見出し画像

AIが最も処理に困るプロンプト、それが会津「什の掟」である


■ はじめに

最近、AIに歴史解釈を聞くのが地味に面白い。
地元のことも含めて、妙に詳しくなってきた。
とりわけ平和な時の江戸時代とか何をしていたんだろうと思い調べることが多いのだが、

そんな流れの中で、ふと思った。

「じゃあ逆に、摩擦が多い藩ってどこ?」

軽いノリで聞いたつもりだった。
返ってきたのは、水戸と会津。

理由はこう。

・水戸:徳川なのに将軍を出せず → 水戸学へ
・会津:反政府側 → 廃藩置県後も県都になれず

なるほどなと思いつつ、私は少しズラしてみる。

私「でも茨城の人って好きなんだよね。なまり強くて話通じにくいから将軍になれなかったんじゃない?」

AI「面白い視点です。標準語もない時代なので、将軍は地元言葉でした。ただ“茨城”は“茨=とげ”の城。防御思想が違います」

私「うーん、そういう話か…」

(※実際は地形や土木技術の問題が大きいらしい)

ここまでは普通の雑談だった。
問題はこのあと。

私「じゃあ、会津の什の掟は?」

AI「これは……」

一瞬、止まった。
何でも即答するAIが、明確に詰まった。

今日はその理由の話。


■ 第1章:什の掟とは何か

会津の子どもたちは、「什」と呼ばれる集団で生活していた。
そこで教えられるのが「什の掟」。

内容自体はまともだ。

・年長者に従う
・弱い者いじめをしない
・卑怯なことをしない
・嘘をつかない

どこにでもある道徳である。

だが、最後にこれが来る。

「ならぬことはならぬものです」

ここで、すべての性質が変わる。

AIは、この一文を強く嫌う。

確かに、字義どおりに言えば、国際子どもの権利条約とはとても相性が悪い。
だが、文化だし、個人的にはそこまで気にならないことだと思っていた。


■ 第2章:なぜAIは止まるのか

AIはこう動く。

・理由を探す
・因果をつなぐ
・例外を処理する

つまり、「なぜ?」で回っている。

だが、

「ならぬことはならぬ」

これが来た瞬間、

・理由がない
・更新できない
・例外処理もできない

結果どうなるか。

思考ループが閉じる

たとえるなら、
プログラマーが「もういい」と言って、
コードを丸ごと削除するようなものだ。

だから止まる。らしい。


■ 第3章:これは教育か

ここで一度立ち止まる。

これは教育なのか。

・理由を教えない
・問いを止める
・例外を認めない

これを教育と呼ぶか。

それとも、

運用コストを下げるための仕組み

と呼ぶか。

少なくとも、現代の子どもの権利観とは緊張関係にある。
それは強く感じた。


■ 第4章:では会津でなぜ成立するのか

普通、こういうルールは長く持たない。

なぜなら、壊れるから。

だが会津では成立した。

理由はシンプルだ。

回ってしまうから

ここで一つの仮説が浮かぶ。

私「福島って、食が豊かですよね?だから成立したのでは?」

AI「……それは、背筋が凍りました。私たちは“食えるかどうか”を前提に考えていません」

このズレが面白い。

人間はまず「生きられるか」で判断する。
AIは「論理的か」で判断する。

だから、この接続は出てこない。


■ 第5章:現代の「ならぬ」

この構造、今もある。

・「前例がない」
・「ルールだから」
・「そういうものだ」

全部同じだ。

理由なき安定装置

これはやはり危うい。


■ おわりに

AIは止まらない。
理由を探し続けるから。

人間は止まれる。
「ならぬ」で止まれるから。

どちらが正しいかではない。

ただ一つ言えるのは、

理由を失った瞬間、思考は止まる

続きはこちら

いいなと思ったら応援しよう!