イマドキ学生の苦手なコミュニケーションその2
前回の記事「イマドキ学生の苦手なコミュニケーションその1」の続き。
以下の4と5について、学生の心理、私を含む社会人がやっていること、その上で学生に話していることを解説する。
1 グループワークであの人と合わない
2 同級生が自分にばかり頼んでくる
3 会議でうまく話せない。
4 褒められると過剰に謙遜してしまう
5 過去の経験(断られた等)があって頼みにくい
4 褒められると過剰に謙遜してしまう
褒められることが苦手で、相手が褒めている途中にもかかわらず、「そんなことないです」と遮るように過剰に謙遜してしまう学生がいる。その背景には、自分を高く評価できないことに加え、周囲からの期待が高まることへの不安がある。これは、自己評価が低い学生によく見られる傾向である。失敗したときの落差を恐れるだけでなく、「周りからどう見られるだろう」と周囲の目の変化を気にしていることも少なくない。
私なら、まずは「ありがとうございます」と自然に受け止めることを大切にする。そして、少し冗談を交えながら、「特にどんなところが良かったですか」と聞き返してみる。褒めてもらえる機会は、自分の強みを知る貴重な機会でもあるからだ。
そこまでできる学生は多くない。しかし、「ありがとうございます」と受け止めること自体が、相手の気持ちを尊重することにもつながると伝えている。
5 過去の経験があって頼みにくい
以前、誘いを断られた相手に、どうしてもお願いしたいことができた。しかし、断られたときの気まずさを思い出し、頼みにくくなってしまう。
逆のケースもある。以前、自分が誘いを断った相手にお願いしたいことができたものの、「自分に借りがある」「今さら都合が良すぎると思われるのではないか」「怒られてしまうのではないか」と考え、頼めなくなってしまう。
私なら、このような場面は、過去から続くもやもやを解消するチャンスだと考える。あえて過去の出来事を引きずらず、普段どおりにお願いすることが多い。相手も自分と同じようにもやもやしている場合は、むしろ声をかけてもらえたことを嬉しく感じ、快く引き受けてくれることも少なくない。
アサーティブの考え方では、過去と今回を切り分け、「今回は今回のお願い」と捉えることが基本である。しかし、それだけでは学生には少し難しいようだ。そのため私は、「あまり過去を気にしすぎず、普段どおりにお願いしてみよう」と伝えている。それでも、学生にとっては勇気のいる一歩であり、簡単には実践できないケースが多いようである。
まとめ
ここまで、イマドキの大学生が苦手としやすいコミュニケーションの事例を取り上げ、その背景にある心理と対応の考え方を紹介してきた。
幸いなことに、私が勤務する大学では、今年も学生向けの「アサーティブ講座」を開催することになった。学生がコミュニケーションへの苦手意識を少しでも和らげ、自分も相手も大切にできる関わり方を身に付けるきっかけになればと思っている。
もちろん、学ぶのは学生だけではない。私自身も毎年新たな気づきがあり、この講座を通して学生と一緒に学べることを、今から楽しみにしている。
