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令和8年度補正予算案 衆議院予算審議における幹事長・高山聡史の発言全文

2026年6月4日、令和8年度補正予算案が衆議院で可決されました。チームみらいは、本補正予算案に賛成いたしました。

6月3日の本会議では、片山さつき財務大臣の財政演説に対して、チームみらい 幹事長・高山聡史が会派を代表し、質疑を行いました。予備費の具体化と検証可能性、サプライチェーンの強靱化、そしてエネルギー供給構造の改革という三つの観点から問いを投げかけ、これに対し高市総理、片山財務大臣、そして赤沢経済産業大臣が答弁しました。

また6月4日の衆院予算委員会では、補正予算案に賛成の立場から、高山聡史が討論を行いました。足下の物価高対策とあわせて、少子化対策やエネルギー供給構造の改革といった、未来を支える投資を守り、前に進めていくことの重要性を訴えました。

質疑ならびに総理の答弁全文は、こちらをご覧ください。本記事では、衆議院本会議・予算委員会での高山の質問ならびに討議、補正予算案 衆議院予算通過後のぶら下がり取材全文をお届けします。


1. 6月3日 衆議院本会議での代表質問

チームみらいの高山聡史です。会派を代表し、ただいま議題となりました財政演説について質問いたします。

長引く中東情勢の混乱に対し、国民の暮らしと経済を守るため、リスクを最小化するための備えを講じること。この基本的な考え方に対しては、チームみらいとしても賛同するところです。その上で、本来、補正予算はお金を積むこと自体が目的とされるべきものではありません。何のために、どれだけ使おうとしていて、どのような効果があるのか。予算審議において、国民に対する説明責任を果たすことが求められていると考えます。そうした観点で、大きく三点、順にご質問いたします。

第一 予備費の具体化と検証可能性について

まず第一に、予備費の具体化と検証可能性について伺います。
今回の補正予算では、一般予備費を一兆円に復元した上で、新たに「中東情勢等対応予備費」を創設するとされています。先行きの不透明な情勢に臨機応変に対応するため、予備費という手法を用いること自体は、理解いたします。
しかし、「中東情勢対応」という大きな目的の枠をお示しになるだけでは、国会による予算の統制としては、なお粗いと言わざるを得ません。かつて新型コロナウイルス感染症への対応では、10兆円規模の予備費が計上され、最終的な使途や効果が十分に追跡できていないことに関して、会計検査院からも課題が指摘されました。予見しがたい事態への備えであっても、想定される使い道を可能な限り具体的に示すことこそが、財政民主主義であり、納税者への説明責任です。
そこで、財務大臣に伺います。 今回の「中東情勢等対応予備費」について、想定される使途の類型と、それぞれの想定額、そして使用の判断基準を、国会審議の中で、可能な限り具体的にお示しになる考えはありますでしょうか。
あわせて、総理に伺います。 執行の後に、何に、どれだけ使い、どのような効果があったのか。これを、国会と国民にきちんとデータを開示して、分かりやすい形で検証する。このことを、この場でお約束いただけますでしょうか。

第二 サプライチェーンの強靱化について

第二に、サプライチェーンの強靭化について伺います。
今回の危機で浮き彫りになったのは、サプライチェーンの最上流では供給は足りているにもかかわらず、現場では物資の不足が生じている、という事実です。これは、需給の見通しが関係者の間でも十分共有しあうことが難しいという、いわば「情報の目詰まり」にほかなりません。人海戦術による目詰まりの解消にも、自ずと限界があります。
必要なのは、危機のたびに人手で対処することではなく、平時から需給の「見える化」を進め、買いだめや売り惜しみを構造的に防ぐ仕組みです。また、調達先の多角化も、一国だけでは限界があり、アジア各国・世界各国との連携が欠かせません。その意味で、先般立ち上げられた「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ」、いわゆるパワー・アジアの方向性は、意義深い取組であると評価いたします。
その上で、経済産業大臣に伺います。 このパワー・アジアの取組、そして、サプライチェーンの透明性を高めるデジタルインフラなどのシステムへの投資を、今後さらに進めていくべきではないでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。

第三 エネルギー供給構造の改革について

最後に、エネルギー供給構造の改革について伺います。
ガソリンや電気・ガスへの支援は、足元の暮らしを守るために、一定程度必要な措置であることは言うまでもありません。しかし、こうした激変緩和措置だけに頼り続ければ、価格が高騰するたびに財政が圧迫される構造から、私たちは抜け出すことができません。今こそ、供給構造そのものを変えるための投資が必要です。

とりわけ、AIの普及やデータセンターの集積により、わが国の電力需要は構造的に増大していきます。この需要増に応えることこそ、成長戦略の実現に欠かせない要素である一方、同時に、化石燃料やホルムズ海峡への過度な依存を減らしていくには、省エネルギーや電源の多様化、そして次世代技術への投資を、国家戦略として加速させなければなりません。

総理に伺います。 AIによる電力需要の増大に応えるだけの国家戦略を描いた上で、激変緩和措置に偏ることなく、可能な限り、構造改革に向けた投資へと予算を振り向けるべきではないでしょうか。総理のお考えと将来に向けた御決意を伺います。

危機への対応を、その場しのぎの打ち手を並べるだけで終わらせるのか。それとも、強くて豊かで持続可能な構造へと転換する好機とするのか。私たちチームみらいは、この際、未来志向で強靭かつ変化に強い社会をつくるきっかけにすべきであるという立場から、建設的な議論を進めてまいります。

以上で、私の質問を終わります。

2. 6月4日 衆議院予算委員会での質問

チームみらいの高山聡史です。昨日の本会議では、補正予算の基本的な考え方についてご質問いたしました。いただいたご答弁も踏まえて、本日はより具体的に伺えればと思います。
今回の補正予算だけでなく、来年度予算、あるいは今後緊要性が認められる事態が生じた場合の、次の補正予算を考える際にも議論の土台となるような、建設的なご答弁を期待しております。

その上でまず冒頭、順番を変えさせていただいて、総理に子育て世帯支援のあり方についてご質問させてください。昨日、厚生労働省が発表した人口動態統計で、2025年の出生数は過去最少の67万人、10年連続の減少となりました。また、合計特殊出生率も過去最低の1.14です。

尾﨑官房副長官は、記者会見で「少子化に歯止めがかかっていない」と述べられました。私も、全く同じ危機感を共有します。そして今、中東情勢を受けた物価高が、子育て世帯の暮らしを、直撃しています。

私たちは、子育てを社会全体で支えていかなければならない。そして、これを考えるとき、性質の異なる二つの課題があると、私は考えます。
一つは、「今、現に子育てをしている方々の暮らしを守る」こと。これは、足下の物価高対策です。 これから夏休みになると、食費も冷房もお金がかかります。こどもに安心してご飯をあげられる社会を、私たちは守らなければならない。もう一つは、「これから子どもを生み、育てたいなと考えておられる方々、2人目、3人目を考えておられる方々も含めて、その希望を諦めさせない」こと。これは、構造的な少子化対策です。
この二つは、対象も、時間軸も、打ち手も異なります。物価高対策をもって、少子化対策を忘れてはいけない。逆に、少子化対策を理由に、足下の暮らしを後回しにしてもいけない。双方に、しっかりと力点を込める必要がある。この観点から、総理に伺います。
まず、足下の物価高対策です。中東情勢に伴う物価高は、食費や光熱費を通じて、子育て世帯に直撃します。政府が昨年決定した、こども1人あたり2万円の物価高対応子育て応援手当もありますが、子育て世帯の生活を支える打ち手は十分行われているとお考えでしょうか。総理の認識を伺います。

(回答)

次に、構造的な少子化対策です。 政府は、こども未来戦略の加速化プランのもと、様々な施策の充実に取り組んでこられました。一つ一つ、進んでいることは素晴らしいと思います。しかし結果として、出生数も出生率も過去最低を更新し続けている。まだ成果には繋がっていない中、中東情勢への対応は財政的に大きな負担を迫りかねない。こういう局面でこそ、少子化対策は未来を支えるこどもたちへの投資だと捉えて最優先で守り、むしろより一層拡充すべきだと、私は考えます。これに関して、総理の御決意を伺います。

(回答)

続いて、中東情勢等対応予備費について、片山財務大臣に伺います。
昨日の本会議で、大臣は、使用の判断基準を事前に類型化し、それぞれの想定額をお示しになることは困難である、とお答えになりました。一方で、予算総則で使途の範囲は限定している、ともご説明されました。
ぜひここをもう一段、かみ合わせたいのです。使途の範囲を予算総則で限定できているのであれば、その範囲の中で、これまでの前例も踏まえて「どういう類型の支出が想定されるのか」を例示することは、使用の判断基準を設定することは難しいとしても、一定可能ではないかと思います。
改めて大臣に伺います。金額の幅は問いません。この予備費から支出されうる使途として、どのような類型が想定されますでしょうか。たとえば、ガソリン補助金、電気・ガス料金支援、子育て世帯への支援、中小企業の資金繰り支援、医療物資や重要物資の確保、これらを行うための地方への交付金。こうしたものは含まれうると考えてよろしいでしょうか。
想定される類型について、大臣の認識をお聞かせください。

(回答)

大臣、私は「いくら使うか」あるいは「この施策を必ずやるのか」ではなく、「この範囲に含まれうるか」を伺っています。範囲を「エネルギー価格高騰等への対応」と限定しているのであれば、先程挙げた内容が「含まれうる」ことは、論理的には否定できないはずです。
今回、予備費を積んだ以上は、過度に打ち手の幅を狭めることも、過度に拡大解釈することもなく、執行のたびに、どういう類型の使途でいくら使い、どういう効果があったかを、都度分かりやすい形で示す。事後の透明性は徹底することで、財政民主主義を担保するよう、お取り計らいをお願いいたします。

(回答)

次に、補正予算の財源にも関わる、税収見積もりの精度について伺います。

我が国の税収は、近年、当初の見積もりを上回るケースが多く、当初予算段階では、税収がある程度保守的に見積もられ、経済状況が想定の範囲内であれば税収の上振れが生じるようになっているのではないかという指摘もあります。

財務大臣に伺います。近年の税収の上振れの主な要因をどう分析し、そして、税収見積もりの精度そのものを、どう評価しておられますでしょうか。

(回答)

財務大臣への最後の質問です。国債発行と、市場の信任の関係について伺います。
政府は今回、特例公債を追加で発行する一方、市中発行総額は増えないので、市場の信認は保てる、とご説明されています。これはある面では正しいと思うのですが、今回、3兆円分赤字国債が発行されること自体は事実でございます。
赤字国債を財源とする予算がどのように使われるのか、債務残高や利払い費の対GDP比をどうマネージしていくのか、こういったことも市場の信任を得る上では不可欠の視点ではないかと考えますが、財務大臣のご見解を伺います。

(回答)

ここからは、赤沢経済産業大臣に伺います。まず、ガソリンや電気・ガスへの支援、その費用対効果についてです。
まず、ガソリンへの補助、電気・ガスへの支援について、投入する税金に対して、どれだけの効果があったのか。この費用対効果はどのような指標で測るべきか、大臣の見解を伺います。

(回答)

次に、原油、そして石油関連製品の、産油国やアジア諸国との連携について伺います。
昨日の本会議で、赤沢大臣は、パワー・アジアについて、ベトナムやフィリピンとの協力が進展している、支援の具体化に取り組む、とお答えになりました。

パワー・アジアは、足下の調達を支える「緊急対応」と、中長期の「構造的対応」の二本柱と承知しており、本日は主に「構造的対応」について、原油、石油関連製品それぞれ伺います。

まず、原油の備蓄について、我が国は、UAEやサウジアラビアといった産油国とともに、国内の備蓄基地のタンクで産油国共同備蓄を進めてきました。今回の中東情勢の変化を踏まえて、今後これをどう拡充していくのか。また、アジア諸国への備蓄協力として、備蓄に関するノウハウの共有や、我が国の備蓄量をさらに増やして、今回のような危機の際に融通し合う枠組みをどう進めていくのか、経済産業大臣のお考えを伺います。

(回答)

一方で、石油関連製品については、大臣も先程仰っていたとおり、ナフサも揮発性が高く、長期の備蓄が難しいことから、サプライチェーン全体の強靭化が必要です。産油国との連携で、製品や原料の安定的な引き取りを実現しながら、アジア諸国とも連携して、石油化学製品の供給網を維持していく。このように、産油国、アジア諸国の双方と連携しながら、石油関連製品全体のサプライチェーンをどのように強化していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。

続いて、サプライチェーン強靱化の打ち手として、需給と価格動向の見える化、デジタル基盤の整備について伺います。

昨日、大臣は「平時から官民で連携しながら、デジタルも活用しつつ、サプライチェーンの透明化を進めていくことも重要だ」というご認識をお示しになりました。その認識は、私も完全に共有します。

そこでぜひ、実行に繋がる打ち手を考えていただきたい、というのが本日これを再び取り上げた理由です。今般起きている供給の偏りや流通の目詰まり、全体としては供給は足りているはずなのに、現場にはモノがない、という事態の本質は、需給の見通しが、関係者の間でも共有されていないという、情報の問題です。

川上から川下までの各事業者が、デジタル基盤も使って、需給や価格の動向をきちんと把握できるようになれば、情報がすぐに流れるようになって、過剰発注などを行うインセンティブも生まれづらくなると考えます。

今後、政府としてサプライチェーンの透明化に向けて、それを支えるデジタル基盤にしっかり投資していくことが、供給ショックに強い経済を作るには不可欠だと思いますが、大臣のご見解をお聞かせください。

赤沢大臣への最後の質問です。AI、データセンターによる電力需要の増大と、それに応えるエネルギー供給構造の改革について伺います。

昨日の本会議では、総理から、AIの進展で電力需要が増える、だからこそ脱炭素電源を最大限活用し、省エネ、非化石転換を進め、GX経済移行債も活用して、ペロブスカイト太陽電池や原子力、地熱などに投資する、という方向性を示されました。

昨年2月に閣議決定されたエネルギー基本計画、そして2040年に向けたGXのビジョンの達成に向けて、何にどう投資をしていくのか。

たとえば送電網の整備、たとえば次世代電源、他にも蓄電池や、需要側の省エネや高効率化など、様々考えられる施策はあるかと思います。

大臣に伺います。エネルギーの安定供給が問われる事態にあって、短期的な価格の安定だけに偏らず、積極的な未来への投資、構造改革に向けた投資をどのように進めていくお考えか、大臣の見解を伺います。

(回答)

最後に、再び総理に伺います。危機対応と、成長戦略の両立についてです。

危機への対応で、財政圧力が高まる局面では、ともすれば、AI、半導体、計算基盤への投資や先端的な研究への投資など、成長への投資が、後回しにされがちです。しかし、外的なショックに強い経済をつくるには、危機の時こそ、成長投資を削らずに、守り抜く姿勢が必要です。

総理に伺います。危機対応と成長戦略をどう両立させていくのか。
総理のお考えを改めてお聞かせください。

(回答)

総理が掲げる複数年度予算で、成長投資が削られない、後回しにされない仕組みをしっかりと確立いただきたいと思います。

本日は、中東情勢への対応をテーマに、総理、そして各大臣にご質問をさせていただきましたが、次に総理にご質問させていただくときは、AI活用について、話しきれなかった部分もございますので、ぜひご質問させていただきたいと思います。

3. 6月4日 衆議院予算委員会での討論

チームみらいの高山聡史です。私は会派を代表し、令和8年度補正予算に対し、賛成の立場から討論を行います。
今、中東情勢に端を発する物価高が、国民の暮らしを直撃しています。各ご家庭、また子育て世帯にとって、夏場の食費や光熱費の負担は、決して小さなものではありません。必要に際して目の前の暮らしを守ることができるように、財政措置を講じる必要がある。これが、本補正予算を考える上での土台となるべきものです。
子育てへの支援を考えるとき、性質の異なる二つの課題に向き合う必要があります。一つは、今、現に子育てをしている方々の暮らしを守ること。これは、足下の物価高対策です。もう一つは、これから子どもを生み、育てたいと願う方々の希望を、諦めさせないこと。これは、構造的な少子化対策です。昨日厚生労働省が発表した出生数は67万人、合計特殊出生率は1.14と、いずれも過去最低を更新し続けています。財政が厳しい局面だからこそ、未来を支えるこどもたちへの投資は、最優先で守り、むしろ一層拡充していかなければなりません。
エネルギーについても、同じことが言えます。ガソリンや電気・ガスへの支援は、足下の価格高騰から暮らしを守る、必要な手立てです。しかし、そこにとどまってはなりません。産油国やアジア諸国との連携によるサプライチェーンの強靱化、そして送電網や次世代電源への投資。AIやデータセンターによる構造的な電力需要の増大にも応えうる、外的なショックに強い供給構造を、いまこそ築いていく必要があります。目先の価格の安定と、未来への投資。その双方に、しっかりと力を込めなければなりません。
私たちは、国民の暮らしを守るために、ここで議論をしています。こどもに、安心してご飯をあげられる社会を守る。懸命に働き、暮らす一人ひとりの頑張りを支える。それは、政治が果たすべき、最も基本的な責任にほかなりません。同時に、投じた財源が、どれだけの政策効果に結びついたのか。私たちは、これを丁寧に検証し、次の一手へとつなげていく責任を負っています。
本補正予算は、危機に直面する国民の暮らしを守るための備えとして、必要な措置であると考えます。その執行にあたっては、効果の検証を尽くすこと、そして危機にあっても成長への投資を削らず、しっかりと守り抜くことを強く求め、私の賛成討論といたします。

4. 補正予算案 衆議院通過後のぶら下がり取材(全文)

記者 今回の補正予算、チームみらいさんとしては賛成というスタンスで成立に臨まれましたが、その判断理由についてと、予算委員会の質疑を通して、総理の姿勢をどのように感じたのかという点、お願いします。

高山 はい。討論でも述べましたが、必要に際して、打ち手を打てるようにするという意味で、今回、補正予算を組むということに関しては、一定理解ができるということで、賛成をいたしました。

答弁に関しては、ある程度、我々が訴えた、単に補助金ということではなくて、未来への投資をしっかりやっていく必要があるよねということに関しては、きちんと受け止めていただいた答弁になるのかなと思っております。