質問1581:手首をこねてしまう時がありますが、それも気にしなくていい?
返信ありがとうございます。
ボールの回転をみて感じるままに
打ってみます。
エッジを回転させてラケットを回して打つとかしなくてもいいんですね💦
手首をこねてしまう時がありますが
それも気にしなくていいですか?
回答
▶コーチは筋金入りの「フォーム教」?
「エッジを回転させてラケットを回して打つとかしなくてもいい」です。
と申しますか、仰せの意味が私にはよく分かりません……。
その心は、「エッジを先行させてワイパースイングしながら打つ」とかでしょうか?
それが担当コーチによる指導だとしたら、その御方は筋金入りの「フォーム教」やもしれません、ね(関連記事「フォーム真理教!?」)。
▶精緻な体による優れた反応をスポイルしない
手首は、意識してこねるのではなく、図らずもこねてしまうのだとしたら、怪我でもしない限り差し当たって問題ありません。
ただ、それでご自身が違和感を覚えてお困りというのであれば、見直すべきは「打球タイミング」です。
手首をこねてしまうから「こねないように固める」といった具合に、現れている症状に直接手をつけるのは常識的なテニス指導の常套手段でしょうけれども、テニスゼロでは採用しません。
発熱を解熱剤で抑え込もうとするようなもので、それではせっかくウイルスを熱で死滅させようと戦ってくれている体による優れた反応を、スポイルしてしまうのです(関連記事「フォーム矯正は体への冒涜か?」)。
▶毒をもって毒を制す
打球タイミングがズレたとき、精緻な体は手首を、「こねてくれている」のです。
ご自身は「セーノ」でガツンと打ちにいったつもりなのだけれど、そのタイミングがズレたから、体は手首をこねてボールに合わせにいってくれている調整です。
体がこねてくれなければ、もっとひどいフレームショットになったり、空振りになったりもしかねません。
手首をこねるのは確かに違和感かもしれないけれど、「毒をもって毒を制す」みたいなものです。
▶痛い感覚は、確かに感情として嫌だけど……
下記動画プレーヤーの上半身がのけ反っているのは、遅れたタイミングに対応した体による優れた反応。
姿勢を正したフォームが模範だからといって、のけ反らずに背筋を伸ばして打とうとすれば、もっと差し込まれてしまうのです。
https://youtu.be/TC5yc32EnL4?t=19
痛い感覚は、確かに感情として嫌だけど、感じてくれないと包丁でスパスパと指を切り続けてしまうようなもの(関連記事「痛みを感じてくれる体。不安を感じてくれる心」)。
「こねる」のも「のけ反る」のも、精緻な体による優れた反応なのです。
▶フォーム矯正を強制するから不自然になる
こねる以外にも、意識的に動かす・あるいは止める矯正を、テニスゼロはすべておすすめしません。
手首であろうと、膝であろうと、肩であろうと、腰であろうと、そういった部分に限らず体重移動であろうと、運動連鎖であろうと、意識的な矯正がスイングに不自然を強いてしまうからです。
自然界の動物は、チーターがいくら脚が速いからといっても「腿を高く上げて走るぞ!」などと、意識しませんよね。
人も動物。
意識すれば呼吸でさえ、無意識でしていたときに比べて少なからず、「息苦しさ」を感じるはずです。
であればテニスのスイングならなおのこと、意識すればギクシャク感を免れません(関連記事「ロボ化するプレーヤー『ふたつにひとつ』の正体」)。
それが、こねる違和感として意識されるのです。
▶打球タイミングが合わない(たった1つの)理由
とはいえ常識的なテニス指導は、「手首を返せ」「膝を曲げろ」「肩を回せ」「腰を反り戻すんだ」などと、畳み掛けてきます。
「エッジを回転させてラケットを回して打つ」アドバイスも、同じ穴のムジナです。
それらを「意識」するから、ボールの回転が見えなくなって打球タイミングを誤り、前回ご相談いただいたガシャりが発生しています。
▶だから常識的なテニス指導はキリがない
ちなみにテニスでミスする原因は、何だと思われますか?
「膝を曲げていないからだ」
「前のめりになっているからだ」
「強く打ちすぎるからロングするんだ」
「だからスピンをかけて打たないとミスするんだ」
そのために「手首をこねる・こねない」エトセトラ・エトセトラ……。
いろいろ言われ、挙げればキリがないように思えますが、すべて違います。
テニスでミスする原因は唯一、「打球タイミングのズレ」だけだったのです(関連記事「大発見! テニスでミスする原因は、『たったひとつ』しかなかった!」)。
キリがない課題に延々と取り組むから、常識的なテニス指導はキリがない。
型にハメる指導は果てしない迷路です。
▶その1球に、何を見ているか?
打球タイミングを合わせるために、ボールをよく見るというご提案。
「ボールなら見てるよ!」と、おっしゃるかもしれません。
しかしその見えるレベルが、フォームを意識した場合とボールに集中した場合とでは、全然違うのです。
意識したら、見えなくなります。
なぜ?
いつも同じたとえ話ばかりで恐縮なのですが、このメール回答をお読みいただいている最中、周囲で空調の「音」が鳴っていたかもしれないけれど、よく聞こえていませんでしたよね。
言われてみれば何となく耳には入っていた気もするけれど、指摘されなければ、クリアに聞こえていなかったはずです。
逆に空調の音をクリアに聴き入りながら、この文章を引き続き読み進めようとすると、ところどころ読み直したりするギクシャク感が強くなると思います。
眼耳鼻舌身意(げんにびぜつしんい)。
それと同じように、打ち方やフォームを意識したら、ボールの回転がクリアには見えなくなる(ボールの回転がクリアに見えたら、打ち方やフォームは意識できなくなる)ように、できているのです(関連記事「目で聞けない。耳で見えない」)。
▶味方のコーチが仇となるとき
ひとつ懸念されるのは、ご自身は感じるままにプレーしようとするとしても、担当コーチがいちいち「エッジをなんちゃら」「手首がどうこう」「ラケットを回すウンヌン」と畳み掛けてくる、フォーム矯正の強制です。
昨日、関連記事で取り上げた「スルースキル」があればやりすごせるでしょうけれども、スクールでは教えを請う立場上、難しいかもしれません(関連記事「『黙ってスルー』が最強の集中法だった!」)。
感じるままにプレーするにあたって、コーチの目が気になる「仇」となりかねないのです。
▶ダスティン・ブラウン、かく語りき
当該記事でご紹介した、あのラファエル・ナダルを手玉に取るがごとく翻弄したダスティン・ブラウンの言葉を、改めて引いてみます。
「ほかの人がどう思おうが、俺は俺の好きなように生きる」
本回答に即して言い換えれば、「ほかの人がどう思おうが、私は私の好きなようにプレーする」
これが、「感じるまま」ということです(関連記事「『本物の素直』と『偽物の素直』。テニス上達のためにどちらを選ぶ?」)
ご健闘をお祈りします。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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