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1-4アンモナイトの見る夢ー1度も途切れてこなかった。このDNAを次につなぐのがいのちのミッション

 今あなたはここで生きています。138億年前にビッグバーンで宇宙が誕生して、長い長い年月が経った今の、広い広い宇宙の中の地球というこの小さな星のこの場所で、今この瞬間にあなたは命を生きて、家族や友人や恋人とのつながりの中で存在しています。これを奇跡と呼ばず何と呼んだらいいでしょうか。

 ヒトだけでなく、生きているものすべての最大の目的はイノチをつなぐことです。あなたが生まれたのは母親と父親がいて、あなたの誕生を喜ぶ人がいたからです。そして両親にはまたその母親と父親がいて、この世に生を受けているのです。

 ずっとずっとさかのぼっていけば、原始時代の洞穴での生活。その前には二足歩行を始めたころの東アフリカサバンナでの暮らし。さらに時間をまきもどせばトカゲだったころや、シーラカンスの海での暮らし、ナメクジウオやアンモナイトだったころから何億年もの間、一度も途切れることなく命のリレーをつないでここまで来たと思えば、自分の人生が奇跡に思えてきます。

 お金に不自由しない暮らしをしたいとか、いつまでも健康でいたいとか、愛する人といつまでも一緒にいたいとか。でもその前に命をつないでいくリレー、サバイバルこそがヒト属を含め、すべてのイノチの最優先の目的です。

 ヒトゲノムの解読から20年あまり。人類は自分たちの設計図を手に入れたことで、病気の原因を特定したり新薬の開発に貢献したりできるようになりました。ところが設計図を手に入れてみたものの、そのほとんどが、まだ理解できない情報だということがわかりました。

 遺伝子を持つ生物が誕生したのは約35億年前。単細胞から複細胞になり、雌雄がわかれ、植物と動物に分かれ、サルからヒトが分かれるまで、遺伝子は少しずつ変化して蓄積してきました。

 私たちの遺伝子には、アンモナイトの見る夢も、海から陸にあがったシーラカンスがはじめて見上げる空の青さも、アウストラロピテクス原人の洞窟でのやすらぎも、すべて記憶されています。

 そしてもしうまくいけば、40億年後の未来にも私たちの遺伝子は、大きく膨らんだ太陽に飲み込まれて最後を迎えるその日の地球が記憶されるでしょう。

 人生の最大目的であるイノチのサバイバルとは、いいかえれば遺伝子のバトンリレーです。

 途中で途切れることなく、できるだけ遠くまでバトンをつなぐこと。それが神様からイノチに課されたミッションであり、私たちが生きている証なんです。



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