」などと、かつては言われていたと思うのですけれども、他大学・多大学が交わって結成されるサークルだからインターカレッジを略して「インカレ」なのだそう。
語源は同じなのでしょうけれども、インターハイ、インカレをも目指すガチ派が想起されるのは、呼称に関する「イメージのズレ」でしょうね。
▶型にハメられるのはウザい
さてシリアス派とカジュアル派、大学入学からテニスを始めた新人同士の両者が試合すると、案外ゆる派のインカレ系が、勝つこともあったりしますね。
カジュアルプレーヤーは、型にハメられるのはウザい(笑)。
打ち方やフォームなど真面目に意識したりしないのです。
あるいは、「ノリ」がいいからかもしれません(関連記事「『リズム』『ペース』『波』『流れ』に乗るために」)。
▶プロが必ずしも名コーチとは限らない(その逆も然り)
シリアス派が集まる体育会系サークルの場合、先輩と打ち合ったあと「アドバイスお願いします!」って伺いを立てるのが慣例でしょう。
とはいえそこで教わるのは「テイクバックが大きすぎるからコンパクトにせよ」など、たいていフォームのことばかり。
それを私は「小学生レベル」と形容しています。
その先輩が、たとえテニスが上手くできるからといって、上手く技術指導できるわけではないのです。
逆にできないからといって、教えられないわけでもないのです。
印象に引きずられて認知が歪むことを、社会心理学では威光、あるいは後光を形容し「ハロー効果」と呼びますね(関連記事「プロの言っていることだから間違いない?」)。
あえて他競技も交えて、あくまでも私の主観に基づき例を挙げるなら、前者はマラソンの瀬古利彦さん、サッカーのディエゴ・マラドーナさんはこちらでも実証されているというし、インスタグラムを見る限りテニスではノバック・ジョコビッチもそうかもしれません。
https://www.instagram.com/p/CGevva1DlRm/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading
後者は、現役時代は箱根駅伝やオリンピック出場などの華々しい経歴は皆無ながら、青山学院大学駅伝部を常勝チームに育てた監督、原晋さんといった感じでしょうか(関連記事「テニス上達ワクワク・エンジョイ大作戦!」)。
報じられるように大坂なおみを「助けることができる」としたら、これまでの指導実績も鑑み名将パトリック・ムラトグルーコーチも加えられそうです。
▶シリアス派?カジュアル派?勝負の行方は……
さてここからが、本題。
どちらのほうが集中しているのかというと、「カジュアルプレーヤー」です。
「テイクバックをコンパクトに」などと真面目に考える「シリアスプレーヤー」は、集中していません。
むしろそんなこと考えずに楽しんでいるカジュアルプレーヤーは、自然と集中状態に入ってしまうのです。
集中というと、ややもすれば「勝ちにこだわる」「大変」「疲れる」みたいな頑張るイメージがあるかもしれませんが、まったくそうではないのです。
むしろ「真逆」とすら言えます。
いい加減にリラックスしていて、勝ち負けの結果よりもゲームそのものの楽しさにハマり、「寝食を忘れる」と言われるとおり、どれだけやっても疲れないのが集中の世界(関連記事「自分で『頑張らない』のが集中」)。
テニスというのは(テニスに限らず人生は)、頑張る「引き換え」に勝つのではなくて、楽しむ「ついで」に勝つのです。
▶卓球の早田ひな選手は、いかにも「ゆる派」?
卓球の世界選手権出場に際し早田ひな選手は、こう語ったそうです。
「楽しむだけ」「こだわらない」
うーん、誤解を恐れずに言えば、いかにも「ゆる派」じゃないですか(笑)。
代表選手による「オリンピックの舞台を楽しみたい」のセリフが白眼視される日本のお国柄にあって、「お国のために頑張る」のではなく「自分が」「楽しむだけ」と言い切る自己肯定ぶりは、さすが。
これだけ強打を打ち込めて、これだけ拾える早田ひなだから、卓球が、楽しくないわけありません。
https://www.youtube.com/watch?v=XgiEB7wZVPo
▶集中の「思い込み」、していませんか?
こう聞いて眉をひそめる人の中には、集中に関して「現実に対するイメージのズレ」があるのです。
集中とは、「頑張る」「大変」「疲れる」「我慢」ではなく、「乗る」「楽しい」「ゾーン」「フロー」です。
集中しなきゃと自分に負担を強いたりする「つらいもの」では決してありません。
ゲームみたいに、コツや攻略法を試して楽しむ状態だと、自ずと高まります。
優秀な学生が勉強に集中するのも同じ。
何点取れるか、合格できるかの「結果」はさておき、問題を攻略する「過程」を楽しむ(関連記事「これからの時代は『国語入試問題必勝法』」)。
人生ドラマも同じとたとえました。
良介と桃子が結ばれたかどうかの「結果」については、この際とうでもいいのです。
私たちは、その「過程」を楽しみたいのです(関連記事「『好き』と言ってしまった」)。
▶楽しむついでに勝つbyフェデラー
テニスのゲームも同じです。
「所詮そんなもんッ」です。
ですから「楽しんだもん勝ち」という捨てゼリフは、捨てたものではありません。
いえ正確に言い換えれば、「楽しむついでに勝つ」のです。
いつも同じ動画の例ばかりで恐縮ですが、改めてさらっておきましょう(関連記事「プレーを『楽しむ』のが最高(フェデラーの例)」)。
勝利してなお、テニスを楽しもうとするお茶目なロジャー・フェデラー。
▶おまけ1:秒で盛り上がる!『ドレミファドン』の魅力
「クイズ!ドレミファドン」が、ただ音楽を聴くよりも時として面白いのは、われわれ視聴者も「集中して聴く」からです(関連記事「集中すれば、世界がガラリと変わります! 」)。
3分間の楽曲をすべて聴き通しても、おざなりだと楽しくないけれど、集中すれば0.1秒でも楽しいのです。
https://www.youtube.com/watch?v=S-lai7u_5AI&list=PL5aY9zaqU3oVHDbQhmfzc-PZmKRnvCOFA
グルメリポーターの食べる料理が「必ず美味しい」と相場が決まっているのは、集中して味わうからなのと同じ理屈。
高級グルメだから、ではありません。
諸行無常の対象に、一期一会で向き合えば、何だって楽しい、旨い、美しい(関連記事「塩おにぎり、卵がけご飯、旨すぎる!」)。
▶おまけ2:え、そんなこと? 幸福度アップの意外なカギ
「何を食べるか」ではなく「いかに食べる」か、「何を聴くか」ではなく「いかに聴く」か、あるいは「何を見るか」ではなく「いかに見るか」が、人生の幸福度を司る。
集中して聴けば、「雨音はショパンの調べ」です。
集中して見れば、「移ろう雲はアート」です。
ボールに集中すると「イントロドン」よろしく、対戦相手に打たれる瞬間の、打球音の大小・高低・清濁を、聴き分けたくなる。
そんなワクワク感を楽しむついでに、勝つ。
p.s.
「『ほろ酔いテニス』で絶好調!?」も、あながち嘘ではなかったりして?
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero