【全文】衆議院 予算委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年6月4日)
2026年6月4日に衆議院 予算委員会で行われた質疑における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と各答弁者による答弁、高山の討論を全文書き起こしたものです。
案件:
・令和八年度一般会計補正予算(第1号)
・令和八年度特別会計補正予算(特第1号)
質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=高市早苗 内閣総理大臣、片山さつき 財務大臣、赤澤亮正 経済産業大臣
1. 物価高騰下での子育て世帯支援
高山聡史
チームみらいの高山聡史です。昨日の本会議では、補正予算の基本的な考え方についてご質問いたしました。いただいたご答弁を踏まえて、本日は、より具体的に伺えればと思います。今回の補正予算だけでなく、来年度予算、そして、今後緊要性が認められる事態が生じた場合の次の補正予算を考える際にも議論の土台となるような建設的なご答弁を期待しております。
その上で、まず冒頭、順番を少し変えさせていただいて、総理に子育て支援の在り方についてご質問をさせてください。
今日の質疑の中でもございましたが、昨日、厚生労働省が発表した人口動態統計で、2025年の出生数は過去最少の67万人、10年連続の減少となりました。また、合計特殊出生率も過去最低の1.14です。尾﨑官房副長官は、記者会見で、少子化に歯止めがかかっていないと述べられました。私もまったく同じ危機感を共有いたします。そして、今、中東情勢を受けた物価高が子育て世帯の暮らしを直撃しています。
私たちは、子育てを社会全体で支えていかなければならない。そして、これを考えるとき、性質の異なる二つの課題があると私は考えます。一つは、今、現に子育てをしている方々の暮らしを守るということ。これは足下の物価高対策です。これから夏休みになると、食費も冷房もお金がかかります。こどもに安心してごはんをあげられる社会を私たちは守らなければなりません。もう一つは、これからこどもを産み育てたい、そう考えておられる方々、2人目、3人目を考えておられる方々も含めて、その希望を諦めさせないということです。これは構造的な少子化対策です。
この2つは、対象も時間軸も打ち手も異なると思います。物価高対策をもって少子化対策を忘れてはいけませんし、逆に、少子化対策を理由に足下の暮らしを後回しにしてもいけない。双方にしっかり力点を込める必要があるという観点から、総理に伺います。
まず、足下の物価高対策について、中東情勢に伴う物価高は、食費や光熱費を通じて子育て世帯に直撃します。政府が昨年決定したこども1人当たり2万円の物価高対応子育て応援手当もありますが、子育て世帯の生活を支える打ち手は十分行われているとお考えでしょうか。総理の認識をまず伺います。
高市早苗 内閣総理大臣
昨年度の補正予算で措置したお子さん1人当たり2万円の手当でございますけれども、物価高対応子育て応援手当といいますが、これはずっと執行が続いてきて、令和8年5月末時点、数日前ですね、約99%の市町村が支給を開始したという状況でございます。残りの自治体についても6月中旬までには支給を開始するということで、まだこれから行き渡っていくという状況が続きます。
このほか、やはり、本年3月から緊急的激変緩和措置によるガソリンなどの価格を抑えるための補助も開始しましたし、5月26日には、電気・ガス料金について、標準的なご家庭で7月から9月の3か月で5,000円の負担軽減となるように、令和8年度予算の予備費を使用決定しました。子育て世帯の家計も含めて、各ご家庭の下支えがしっかりできていると思います。また、公定価格に経済・物価動向を反映させた令和8年度予算、これも執行しておりますし、こういった取り組みをしっかり御党にもご協力をいただいて進めてまいりたいと思います。
少子化対策ということに限って言いますと、こども未来戦略の加速化プランに基づいて、児童手当の拡充、こども誰でも通園制度の創設、妊婦のための支援給付の実施などに取り組んでおりますので、この加速化プランの効果の検証を行いながら、政策の内容のさらなる充実も検討してまいります。
そして、やはり将来に向けて、若い方々の手取りが増えるということは大事だと思っているので、給付付き税額控除の議論におきましてもぜひともよろしくお願いをいたします。
高山聡史
ありがとうございます。
まず、ご答弁いただいた前段ですね、今、物価高に対して子育て世帯を含めて対応いただいているというところですが、今回また予備費を中東対策で大きく積んだわけでございますから、ぜひ機動的な対応をよろしくお願いいたします。
そして、構造的な少子化対策についてもご答弁いただきました。一つ一つの施策が進んでいるということは大変すばらしいと思います。しかし、まだ出生数も出生率も下げ止まっていないという中で、今、中東情勢は財政的に大きな負担を迫りかねないという局面でございますから、こういう局面でこそ、少子化対策というのは、未来を支えるこどもたちへの投資だと捉えて最優先で守り、より一層拡充すべきであると思います。
給付付き税額控除というお話もありましたが、未来のこどもたちを支える投資をしっかり進めていくというところ、総理、もう一言ご決意をいただけないでしょうか。
高市早苗 内閣総理大臣
こどもさんたちがすくすく育っていく、そしてまたこどもさんが欲しいなと望まれるご家庭にこどもが持てる環境ができるというのは、これはまさに日本にとっての希望でもあり、多くの方々、お一人お一人の希望をかなえる道でもございます。
給付付き税額控除は、これはちょっとこだわっております。やはり低所得、中所得の方が多い若年層もありますので、低所得、中所得のところで税、社会保険料の負担が非常に重くなっている、国際的に比較しても重くなっていますので、ここを重点的に支援していきたいなと思っておりますので、これは御党にもご参加していただいている社会保障国民会議での議論でございますので、ぜひともこうした議論が早く進んでいく、そしてまた必要な支援が早期に実現されるということを期待しております。
高山聡史
ありがとうございます。国民会議の文脈では、中低所得の方々をしっかり、その負担を軽減するというところの意義は、我が党としても認識をいたしております。
そして、少子化対策においては、もちろん若年層のまだ所得が多くないという方々をしっかり支えるということ、これに加えて、所得によらずもう1人産みたいという方の希望をきちんとかなえるような、そういった打ち手も必要であると考えますので、引き続きぜひ議論をさせてください。
2. 中東情勢等対応予備費の使途と使用基準
高山聡史
続いて、中東情勢等対応予備費について片山財務大臣に伺います。
昨日の本会議で、大臣は、使用の判断基準を事前に類型化し、それぞれの想定額をお示しになることは困難であるとご答弁されました。一方で、予算総則(国の予算の冒頭に置かれる総括的規定)で使途の範囲を限定しているともご説明されています。ぜひここをもう一段かみ合わせたいと思っております。
使途の範囲を予算総則で限定できているのであれば、その範囲の中で、これまでの前例なども踏まえて、どういう類型の支出が想定されるのかということを例示するということは、事前の判断基準を設定することは難しいとしても、一定可能ではないかなと思います。
あらためて、大臣に伺います。
金額の幅も問いません。この予備費から支出され得る使途としてどのような類型が想定されますでしょうか。たとえば、ガソリン補助金、電気・ガス料金支援、子育て世帯への支援、中小企業の資金繰り支援、医療物資や重要物資の確保、これらを行うための地方への交付金など、こういったものは含まれ得ると考えてもよろしいでしょうか。想定される類型について、大臣のご認識をお聞かせください。
片山さつき 財務大臣
高山委員におかれましては、昨日の本会議でも私はお答えさせていただいたのでございますが、中東情勢等対応予備費では、中東情勢がいまだに不透明である、この不透明度、なかなか解決される問題じゃないわけですが、この状況で、今後の物価動向や経済に与える影響を十分注視しつつ、与党の提言や国会でいただいております皆さまのご議論、国民の声を踏まえて、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないように適切かつタイムリーに対応できるということが非常に重要だと考えて、今後への万全の備えとしてこのように創設するものでございます。
予算総則での使途の範囲の限定というのは、具体的には、今回提出いたしました予算の総則にきちっと書かれている範囲として、中東情勢に伴うエネルギー価格の高騰など我が国経済への影響への対応に要する経費、その他の中東情勢をはじめとする国際情勢の変化に伴って我が国への影響、それがあることによって、これへの対応が必要になってくる、これに係る経費、しかも緊急を要する経費、こういう限定になっておりまして、それ以外には使わないという形で、これらの特定された予備費というのは定義されているわけでございます。
今委員がおっしゃったさまざまな経費がございますが、具体的に現時点で予測することができていれば、そこで経費を列挙して、そこに金額をつけておりますが、それを見積もるということができる状態ではないし、また、そういうことよりも、今私が申し上げましたように、臨機応変性、適切性、かつ、柔軟でタイムリーに対応できるということが適当であるということでこのような形にしているものでございますので、まさに緊急を要する経費、そして我が国への影響への対応に係る経費ということでご理解をいただきたいと思います。
高山聡史
ありがとうございます。
やはり今まだ指定が難しいというようなご答弁だったと思いますが、この範囲に含まれ得るかということであれば、今ご答弁いただいた内容を踏まえると、挙げた内容が含まれ得るということは論理的に否定できないのではないかなと私は受け止めております。
今回予備費として積んだ以上は、ぜひ、過度に打ち手の幅を狭めることも、過度に拡大解釈をすることもなく、執行のたびに、どういう使途でいくら使って、どういう効果があるのかということを都度分かりやすい形で示す、事後の透明性を徹底いただくことによって、少なくともその点においては財政民主主義を担保いただけるよう、お取り計らいをお願いいたします。
3. 税収見積りの精度への評価
高山聡史
次に、補正予算の財源にも関わる税収の見積りの精度について伺います。
我が国の税収は、近年、当初の見積りを上回るケースが多く、当初予算段階では税収がある程度保守的に見積もられ、経済状況が想定の範囲内であれば上振れが生じるようになっているのではという指摘もございます。
財務大臣に伺います。
この上振れの主な要因をどう見て、そして税収見積りの精度そのものをどう評価しておられますでしょうか。
片山さつき 財務大臣
よく、税収が上振れ、下振れ、いろいろなご意見をいただくんですが、私がこの部屋に立ち入るようになって40年やっておりますし、そのうち23年は大蔵省、財務省の中で関わってきましたし、残りの20年は閣僚か、あるいは国会議員として毎年見ておりますが、上振れすることも下振れすることもございます。過去もございました。
税収が歳入予算の非常に主要な構成要素であり、その見積りが適切に行われる、適正に行うということがいかに重要かということは委員のご指摘のとおりでございまして、当然そのように認識しているわけでございますが、見積りに当たっては、その時点で入手できる情報をしっかり集めて活用して、そのときの経済状況、経済見通し等も踏まえて、見積り精度を最大限高める努力を行ってきて、こういうことを毎年やっているわけでございます。
ですから、近年、実際の税収の見積りからの上振れが確かにこのところは続いておりますが、そうでなかったこともあるわけでございまして、引き続き、私どもとしては、見積りの精度の向上に最善を尽くしてまいりたいと思っております。
高山聡史
低めに見積もっておくと上振れた分を補正での歳出に使えるということになってしまうと、国会による予算の統制が弱まるということでございますから、ぜひ、見積りの精度については、おっしゃっていただいたとおり、継続的にブラッシュアップをお願いいたします。
4. 特例公債発行と市場の信任
高山聡史
財務大臣への最後の質問です。国債発行と市場の信認との関係について伺います。
政府は今回、特例公債を追加で発行する一方で、市中発行総額が増えないので、市場の信認は保てるというご説明をされています。これはある面では正しいと思うのですが、今回3兆円分の赤字国債が発行されること自体は事実でございます。
この赤字国債を財源とする予算がどのように使われるのか、そして債務残高や利払い費の対GDP比をどうマネージしていくのか、こういったことも市場の信認を得る上では不可欠の視点ではないかと考えますが、財務大臣のご見解を伺います。
片山さつき 財務大臣
今回の補正予算におきましては、委員ご指摘のとおり、歳出の追加に伴って、歳入としては特例公債を3.1兆円追加することとなりますが、前年度分の特例公債のうち、今後6月までの発行が予定されている3兆円分は、税収・税外収入・歳出不用の見込みを踏まえますと、実際には発行せずに済むという見込みが立っております。このように、国債発行の予定額全体の中で調整を行うことで、市中への発行総額は増やさずに対応できるため、国債マーケットというものに影響を与えることなく、実行可能と考えて、そのように申し上げているわけでございます。
こうした取り組みについてしっかり説明していくということが非常に重要なことは我々認識しておりまして、日々私どももそのように説明し、マーケットと対話をしているわけですが、それに加えて、日々の市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、政府の債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことができるように、そして、財政の持続可能性を実現して、マーケットからの信認を確保できるように日々運営をしてということで心がけておりますので、議員のご指摘、ご期待を裏切ることがないように、信認を十分に確保しておると考えております。
高山聡史
ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
5. ガソリン・電気・ガス支援の費用対効果
高山聡史
ここからは、赤澤経済産業大臣に伺います。まず、ガソリンや電気、ガスへの支援、その費用対効果についてです。
まず、ガソリンへの補助、電気、ガスへの支援について、投入する税金に対してどれだけの効果があったのか、こういう費用対効果はどのような指標で測るべきか、大臣の見解を伺います。
赤澤亮正 経済産業大臣
今般の中東情勢を受け、国民生活と経済活動を守るため、緊急的な激変緩和措置を3月19日木曜日から実施をし、ガソリンの小売価格を全国平均で170円程度に抑制しております。ご案内のとおりです。本措置では、4月分として約3,100億円を支出し、ガソリンの暫定税率廃止の効果も含め、同月の消費者物価指数を1.1ポイント程度押し下げ、国民の皆さまの家計の直接的な負担を一世帯当たり2,600円程度軽減したと試算をしております。
また、電気・ガス料金については、暑くなる夏への対応として、国民の皆さまの命と暮らしを守る観点から、使用量が増加する7月から9月までの間に支援を実施することとしております。これにより、今夏の電気料金は昨年同期間の支援後の料金より引き下げられることが見込まれ、標準的な家庭で、電気・ガス合わせて3か月で5,000円程度の負担を軽減できると考えております。
こうした支援を通じて、国民の皆さまの命と暮らし、経済活動に支障が生じないよう万全を期してまいりたいと思います。
高山聡史
いくら物価が下がり、そして家計当たりでいくら負担が下がったのかというのは、そのとおりだと思います。
その上で、価格に対する補助というのは、価格を人為的に下げることで、たとえば省エネや燃料転換のインセンティブをそぐような副作用もあるかと思います。また、財政負担の持続性を踏まえて、出口戦略の設計にもつながるような形で費用対効果を検討、評価すべきではないかということを申し上げたい思います。
6. 原油・石油関連製品のサプライチェーン強化
高山聡史
続いて、原油そして石油関連製品の産油国やアジア諸国との連携について伺います。
昨日の本会議で、大臣は、パワー・アジアについてベトナムやフィリピンとの協力が進展しており、支援の具体化に取り組むというお答えでございました。パワー・アジアは、足下の緊急対応と中長期の構造的対応の2本柱と承知しており、本日、主に構造的対応の方について伺いたいと思います。
まず、原油の備蓄について、我が国は、UAEやサウジアラビアといった産油国とともに、国内の備蓄基地で産油国共同備蓄を進めてまいりました。今回の中東情勢の変化を踏まえて、今後これをどう拡充していくのか、また、アジア諸国への備蓄協力として、ノウハウの共有であったり、我が国の備蓄量をさらに増やして、今回のような危機の際に融通し合う枠組みをどう進めていくのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
赤澤亮正 経済産業大臣
石油はグローバル市場で取引されるものであり、アジア市場の需給バランスの維持は、我が国産業のサプライチェーンの維持強化や我が国のエネルギー安定供給にもつながってまいります。このため、石油の安定供給を考える上で、産油国に加えて、アジア諸国との協力も不可欠だと思っています。
産油国との連携については、官民一体で原油調達拡大に取り組んでいる、これは委員が今回の質問から外すと言われた短期的なものでありますが、産油国共同備蓄や人材育成、技術協力といった中長期のものも実施をしているところであります。
アジアとの連携については、委員からご指摘いただいた、本年4月、高市総理が、足下の代替調達支援や中長期的なエネルギー供給体制の強化に取り組む枠組みとして、パワー・アジアを発表いたしました。本枠組みの下で、アジア各国の石油備蓄制度構築のため、必要となるデータ整備や法制度の構築、インフラ整備といった支援を行う予定でございます。
委員のお尋ねにありました、サウジ、UAE、おっしゃいませんでしたがクウェートも入れて、我々、産油国との共同備蓄を持っております。まさにそれについては、量をたとえば倍増しようとか、そういったような協議をサウジ、UAEなどと今重ねているところでありまして、我が国にとって直接的にメリットのある我が国の備蓄を増やすという取り組みと併せて、パワー・アジアの中では、むしろ、東南アジアの国々が、1か月半とかしか備蓄がない国が今ある状態のところで、もっと、数か月、それより多く備蓄できる体制をつくっていくための協力をしていこうということであります。
産油国やアジア諸国との関係強化に取り組み、エネルギー安定供給に万全を期してまいりたいと思います。
高山聡史
ありがとうございます。一方で、石油関連製品については、先ほど大臣もおっしゃっていたとおり、ナフサも揮発性が高く、長期の備蓄が難しいことから、サプライチェーン全体の強靱化が必要だと思います。産油国との連携で製品や原料の安定的な引き取りを実現しながら、アジア諸国とも連携して供給網を維持できるようにしていく、こういった産油国、アジア諸国相互と連携しながらサプライチェーン全体をどのように強化をしていくべきなのか、大臣のお考えをお聞かせください。
赤澤亮正 経済産業大臣
石油関連製品の原料となるナフサについては、代替調達により従来の85%の水準まで回復、そして石油関連製品は年度を越えて供給継続可能ということを繰り返し発信をさせていただいています。一部で大変苦しんでおられる国民の皆さまがおられるように、供給の偏りや流通の目詰まり、何とか解消していきたいという思いです。
そういった中で、関係省庁に設置した情報提供窓口を通じて、サプライチェーン、どこに限らず川上から川下まで情報を総合的に収集をし、分析をし、それを集約したことを基に、徹底した情報管理を前提に関係企業からの個別の取引情報等を入手、分析することで、供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ確実に解消するそのツール、手だてにさせていただいているところです。
議員からのご指摘なども踏まえて、平時から官民で連携しながら、デジタルも活用し、石油化学製品の多岐にわたるサプライチェーン情報を収集し、リスク分析していくことも重要だと思っています。引き続き、事業者との対話を続け、必要な対応を進めていきたいと思います。
7. 需給・価格動向可視化のデジタル基盤整備
高山聡史
ありがとうございます。危機に際して、これをみんなで乗り越えて、より強いサプライチェーンをつくっていく、こういったきっかけにしていければと思います。
今ご答弁の中にもありましたサプライチェーンの強靱化の打ち手としては、需給と価格動向がサプライチェーンの各所でしっかり見える化されていることが重要であると思います。その際には、デジタル基盤の整備ということも欠かせません。
昨日も、大臣からは、平時から官民で連携しながら、デジタルも活用しつつ、サプライチェーンの透明化を進めていくことも重要というご認識をいただきました。これは私も完全に同じ思いでございます。そこで、ぜひ実行につながる打ち手を考えていただきたいというのが、本日これを再び取り上げた理由でございます。
今起きている供給の偏りや流通の目詰まり、全体として供給は足りているはずなのに現場には物がないというのは、本質的には、需給の見通しが関係者の間でも共有されていないという情報の問題でもあると思います。川上から川下まで各事業者がデジタル基盤を使って物の流れの動向をきちんと把握できるようになれば、情報がすぐ流れるようになって、過剰発注などを行うインセンティブも生まれづらくなると考えます。
政府として、このサプライチェーンの透明化に向けて、それを支えるデジタル基盤にしっかり投資していく、その民間の動きを後押ししていくことが供給ショックに強い経済をつくるには不可欠だと考えますが、大臣のご見解をお聞かせください。
赤澤亮正 経済産業大臣
同感でございます。それで、私どもが説明するときに、供給全体が足りているのになぜこんなに苦労しておられる国民がおられるんだということについて、ご説明は今日も3つ常にしてまいりました。川上、川中で情報の共有ができずに供給を絞るということが上のほうで起き、あと、全体にコミュニケーション不足があり、川下のほうでは、とにかく不安なので過剰に買う、あるいは発注するということが起きています。
特に、一番最初に申し上げたところがまさに委員のご指摘に関わるところで、4月は例年どおり原料を卸します、5月は未定と言われたシンナーメーカーが直ちに4月から供給量を半分に削ったということが起きて、川下は大変苦労し、不安にし、不満も起きて、お怒りも買ったということであります。
その辺が、シンナーメーカーより川上がちゃんと今後とも卸してくれることがシンナーメーカーに伝わるようにして、まさにそれを解消しておりますので、それを我々がやらなくても、デジタル等でその辺お互い情報を共有できているという基盤ができ上がれば、少なくともその問題については起きなかったのかなということも思いますので、そういうことも含めて、ちょっと今は火事場なので、いろいろと新たに基盤をつくるみたいなことは、直ちに取りかかれるかはちょっと難しいところがあると思いますけれども、しっかりそういうことも視野に入れて、今後きちっと対応してまいりたいと思います。
高山聡史
ありがとうございます。ぜひ、この火事場に気づいた課題を解決できる打ち手をしっかり火事の後に打っていただくということを期待をしたいと思います。
8. AI・データセンター時代のエネルギー供給構造改革
高山聡史
赤澤大臣への最後の質問です。AI・データセンターによる電力需要の増大と、それに応えるエネルギー供給構造の改革について伺います。
昨日の本会議でも、総理から、AIの進展で電力需要が増える、だからこそ、脱炭素電源を最大限活用して、省エネ・非化石転換を進め、GX経済移行債も活用して、ペロブスカイト太陽電池や原子力、地熱などに投資する、こう方向性を示していただきました。
昨年2月に閣議決定されたエネルギー基本計画、そして、2040年に向けたGXのビジョン達成に向けて、何にどう投資をしていくのか。たとえば、送電網の整備・次世代電源・蓄電池・需要側の省エネや高効率化など、さまざまな考えられる施策がある中で、大臣に伺いたいと思います。
エネルギーの安定供給が問われる事態にあって、短期的な価格の安定だけに偏らず、積極的な未来への投資、構造改革に向けた投資をどのように進めていくお考えか、大臣の見解を伺います。
赤澤亮正 経済産業大臣
AIの普及拡大に伴うデータセンターの増加などにより国内の電力需要の増加が見込まれる中、エネルギー安定供給や2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、必要な脱炭素電源を確保していく方針です。
基本的には、具体的な電源構成について、2040年度におけるエネルギー需給の見通しとして、再エネは4割から5割程度、原子力は2割程度、火力は3割から4割程度となる見通しを示しており、再エネあるいは原子力ともに、安全性や地域の理解を前提に最大限活用していくということにしております。
今後、ペロブスカイト太陽電池や次世代型地熱、あるいは次世代革新炉といった脱炭素電源への官民での投資を拡大をし、我が国のエネルギー需給構造を強靱化するとともに、産業競争力の強化や経済成長の実現につなげてまいりたいというふうに思っております。
高山聡史
ありがとうございます。大きな方向性としては私も同じ目線であると思うのですが、ぜひ、政府におかれては、エネルギー供給構造の改革に向けて、今起きているさまざまな変化、さまざまなエネルギーに対する補助を考えるきっかけでもあると思います。こういった政府の補助が、より前向きな構造転換の後押しになるような形での検討もぜひお願いしたいと思います。
9. 危機対応と成長戦略の両立
高山聡史
最後に、再び総理に伺います。危機対応と成長戦略の両立についてです。
危機への対応で財政圧力が高まる局面においては、ともすれば、たとえば、AI・半導体・計算基盤への投資、そういった先端的な研究への投資など、成長への投資が後回しにされがちです。しかし、外的なショックに強い経済をつくるには、危機のときこそ成長投資を削らずに守り抜くという姿勢が必要だと思います。
総理に伺います。危機対応と成長戦略をどう両立をさせていくのか、総理のお考えをあらためてお聞かせください。
高市早苗 内閣総理大臣
現下の中東情勢を踏まえましても、危機管理投資・成長投資によって、世界の共通する課題解決に向けた、それに資する製品やサービスやインフラ、これをしっかりと開発して、国内で使うのはもとより、海外にも展開していく、こういった考え方は変わりません。日本の成長につなげていくことというのが余計に大事だと多くの方に思っていただけたと思います。
特に危機管理投資に関しましては、今回の中東情勢を受けて、いろいろな技術の話がこの委員会でも出ましたよね。新しい技術でこんなふうに省エネができるんじゃないかとか、そういう話が出ました。そして、やはりインフラ、これも重要だと。備蓄をしようといったって備蓄タンクが必要ですし、それから船舶の重要性、それからまた、今週は台風もあり、国土強靱化の必要性、いろいろな課題、これを解決するための危機管理投資というのは、こういうときだからこそ大事。多くの課題を解決するための投資というのは、それは絶対に成長につながりますから、成長投資とも言えます。
まさに今、世界は産業政策の大競争時代にあります。産業政策というのは一昔前は古いと言われましたけれども、今はまさに大競争時代で、今の未来への投資不足の流れを断ち切るために、私は総理になりました。それから、国内投資、この促進に徹底的なてこ入れをするために今働いています。
厳しい環境の中にあっても、政府が一歩前に出て、しっかりと事業者の予見可能性を高めるということをしていけば、そういう大胆な措置を講じていけば、強力に民間の投資も引き出していける、それが日本の成長につながる。成長しなければ、先ほど来、委員が指摘してくださったような少子化対策も十分なことができませんから、そのためにも手を抜かずに頑張ってまいります。
高山聡史
大変力強いご答弁をいただいたと思います。この力強いお言葉を、総理のリーダーシップだけでなく、しっかりと仕組みとしてやり切るためには、総理がまさに掲げておられる複数年度予算であったりとか、単年だけではなく、成長投資が削られたり後回しにされない仕組みをしっかりと確立いただく必要があると思います。
本日は、中東情勢への対応をテーマに、総理そして各大臣にご質問させていただきましたが、次に総理にご質問させていただく際には、今日はあまり話せませんでしたので、AI活用であったりとか、そういったことについてもぜひご質問させていただきたいと思います。しっかりと成長について議論させていただきたいと申し添えて、私の質問を終わります。
賛成討論
チームみらいの高山聡史です。私は会派を代表し、令和8年度補正予算に対し、賛成の立場から討論を行います。
今、中東情勢に端を発する物価高が、国民の暮らしを直撃しています。各ご家庭、また子育て世帯にとって、夏場の食費や光熱費の負担は、決して小さなものではありません。必要に際して目の前の暮らしを守ることができるように、財政措置を講じる必要がある。これが、本補正予算を考える上での土台となるべきものです。
子育てへの支援を考えるとき、性質の異なる二つの課題に向き合う必要があります。
一つは、今、現に子育てをしている方々の暮らしを守ること。これは、足下の物価高対策です。
もう一つは、これから子どもを生み、育てたいと願う方々の希望を、諦めさせないこと。これは、構造的な少子化対策です。
昨日厚生労働省が発表した出生数は67万人、合計特殊出生率は1.14と、いずれも過去最低を更新し続けています。財政が厳しい局面だからこそ、未来を支えるこどもたちへの投資は、最優先で守り、むしろ一層拡充していかなければなりません。
エネルギーについても、同じことが言えます。ガソリンや電気・ガスへの支援は、足下の価格高騰から暮らしを守る、必要な手立てです。
しかし、そこにとどまってはなりません。産油国やアジア諸国との連携によるサプライチェーンの強靱化、そして送電網や次世代電源への投資。AIやデータセンターによる構造的な電力需要の増大にも応えうる、外的なショックに強い供給構造を、いまこそ築いていく必要があります。目先の価格の安定と、未来への投資。その双方に、しっかりと力を込めなければなりません。
本補正予算は、危機に直面する国民の暮らしを守るための備えとして、必要な措置と考えます。その執行にあたっては、効果の検証を尽くすこと、そして危機にあっても成長への投資を削らず、しっかりと守り抜くことを求め、私の賛成討論といたします。
