AIと魔王城で大喜利してたら、そこで誰かが働き始めた。
最初は、ただの大喜利でした。
ChatGPTと壁打ちをしながら、
「とんでもない魔王城の特徴は?」
というお題で遊び始めただけです。
普通に答えるより、求人票や社内連絡みたいな形にした方が面白そうでした。
返ってきた案へ、
「それなら求人票にしてみよう」
「次は社内連絡でやってみよう」
と返しながら、形式を変えて遊んでいきました。
そこで、
* 魔王城の求人票
* 魔王軍の社内連絡
* 敗北報告書
* 退職者口コミ
* アップデート履歴
* 館内放送
という形式で、ボケてみることにしました。
すると、思っていた以上に止まらなくなりました。
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魔王城の求人票
募集職種:四天王
応募資格
未経験歓迎。
経験者は、だいたい勇者側にいます。
試用期間
最初の勇者が来るまで。
※平均三日です。
福利厚生
復活魔法あり。
※死亡理由によっては自己負担です。
年間休日
勇者の遠征日程によります。
勤務時間
勇者が来なかった日は定時退社。
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魔王軍の社内連絡
魔王
「勇者が正門を突破した」
警備部
「正門は突破される前提です」
魔王
「では、何を守っていた」
警備部
「警備部の評価です」
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人事
「四天王に一名、欠員が出ました」
魔王
「死亡か」
人事
「有給です」
魔王
「今日取るな」
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魔王
「勇者が予定より30分早い」
四天王
「まだ昼休みです」
魔王
「勇者に待たせろ」
受付
「もう二階です」
ここで、思わず笑いました。
そのあとで、
なんで私はこんなに真剣に、魔王城の勤務状況を考えているんだろうと思いました。
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敗北報告書
件名
勇者戦敗北について
敗北理由
勇者が想定以上でした。
再発防止策
次回は想定を上げます。
※四回目の提出です。
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原因分析
勇者の成長速度が、当社の昇給速度を上回っていました。
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今後の対応
次回より、敗北を「戦略的情報収集」と呼称します。
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魔王城の退職者口コミ
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
風通しのよい職場です。
勇者が壁を壊すので。
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★★★☆☆☆☆☆☆☆
若手にも裁量があります。
生死についても自己判断です。
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★★★★★☆☆☆☆☆
成長できる環境です。
勇者も毎回来るたび強くなっています。
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魔王城アップデート履歴
Ver.2.3
* 聖剣を持った人物を、来客として受付してしまう不具合を修正しました。
* 勇者が壁を壊してショートカットする現象は仕様です。
* 最終決戦前の演説中に攻撃される問題へ対応しました。
* 演説を短くしました。
* 魔王は不満です。
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* 勇者がセーブ後に何度でも戻ってくる現象を確認しました。
* 魔王軍側にセーブ機能はありません。
* 仕様です。
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魔王城の館内放送
「勇者御一行が二階へ到着しました」
「三階勤務の方は、二階勤務の方へ感謝してください」
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「ただいま勇者が迷っています」
「案内係は、親切にしすぎないようお願いします」
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「勇者が城内でセーブしました」
「本日中の退勤は困難です」
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ここまでは、ただの大喜利です。
ただ、ネタを並べているうちに、妙なことに気づきました。
この人たち、ちゃんと働いている。
勇者が来なかった日は、定時で帰れる。
だから、そんな日の食堂では、いつもより少しだけ会話が長くなるのかもしれない。
勇者が壊した壁も、ゲームならそのままです。
でも、この城で誰かが働いているなら、翌朝には修繕係がレンガを積み直している。
宝箱には、中身を補充して歩く担当者がいる。
勇者が割った壺には、破片を掃く人がいる。
松明が消えたら、また火をつけて回る人がいる。
そこまで考えたところで、少し入力する手が止まりました。
「なんで四天王は昼休みだったんだろう」
「誰が勇者と最初に戦うんだろう」
「四回目の敗北報告書を、誰が受け取っているんだろう」
敗北報告書に、四回連続で同じ理由が並ぶ城。
その報告書を誰が書き、なぜ同じ理由が通り続けているのか。
大喜利は、ここで終わるはずでした。
でも、魔王城の翌朝が見えてしまいました。
この時はまだ、その世界から一人の人物が現れ、物語まで始まるとは思っていませんでした。
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