見出し画像

Re-walk 仙台市大町 00 / 20230414-20230502

2023年春。仕事のおひる休みに職場を抜け出して、仙台市大町を散策していたときの記録。ここから丸2年の月日を経て、画家のりなさんがこれを辿り歩いたことで風景誤読大町篇がはじまります。


20230414 フラワー会

青葉通りと晩翠通りの交差点にあった一風堂の1階部分にクレーン車が入り、解体工事がはじまっている。2、3回しか入ったことがないが、その立地と高く聳える看板によって存在感は大きかったように思う。

青葉通り・一風堂跡
青葉通り・一風堂跡

(仙台つーしんを読むと2022年6月30日に閉店、仙台駅前に移転したらしい。)高校時代にはじめて入ったとき、ルイボスティーの味に「うえっ」となったのを覚えている。

「フラワー会」?
外壁に直接印字された店名ロゴは、くるん、くるん、としていて可愛らしい。経年劣化によって文字色はかなり薄くなっている。そこにノイズのように走っている濃い錆色の線。電線の影。どことなくヴェイパーウェイヴ感がある。

ストリートビューで確認できるところまでしか確認していないが、2011年9月(12年前)の段階で既にシャッターが降りており、外装の汚れ具合もそのまま。窓面を塞ぐようにサッポロの自動販売機が立っている。窓面にはセコムステッカー。
表壁面の青い部分がすこし不思議な見た目をしている。シャッターの上部に直角三角形型の窪みがあるが、その左側(自販機の上部)にも逆のかたちの直角三角形の跡が薄っすらと見える。


20230419 仙台オーディオパーツ

仕事の昼休みに大町を歩いている。一番町や国分町からすぐたどり着けるため、中華料理屋や定食屋、カフェ、居酒屋などの飲食店がおおく点在していて、ほほー美味そーと眺めているとサラリーマンがぞくぞくと入店していく。

街中だが車の交通量が少ないこともあって静かだ。ぽかぽかしていて気持ちがいい。外観が汚らしくて良い建物が多い。

「仙台オーディオパーツ」なる電子部品店の跡地。仙台つーしんが2022年4月28日付の閉店を伝えている(https://sendai-tushin.jp/2022/04/29/post-234054/)。

赤いシャッター。平面タイプの青い装飾テント、店名のはいったタレが残っている。テント上の青看板にもなにか書いてあったのだろう、薄っすらと白文字の跡が見える。今度通りがかったらもうすこし観察したい。

ネット上に何人か、店内の様子を写真撮ってアップしているひとがいる。(経験上、こういうマニアックなお店は歴史があっても記録資料とかまちあるき本とかには載りづらく、SNS投稿を探してみるほうが情報を得られる。)

例えば、以下のブログではくりかえし訪問記を書いており、店主との会話の内容まで残している。

2021年夏の記事を参照すると次の記述がある。

私は現在地のお店しか知りませんでしたがご主人によるともともとはこの通りのもっと、青葉通り側に最初のお店を構えていたのだそうです。53年前(1968?)とのことだそうです。そして現在の建屋が新築されて移転したのが47年前(1974年)。

仙台オーディオパーツセンター 2021夏

50年近くこの地でオーディオ部品を強かに売り続けていた。移転後のはなしは隣にある仙台クリーニングや向かいにある仙石屋酒店の店員さんに聞いたら聞けるかもしれない。しかし、青葉通り時代のはなしはどうやって探そうか。


20230428 Volume One (Ver.)

国分町らしい張り紙がある
国分町のビル「レモンシャトー」。
むかし、友達のおばあちゃんが経営するカラオケスナックがあった

今日は一度広瀬通に出てから木町通に入ってみる。もう見慣れた大町の風景。小道に逸れてみると、見慣れない看板が出ている。レ、レコード屋?

そういえば前の職場で仲の良かったひとが戦災復興記念館近くに中古レコード屋があるって教えてくれた、のを急に思い出す。彼は僕の音楽の趣味をおもしろい方向に広げてくれたひとだった

古本も置いてある。河口龍夫の図録『封印された時間』をパラパラとめくっていたら「座って読んで良いですよ」と声をかけられる。目の前にちょうど椅子があって、至れり尽くせりだ〜と思う。

蔵書もレコードもそんなに多くない、どころか、全然置いていない。売れ残りが置いてある感じではなく、セレクトショップっぽい。仕事の休み時間にふらっと来ても疲れない物量がとても心地よい。静かだし、良い場所を見つけてしまった…。

はなしを聞くと7年ほど前にこちらに移ってきた。もとは本町で何倍もの規模でやっていた。当時の店主が病気をしただとかで、現店主が手伝い、「無理やり継がされた」のだと笑う。たぶん、こういうことはなんども客に説明していて、「無理やり」の部分はあとから自然と付着した尾鰭だろう。

また来ます、と言って、店を出る。この「また来ます」というのは、すこしまえに好きな本屋に通い詰めていて退店時に割と意識的に口にしていた挨拶だったので、なんとなく懐かしく、嬉しくなる。このことばは、ほとんど自分のために言っている。また来ます、が増えるたびにすこしずつその街と親しくなっていく。

ほかにも(良い意味で)わかりづらいお店が入っている

時間もなくなってきたのですこし早足で職場に戻る。昨日よりも、今日の朝よりも、気持ちが軽くなった。


20230502 フラワー会の経過観察

上村豆腐店。1879年創業。御譜代豆腐なるものがあるらしい
上村豆腐屋の掲示板

大町は御譜代町の筆頭だった。

「御譜代町」というのは伊達氏が戦国時代に米沢を拠点としていたころの6つの町で、拠点が岩出山→仙台と移ると同時に町人とともに移動してきたらしい。町列(町の序列)の上位を占め、町人には「あんたたちだけはこれを売っても良いわよ〜」という商売特権が与えられていた。

寛文・延宝の頃よりは、大町一丁目に古着問屋、同二丁目に木綿問屋、三丁目に呉服問屋、四丁目に小間物問屋、五丁目に油問屋の専売権がそれぞれ与えられて商店街が保護されたので、城下切っての豪商がここに軒を並べたのである。

菊地勝之助『仙台地名考』昭和32年、えんじゅ書房、140頁
現在の大町二丁目。木町通沿い
中華飯店 紅龍 大町本店。年季の入ったプレート、立体感
アーチ状のレンガ

大町を歩く。何度歩いても、いつも同じ場所で引っかかってしまう。

仙台クリーニング。「肴町」の文字が看板に残っている
仙台オーディオパーツセンターのテントを間近で見る。
薄〜く「PIONEER」という文字が残っている
建物と建物の間に緑の階段

なんと前回観察した「フラワー会」の自販機(サッポロ)が撤去されていた!!

そのおかげで向かって左の窓面があらわに
なかがすごいことになってる。物置?

そのおかげで店名が判明。PEPPERMINT SENDAI。TEL22-0479。ファンシー。キリンビールの看板がある。スナック?

燕の巣(痕跡)
やっぱり左半分がまるまる消去されたような
よく見ると営業時間と電話番号がシャッターに印字されている
下から見上げてみる

ほんとうにかすかな、だけどリアルな変化。もしかしたら解体の予兆かもしれない。


[たかしな]

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集