「お大師さん」が1200年も生きているヒミツ!『毎月21日 大師の縁日』のふしぎ!?(絵本風やさしい記事)
お正月にお年玉をもらって、初詣(はつもうで)に行ったあと、1月21日にも大切なお祭りがあるって知っていましたか?
そして、大晦日(おおみそか)のちょっと前、12月21日にも、一年をしめくくる大切な日があるんです。
キーワードは「21日」。 そして、日本中から愛されている「お大師(だいし)さん」というお坊さんです。
「お大師さんって、だれ?」 「どうして毎月21日が特別な日なの?」
今回は、1200年前の日本でかつやくしたスーパースターの秘密と、年末年始の知られざるイベントについて紹介します。

1. 「お大師さん」って、どんな人?

「お大師さん」の本当の名前は、弘法大師・空海(こうぼうだいし・くうかい)といいます。 今から約1200年前、平安時代(へいあんじだい)にかつやくした、ものすごくえらいお坊さんです。
でも、ただのお坊さんじゃありません。 勉強も、スポーツも、芸術もなんでもできる、当時の超天才スーパースターだったんです!
🌍 中国へ渡った冒険家!
空海は、香川県(昔の讃岐国・さぬきのくに)に生まれました。 若いころから一生けんめい勉強して、31歳のときに遣唐使(けんとうし)という船に乗って、命がけで中国(唐)へ渡りました。そこで「密教(みっきょう)」という特別な仏教を学び、日本に持ち帰って「真言宗(しんごんしゅう)」を開いたのです。
🌍 日本一、字がうまい!
「弘法(こうぼう)も筆のあやまり」ということわざを聞いたことはありませんか? これは「弘法大師のような字の達人でも、たまには間違えることがある」という意味です。それくらい、空海は日本でトップクラスに字が上手な人でした。
🌍 工事の監督もできる!
香川県にある日本最大級のため池「満濃池(まんのういけ)」が洪水でこわれたとき、空海が工事のリーダーになりました。アーチ型という当時の最新テクニックを使って、たった3ヶ月で直してしまったのです。
🌍 日本初の「みんなの学校」をつくった!
昔、学校に行けるのは貴族(きぞく)などの特別な人だけでした。 でも空海は、「身分に関係なく、だれでも勉強できるようにしたい!」と考え、京都に日本で初めての庶民(しょみん)のための学校をつくりました。
空海は、みんなの幸せのために走り続けた、本当のヒーローだったんですね。
2. なんで「毎月21日」なの? その日のヒミツ

では、どうして毎月21日が「大師の縁日(えんにち)」と呼ばれるのでしょうか? そこには、ちょっと不思議な理由があります。
「死んだ」のではなく「瞑想(めいそう)」に入った日
835年の3月21日、空海は62歳で、和歌山県にある高野山(こうやさん)の奥の院(おくのいん)に入りました。
これを「入定(にゅうじょう)」といいます。 ふつうの人なら「亡くなった日」と言いますが、空海の場合は違います。
「体はそこにあっても、魂(たましい)は永遠の修行(しゅぎょう)を続けている」
と信じられているのです。 つまり、空海は今も高野山で生きていて、私たちを見守ってくれていると考えられています。
この3月21日が記念日(月命日)なので、毎月21日がお大師さんとご縁(えん)を結べる特別な日、「縁日(えんにち)」になったのです。
3. 1月21日「初大師」は、一年で最初のスペシャルデー!

毎月ある21日の中でも、とくに盛り上がるのが1月21日です。 この日は「初大師(はつだいし)」と呼ばれています。
初詣とはちがうの?
お正月の「初詣」は、神社やお寺に行って、新年のあいさつをしますよね。 1月21日の「初大師」は、お大師さんに「今年一年、悪いことが起きませんように(厄除け・やくよけ)」とお願いする日です。
関東では、川崎大師(神奈川県)や西新井大師(東京都)などが有名です。 お寺の境内(けいだい)には、だるまや熊手(くまで)を売るお店、焼きそばやわたあめの屋台(やたい)がたくさん並んで、お祭りのようににぎやかになります!
4. 12月21日「納めの大師」は、感謝を伝える日

そして、一年の最後に来るのが、12月21日の「納めの大師(おさめのだいし)」です。
「ありがとう」を伝えに行こう
もうすぐお正月……というこの時期。 「納めの大師」は、一年間の感謝を伝える日です。
「今年一年、守ってくれてありがとうございました」 そんな気持ちを込めて、古くなったお守りやお札をお寺にお返しします。
12月といえば大晦日(31日)が有名ですが、その10日前の21日に、お大師さんに一年のお礼を言う。 そんな「日本人の律儀(りちぎ)な心」が感じられる、素敵な日なんですよ。
5. お大師さんは、今もご飯を食べている!?

最後に、とっても不思議で、感動的なお話をします。
空海が修行を続けているとされる高野山の奥の院では、1200年間、一度も休まずに続けられている儀式(ぎしき)があります。
それは、「空海に食事を届けること」です。
これを「生身供(しょうじんく)」といいます。 毎日、朝の6時と10時半の2回、お坊さんたちが心をこめて作った食事を、空海がいる場所まで運びます。
とちゅうで、味見をするお地蔵さんがいて、毒が入っていないかチェックしてから届けるという徹底ぶり!
「1200年も前の人にご飯?」と思うかもしれません。 でも、お坊さんたちは本気です。 「お大師様は今も生きていて、私たちのために祈ってくれている。だから、お腹もすくはずだ」 そう信じているからこそ、1日も欠かさず食事を運び続けているのです。
おわりに:次の「21日」には……
空海・お大師さんがいなくなってから、1200年という長い時間がたちました。 でも、「困っている人を助けたい」「みんなに幸せになってほしい」という空海の優しい心は、今も消えていません。
だからこそ、毎月21日にはお祭りが開かれ、多くの人がお寺に集まるのです。
次の21日、もしカレンダーを見たら思い出してください。 「あ、今日はお大師さんの日だ!」って。
もし近くにお大師さんのお寺があったら、 「今年もよろしくね」(1月の初大師) 「いつもありがとう」(毎月21日) 「一年間ありがとう」(12月の納めの大師) と、心の中で手を合わせてみてください。
きっと、お大師さんもニッコリ笑って、あなたのことを見守ってくれるはずですよ。(文:千里ふうた)

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