地方副業が熱くなる
vol.1608
カレンダー通りで考えると、多くの方々が今日から冬休みなのではないでしょうか?
中には、地元に帰省する方もいらっしゃるはずです。
もしくは、【この冬は“日本”に行こう】でも語ったように、未だ見ぬ地方を探求する旅に出かける方もいるかもしれません。
ちなみに地方ということでいえば、最近は地方副業がますます活性化している感があります。
特に「スキルリターン」という取り組みを耳にすることが増えました。
これは、首都圏などに住み専門的な知識や高度なスキル、豊富な実務経験を持つプロ人財が、地方に移住することなく副業というカタチで地方企業の課題解決に関わり、その能力や経験を還元する仕組みのこと。
なぜ今、こうした取り組みに注目が集まっているのか?
今日は、そんな話をさせていただきます。
地方と個人のマッチング
スキルリターンは、人口減少と人財の都市集中が進む中で、地方企業が抱える深刻な人財不足や専門性の欠如という課題がある中、現実的かつ持続的に解決する手段として重要性を増しています。
多くの地方企業では、DX、マーケティング、経営戦略、人事制度などの分野で高度な知見を必要としている一方、正社員としてプロ人財を採用することはコスト面や居住制約の面で難しいのが実情です。
その点、スキルリターンなら移住しなくて良いので、企業側は必要なスキルを必要な期間だけ活用できるため、無理なく経営課題の解決スピードを高めることができます。
また個人にとっても、自身のスキルを本業以外の場で社会に還元しながら、新たな経験や収入、地域とのつながりを得られるわけです。
都市と地方の分断を人の移動ではなくスキルの循環によって乗り越え、双方に価値を生む仕組みとして、スキルリターンはこれからの時代に不可欠な人財活用のカタチだと言えます。
この取り組みを推進するのが、人材紹介サービスなどを手掛けるパーソルキャリアです。
昨年9月時点で、京都や鳥取、山形など5つの府と県で合わせて300件以上のマッチングを成立させてきたというニュースが報道されていました。
〈ABS秋田放送 / 2024年9月25日〉
例えば、横手市の印刷機メーカーは、製品を海外に輸出する際、原材料などの規制をクリアしていることを証明するためにスキルリターンを活用。
新たな人財を雇用したり外部のコンサルタントに依頼したりする場合に比べ、手間やコストを抑えながら課題の解決を図ることができているのです。
人手不足が激しい地域で副業
パーソルキャリアの鏑木陽二朗さんは
「報酬面によらないカタチで、どちらかというとやりがいや手応え、面白味を重視して、ハイスキルな方を活用できる1つの大きなメリットになり得ると思いますので、ある種賃金的な観点から見ても、とてもメリットの大きい施策ではあるのかなと思っております」
と仰っていますが、確かに地方創生という観点で報酬よりもやりがいを優先してスキルリターンを選択する人は多いでしょう。
今年に入ってからも、スキルリターンのニュースはちょいちょい報道されています。
例えば、今年の10月2日に日本経済新聞で福井県での取り組みが紹介されていました。
〈日本経済新聞 / 2025年10月2日〉
福井県といえば、7月時点で有効求人倍率が88ヵ月連続で全国1位となるなど、人手不足が激しい地域。
一方で都市部人財を常勤雇用しようとすると給与水準が高く、県内企業とのマッチングに至らないという課題がありました。
そこで、パーソルと手を結び、県内企業の人材確保手段を多様化させる選択をしたのです。
具体的には、福井県庁や地域金融機関と連携しながら、県内企業が抱える経営や事業成長に関する課題を丁寧に整理し、そのニーズに応じて都市部を中心とした高度な専門性を持つプロ人財を副業・兼業というカタチでマッチング。
すでに志保重、TOKO、松文産業といった県内企業では、マーケティングや事業推進などの分野でプロ人財が実際に副業として参画し、企業の課題解決や成長支援に貢献しているのです。
長野にもスキルリターンの風
12月に入っても長野でスキルリターン導入のニュースが報道されていました。
〈TBS NEWS DIG / 2025年12月15日〉
12月15日(月)に行った発表会では、パーソルキャリアが提供するサービスHiProによるスキルリターンの発表のほか、長野県庁および長野県プロフェッショナル人材戦略拠点より長野県を取り巻く現状とプロ人材活用における取り組みを紹介。
また、副業・兼業の受け入れを推進する飯田信用金庫、上田信用金庫、諏訪信用金庫、松本信用金庫によるプロ人財活用の事例紹介の発表や、
プロ人財活用実績のある同県内企業の株式会社オーセンアライアンスをゲストに迎えたトークセッションを行いました。
長野県は製造業が主要産業であり、県内総生産の3割以上を占めていると言われています。
特にコンピュータ、周辺機器、通信機器などを製造する情報通信機械器具製造業は全国トップ。
電子部品・デバイス・電子回路製造業は全国3位の製造品出荷額を誇り、高い技術力を持った企業が長野県のものづくり産業を牽引しています。
一方で、人口減少の課題は長野県も例外ではありません。
県人口は2001年をピークに減少傾向にあり、2024年2月にはおよそ50年ぶりに総人口が200万人を下回りました。
長野県の産業が今後も成長し続けるためにも、人財不足の解決は重要なテーマなのです。
パーソルキャリアのHiProは、鳥取、山形、福岡、広島、京都、秋田、愛媛、愛知、熊本、福井、そして長野と11の地域に広がっています。
そして、副業する側の人財も、同社の調査によると、9割近い会社員が
「副業に興味がある」
と回答。
一方、副業人財を活用したことがある企業は3割未満とのことなので、今後、地方と都市人財のマッチングはますます広がっていくのでしょう。
今、旅しながらアルバイトをしてお金を稼ぐ「おてつたび」が広がってきていますが、ワーケーションと副業を絡めた新しい旅のカタチが一般化していくと予想しています。
より仕事が柔軟でやりがいに満ちた時代を夢想しながら、今後も地方副業の流れに注目していきたいと思います😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
