6年ぶりの4年生。私がAIと授業づくりを始めた理由
正直に書きます。
最初は、ちょっとズルをしている気がしていました。
今年度、6年ぶりに4年生の担任になりました。数えると3回目の4年生です。
でも「久しぶり」というのは、思っていた以上に大きな感覚でした。
前回の4年生のあと、私は6年生を持ち、3年生を持ち、2年生を持ち……低学年から最高学年まで、ぐるっと一周りして帰ってきました。
学年が変わると、子どもたちのちょうどよさも、つまずくポイントも、まるで違います。最高学年の感覚のまま4年生の教室に立つと、こちらの「当たり前」がぜんぜん当たり前じゃない。やり方を、もう一度思い出すところからのスタートでした。
そして、もうひとつ。
前回の4年生は——途中でコロナでした。
休校。分散登校。授業の組み立てが、何度も途中でちぎれました。「この単元、最後まで一緒にやり切りたかったな」。そんな心残りが、ずっとどこかに残っていたんだと思います。
だから今年、ひそかに決めていたことがありました。
「単元を、最初から最後まで、一本の線でやり切りたい」
単発の授業なら、これまでの経験でなんとかなる。でも、単元全体を貫く設計——導入から問いを立て、子どもの思考をつなぎ、最後にちゃんと着地させる。あれを一本の線で描くには、時間がいくらあっても足りませんでした。
毎日、目の前の授業と校務に追われて、気づけば次の単元が始まっている。「一貫した計画」は、いつも頭の片隅にあるだけの理想でした。
そんな4月のはじめ。
私が最初にAIに相談したのは、まさにその「学習計画づくり」でした。4月4日。年度がスタートした、ほぼ最初の一手です。
……とはいえ、現実はそんなにキレイじゃありません。
本当は単元計画をじっくり練りたかったのに、4月の私を待っていたのは、目の前に迫った保護者会の資料づくりでした。
学級開き、健康診断、家庭訪問の調整、提出物の山。あの怒涛の4月です。理想の単元設計どころじゃない。
それでも、ためしに保護者会の資料を相談してみたら——手応えが、あったんです。
「こういう学級にしたい」という私の想いを伝えると、ちゃんとそれを言葉にして返してくれる。叩き台ができる。私はそれを直す。直したものに、また意見をもらう。
ゼロから一人で抱え込んでいた作業が、「相談しながら一緒に作る」に変わった瞬間でした。
最初に感じた「ズルしてるかも」は、すぐに消えました。むしろ逆で、空いた時間で「じゃあこの単元、どう組もうか」と、本当に考えたかったことに頭を使えるようになった。
道具に振り回されるんじゃなく、道具で自分の時間を取り戻す。私にとってのAIは、そこから始まりました。
この連載では、
単元を一本の線でやり切るために、実際にどう使ったか
うまくいったこと、正直スベったこと
そのまま使えるプロンプトや、教材のかたち
を、現場の先生に向けて、できるだけ正直に書いていきます。
特別なスキルの話はしません。6年ぶりに4年生に戻ってきた、ひとりの担任の試行錯誤の記録です。
同じように「単元を、ちゃんとやり切りたい」と思っている先生に、何かひとつでも持って帰ってもらえたら、うれしいです。
次回は、最初の一歩になった「学習計画づくり」で、実際に何をどう相談したのかを書きます。
