勇者が帰ったあと、魔王城では報告書が回り始める。
前の記事では、AIと大喜利を続けていたら、魔王城に制度や生活が見え始めたことを書きました。
今回は説明を止めて、その魔王城で実際に使われていそうな書類を、少しだけ開いてみます。
勇者が帰ったあと。
魔王城では、何が始まるのでしょうか。
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勇者接近警報
【館内通知】
本日10時14分、西門方面より勇者一行の接近を確認しました。
一般職員は通常業務を継続してください。
四天王補助班は、昼休み終了後に玉座の間前へ集合してください。
勇者一行が「いのちだいじに」へ作戦を変更したため、本日の戦闘は長期化が予想されます。
各自、軽食を持参してください。
なお、本日の社員食堂は通常営業です。
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四天王敗北理由報告書
【四天王敗北理由報告書】
敗北者
炎の四天王
勇者側想定外要素
・回復役が二人いた
・予想以上にポーションを持っていた
・弱点属性の武器を、迷いなく初手から装備してきた
情報漏洩の可能性
内部告発を疑わざるを得ません。
敗北原因
□ 戦力不足
□ 連携不足
☑ 想定外
他部署への責任照会
情報部の事前報告では、勇者はレベル20程度でした。
明らかに40以上の動きでした。
本人コメント
「負けたのではなく、彼らの器を試したという判定にはできないでしょうか」
再戦希望
本来の属性が有利になる雨天時。
できれば来月以降。
上長確認
また想定外か。
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魔物再配置希望届
【魔物再配置希望届】
第一希望
勇者が来ない階
第二希望
宝物庫以外
第三希望
できれば地上勤務
異動理由
命が惜しくなりました。
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宝箱設置申請書
【宝箱設置申請書】
設置場所
第三階層・曲がり角
中身
鋼のつるぎ
設置理由
前回の「ひのきのぼう」は開封率2%未満だったため、予算増額を申請します。
開封率予測
82%
補充担当
補給班
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深夜当直引き継ぎノート
23時40分
西回廊壁面、応急補修完了。
1時15分
地下三階のミミック、最近誰も開けてくれないので、自分で少し口を開けて待っていたため注意。
3時15分
玉座の間から魔王様のため息が三回聞こえました。
そっとしておきました。
4時20分
門番班一名、所在確認できず。
朝番へ。
確認をお願いします。
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朝になれば、それも業務として引き継がれていきます。
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退職者口コミ|元一般兵(ゾンビ)
★★★★★☆☆☆☆☆
「死んでも蘇生されて、次のシフトに入れられます。
『復活できるなら欠勤ではない』
という人事の説明には納得できませんでした。」
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書類の奥に見えたもの
最初は、大喜利のネタとして書類を書いていただけでした。
けれど、書類が増えるほど、その向こうにいる人が気になり始めました。
誰が書いたのか。
誰が読んだのか。
誰が承認したのか。
そして、誰が翌朝も続きを引き受けるのか。
書類の奥には、制度があり、文化があり、日常がありました。
次は、その話を書こうと思います。
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