“意味”ドリブンの時代
vol.1773
昨日はAI時代の管理職が“編集職”に進化するという話をしましたが、その中でリーダー・上司が求められる4つの仕事を挙げさせていただきました。
(1)方向性を示す
(2)意味を与えること
(3)人を育てること
(4)安心を与えられる
今日は、この中の「意味を与える」という部分に光を当てたいと思います。
なぜなら、これは社員側も考える必要があることだからです。
皆さん、「ラストアウト」という言葉をご存知でしょうか?
〈Forbes JAPAN / 2026年7月12日〉
「ラストアウト」への課題
ラストアウトに陥ったビジネスパーソンは、こんな傾向が表れます。
●慢性的な疲労
●冷笑的な態度(シニシズム)
●パフォーマンスの低下
これ、何かの症状に似てませんか?
そうです、バーンアウト。
燃え尽き症候群です。
実は見た感じは同じようなのですが、バーンアウトが「過労」や「過度なプレッシャー」から引き起こされるのに対し、ラストアウトは
「意味のある仕事が足りない」
ことが原因で起こるそうです。
フォーブスジャパンの記事でも
「『ラストアウト』という概念は、人々が仕事への関与を失い、十分な刺激を受けられず、心理的に停滞した状態に陥ることを指す。過剰な要求の結果として生じるバーンアウトとは異なり、ラストアウトは刺激や成長、目的、あるいは機会の欠如から生まれる。その結果もたらされる症状は、バーンアウトと驚くほど似ている。モチベーションの低下、生産性の低下、情緒的な苦痛、そしてウェルビーイングの感覚の減退である」
と解説しているのです。
さらに
「従業員に必要なのは『管理可能な業務量』以上のもの、例えば自律性や有能感、熟達、そして目的である」
と言及しているのですが、これは【長〜〜〜〜〜く、居たい会社】でもお話しした「ハーズバーグの二要因理論」につながります。
人は給料や賞与、福利厚生、労働条件などは不満解消にはつながるが動機づけにはならない。
モチベーションになるのは
●達成感のある仕事
●成長実感やスキル向上
●承認や称賛
●責任ある役割や裁量
●意義ややりがいを感じるミッション
などなのです。
つまり、仕事の意味、もっと分かりやすく言えば「働きがい」がないとラストアウトに陥ってしまう…
さらに、意味を見出さずとも機械的に仕事を行えるAIの台頭ということを考えてみても、人間が意味を見出すことの重要性は増していくでしょう🤔
自分の人生を経営する
ちなみに、自分がラストアウトに陥っているかを見極めるための7つのチェック項目があります。
(1)疲弊というより、慢性的な退屈を感じる
(2)働く気力はあるが、熱意が持てない
(3)今の役割の中で新しい学びがほとんどない
(4)1日のかなりの時間を、関与せずに過ごすか、気が散っている
(5)自分の才能や能力が十分に活用されていないと感じる
(6)職場で透明人間のように感じる
(7)変わり映えのしない日々が憂うつだ
…どれも当てはまっているようでしたら、要注意です…
今後は、「働きがい」を会社だけに任せず、個人もしっかりと考えていく。
自律型キャリアを築いていきたいところです。
最近は、会社に依存しない働き方も増えてきています。
例えば、自分の専門性を磨き、会社にいながら
「給料は半分でいいから週3日の勤務で、残りは副業させてほしい」
という人は増えてきている。
〈AERA DIGITAL / 2026年7月27日〉
さらに、海外ではより柔軟な「Fractional Work」(フラクショナル・ワーク)という働き方にも注目が集まっています。
〈AMP / 2026年7月26日〉
これは、一社にフルタイムで所属するのではなく、自分の専門性や働く時間を複数の企業に分けて提供する働き方。
「Fractional」には「一部分の」という意味があり、週1日や月数時間、一定期間だけといった形で企業に関わります。
例えば、マーケティングの専門家がA社ではブランド戦略を行い、B社ではCMO、C社では販売促進を担当するなど、複数の会社で専門性を発揮。
フリーランスと似ていますが、単に仕事を請け負って成果物を納品するのではなく、経営チームの一員として継続的に関わり、戦略づくりや意思決定にも参加する点が大きな違いです。
そのため、「週1日のCMO」や「社外の人事責任者」「非常勤CFO」のような役割を担うこともあります。
企業側にとっては、高度な専門人材をフルタイムで雇うよりも負担を抑えながら、必要な知識や経験を活用できるメリットがある。
一方、働く側にとっては、一社に依存せず複数の収入源を持てることや、様々な業界で経験を積めること、自分の得意分野をより広く生かせることが魅力です。
背景にあるのは、大規模レイオフの常態化により「1社に所属していれば安定」という前提が崩れたこと。
依存先を分散することが、新しい安定と見なされ始めています。
特にマーケティング、人事、財務、広報、DX、経営戦略など、専門性が経営に直結する仕事と相性が良い。
日本では、ここまではいかないかもしれませんが、フラクショナル・ワークのエッセンスは掴んでおきたいところです。
会社で“好きを叶える”
もちろん、会社の中で自分の好きを実現することもあるでしょう。
最近、非常に感銘を受けたのが、ハードオフで働く永田雄介さん、38歳です。
〈求人ボックスジャーナル / 2026年7月29日〉
ちなみに、ハードオフとは、株式会社ブックオフコーポレーションの家電や楽器などのハードウェア中心を扱っている店舗。
永田さんは上京してミュージシャンを目指していたのですが、その後25歳で、福岡に戻り、ハードオフにフランチャイズ加盟して運営する株式会社ありがとうサービスに就職し、久留米国分店の店長を務めていました。
その際、お店のYouTubeチャンネルを開設。
店内で楽器演奏する動画に人気が集まり、登録者数は43万人を超えるほどに(2026年6月時点)。
X JAPANの「Rusty Nail」をカバーした動画は約820万回再生を記録しました。
そんな永田さんが急遽、会社を辞め、独立しようとします。
その理由は、店長をやりながら、クリエイター活動を行うのが難しいと感じたからです。
しかし、退職すれば、永田さんは自分が育てたお店のYouTubeチャンネルを手放さないといけなくなる。
会社も永田さんという逸材を失うことになります。
そこで、同社の社長と永田さんで話し合い、「アーティスト事業部」という新しい部署を立ち上げることに。
ブランドイメージ向上担当に専念して働くことになったのです。
永田さんは会社で好きなことを仕事にでき、会社は永田さんのタレント性を活かし、広報につなげることができる。
まさに、Win-Winです。
経営者としては、外でいろいろ働くよりも、こうしたカタチの方が嬉しいでしょう。
〜ということで、会社は社員に仕事の意味を与え、社員もオーナーシップを持って自分の仕事に対して意味を見出していく。
永田さんの例は少しレベルが高いかもしれませんが、相互の意味づくりが進んでいくと、ラストアウトが軽減されつつ、AI時代も明るく仕事ができていくのではないかと思っております〜
私も社員の“好き”を大事にしていきたいと思う今日この頃です😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
