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【大学受験】浪人を決めた受験生が知っておくべき「浪人の落とし穴」

覚悟だけでは合格できない! 

浪人を決めた選択、医学部受験に挑み続けるという選択は、逃げでも恥でもない。ただ、これだけは正直に知っておきたい。浪人の1年には、見えにくい落とし穴がいくつも仕掛けられている。その落とし穴を知らないまま走り出すか、知った上でスタートを切るかで、1年後の景色はまったく変わってくる。

この記事は、これから浪人生活をスタートさせる医学部受験生に向けて「知っておくべき現実」と「それでも前向きに戦うための思考法」について纏めました。



1.1年間どこに所属するか、を真剣に考える

浪人が決まった瞬間、多くの人が「とりあえず予備校」と考える。でも、その「とりあえず」が命取りになることがある。

浪人生の所属先は大きく3つに分かれる。宅浪・大手予備校・個別管理型の塾だ。

「宅浪」のメリット、デメリット

宅浪は費用がかからない分、自由度が高い。ただし裏を返せば、誰も管理してくれないということだ。受験に失敗した原因が「勉強法の間違い」や「誰かに指摘してもらえなかった弱点の放置」にあるなら、同じ環境で同じことをしていても結果は変わらない。よほど特殊な事情がない限り、宅浪は最終手段と考えた方がいい。

「大手予備校」のメリット、デメリット

大手予備校の魅力は講師の質の高さだ。これは間違いなくトップレベルにある。朝から晩まで授業が組まれ、同じ志を持つ受験生たちと切磋琢磨できる環境は、大きな力になり得る。ただ、一つ落とし穴がある。

上位クラスほど「できるのに努力しない浪人生」「遊んでいる浪人生」が混在しやすい。しかも、そういうヤツに限って、直前だけ勉強して自分だけはちゃっかり合格を勝ち取っていく。信じられないかもしれないが事実だ。

元々の地頭が高くてある程度成績が取れるから上のクラスに入れる、でも本気で勉強しない。そういう人間のペースに引きずられて自分も緩んでしまう、というパターンは毎年必ず起きている。絶対に巻き込まれてはいけない。

予備校は環境を「買う」場所でもあるから、入った後に自分がどういう人間と時間を共にするかを意識し続けてほしい。

「個別指導型の塾」のメリット、デメリット

最近流行りの個別管理型の塾は、進捗管理・到達度確認・学習計画の立案をセットで提供してくれる。自分の現状を客観的に把握しながら走れるのは強みだ。ただし、完全に「縛りつけてでもやらせてくれる」環境ではないことも理解しておく必要がある。自習の習慣がまったく身についていない人には向かない場合もある。

費用の観点でいえば、個別完全管理型の一部は年間で数百万円、場合によっては1,000万円を超えるところもあるが、例えば2時間かけて塾に通うぐらいなら、その時間を勉強に充てた方がいいのでオンラインの個別指導塾という手がある。勉強時間の総量が結果を決める。近くて質の高い環境を選ぶことが基本だ。

いずれの選択も、大手予備校と個別塾を組み合わせる「併用」という手もある。自分に何が足りていて、何が足りていないかを冷静に棚卸しした上で、所属先を決めてほしい。


2.「5月模試でA判定」を最初のゴールに


「1年かけてじっくり成績を伸ばせばいい」

もしそう思っているなら、少し立ち止まって考えてほしい。浪人生の成績推移には、見落とされがちな法則がある。5月の全統模試は、現役生への配慮から出題範囲が絞られている。数Ⅲの微積、理科の応用、地歴の近代史といった難単元はまだ範囲外だ。全範囲を一周してきた浪人生にとって、これは最も有利な条件で受けられる試験だ。ここでA判定が取れないということは、浪人生なのに現役生同様、基礎がまだ固まっていないということを意味する。

そして秋以降、現役生は急速に追い上げてくる。全範囲の学習を終えた現役生の成績は夏から冬にかけて急激に伸びる。一方、浪人生はすでに一周を終えているため、そこまでの伸び代がない。模試の偏差値は「絶対評価」ではなく「相対評価」だ。自分が伸びても、周りがそれ以上に伸びれば判定は下がる。

「春にB判定→秋にC判定→冬にDまたはE判定→本番で不合格」。これは浪人生の典型的な負けパターンだ。

対策はシンプルだ。「夏に合格する」という気持ちで逆算を始めること。
8月の冠模試を本番と設定し、そこで合格最低点を超えることを目標に今から計画を立てる。そのためには5月の模試で圧倒的なA判定を出す必要があり、そのためには3月・4月の今から動かなければならない。

「入試は2月だからまだ時間がある」と思っている限り、本気になれるのは11月だ。「まだ9ヶ月」が「まだ3ヶ月」に変わる速度は、想像より何倍も早い。



3.志望校と費用の上限を、家族と話し合う

「浪人するんだから、国公立一本でいく」と心に決めている人も多いだろう。でも、現実はそう単純ではない。

特に医学部を目指す人は、二浪が視野に入る直前になって初めて、「私立医も受けておけばよかった」と後悔する受験生は毎年必ず出る。

一浪の今の時点では「まさか自分が二浪するはずがない」と思っていても、気づいたら二浪が目の前に来ているのが医学部受験の現実だ。「自分が二浪するわけがない」と思っているそこのあなたが、実は一番二浪に近い可能性すらある、というのは少々厳しい言い方だが、経験者の多くが口をそろえて言う言葉でもある。

だからこそ、今の段階で家族と真剣に話しておく必要がある。
「どの大学を受けるか」だけでなく、「費用としていくらまで出せるか」を、具体的な数字で確認しておくこと。私立医学部の学費は6年間で2,000万円から3,500万円程度が多いが、奨学金制度を使えばそれより低いコストで通える大学もある。漠然と「うちは無理」と思っていても、実際に調べてみると意外に道が開けることがある。腹さえくくれれば地域枠だってある。

逆に言えば、出せる上限を超えた大学を無理に目指して、合格しても家族が苦しくなるような状況は幸せとは言えない。大切なのは「出せる上限の中で最善の選択肢を作ること」だ。その上限をこの時期に親子でしっかり確認しておく。これが後の判断を楽にしてくれる。我が家でも受験前に話し合った結果、3校の私立医を受験した。結果、国公立医学部へ行ったが、私立医の受験は大いに役立ったと子どもも言っている。

試験直前期は、保護者の方が感情的になりやすい。「子どもが頑張っているから何とかしてあげたい」という気持ちから、無理な費用を捻出しようとするケースは少なくない。その気持ちは本当に尊いが、冷静なラインを今のうちに引いておくことが、家族全員の幸福につながる。



4.模試の結果に一喜一憂しない

浪人1年目の最初の模試は、思ったより良い結果が出ることが多い。現役生がまだ仕上がっていない時期に受けるからだ。そこで出た偏差値や判定を「自分の本当の実力」と錯覚してしまうのが、浪人生の大きな罠の一つだ。

大切なのは、複数回の模試を通じた「ベース」の成績を把握すること。良かったときの判定だけを見て一喜一憂するのではなく、全体のトレンドとして自分の実力はどのラインにあるのかを冷静に分析する目を持ってほしい。

一方で、悪かったときも必要以上に落ち込まなくていい。模試はあくまで現時点の診断だ。重要なのは「なぜその結果になったか」を分析し、次に活かすことだ。

来年の受験に合格できる実力をつけることが、この1年の目標であって、途中の過程に気持ちが左右されることは意味がない。


5.3月・4月、この1ヶ月が1年を決めると覚悟すべき

浪人生の中で、最も勉強しないのが3月だと言われる。「試験も終わったし、少し休もう」という気持ちは理解できる。でも、その1ヶ月で差がつく。予備校の授業が始まる4月以降は、カリキュラムに沿った学習が中心になる。自分の弱点を徹底的に潰す時間、自分のペースで基礎を総点検できる時間は、今この瞬間しかない。

友人と遊びたい気持ちも分かる。ただ、「医学部に行きたいから、この1年は全力で頑張る」とはっきり伝えれば、本当の友人は必ず応援してくれる。
1年後にまた笑って会えばいい。そこで冷める関係なら、それはもともとそういう関係だったということだ。

遊ぶことを完全にゼロにしろとは言わない。ただ週の半分以上を遊んで過ごすのは絶対にやめてほしい。今まで通りのペースで、少なくとも毎日机に向かう習慣だけは死守する。それだけで、春以降のスタートダッシュが大きく変わってくる。



覚悟だけでは合格できない

浪人は「失敗」じゃない。医学部を目指し続けることを選んだのは、それだけの覚悟と理由があるからだ。その気持ちは本物だ。ただ、覚悟だけでは合格できない。

正しい環境を選び、正しいタイミングで本気を出し、家族と現実を共有した上で戦う。それが、1年後に笑って合格発表を見るための条件だ。

1年は長いようで、本当にあっという間に終わる。「まだ時間がある」と思っている今日が、実は1年の中で最も大切な1日かもしれない。
全力で、頑張ってください。


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太楼@偏差値45中学受験から医学部・難関大へ導く伴走 最後までお読みいただきありがとうございます。