【参考にならないソロキャンプ】明確に食べすぎた夜にキツネと見つめ合う太い人
長らく続く雨。本来であれば週末にキャンプに出掛け、受注した記事に差し込むための写真を撮影する予定だったが、叶わなかった。なんとか既存の写真でやりくりし、納品する。
キャンプに行く大義名分を失ったものの、一度立てたキャンプの予定を何事もなかったかのように流せるほど私は大人ではない。
年度末を迎えて慌ただしく、ただのプライベートキャンプに時間を割いている場合ではないのだが、万障繰り合わせ切らぬまま繰り出してしまった。あとは野となれだ。豊かな山となれよ。
天気予報を確認し、雨が切れるタイミングを狙ったものの、出かけた朝は雨が残っていた。それでもフロントガラスに降り注ぐ雨に質量は感じられず、空の青の面積が徐々に拡大しているように見える。
気づけば半年ぶりのキャンプだ。曇天は似合わないじゃないか。晴れよと祈りながら車を南下させる。
↓半年前のキャンプ
野営地にたどり着く前にセカストを2軒はしごしてキャンプに合う無骨なワークパンツを探すが、めぼしいものは見当たらなかった。
続いてスーパーを目指して車を走らせる。ある程度買い出しは事前に済ませていたが、「これで本当に足りるのか」といつだって不安になるのだ。自分の腹のスペックを未だ掴めずにいる。
視界の左端には白鷺城。その奥に見える空が青く染まっていることに安堵したが、白とのコントラストがそう見せただけだったのだろうか。野営地に着くころにはまた雨が降っていた。
古法華自然公園キャンプ場に到着。荷おろしであたふたする巨体

本日の野営地は加西市にある古法華自然公園キャンプ場。国道から逸れた森の中にある。無料なので何度も行こうとしたが、市の施設で事前に申請書みたいなものを出さないといけないのが煩わしくて訪れるに至っていなかった。
改めて確認するとメールフォームから必要情報を出すだけでよかったので、今回チョイスした。
はじめて訪れたが、とにかくキャンプ場と駐車場が離れている点には注意が必要だ。キャンプ場の近くに車1、2台を一時的に停められる荷おろし場はあるが、荷物をおろしたら歩いて5分ほどの駐車場に車を移さなくてはいけない。
荷物運搬の手間も煩わしいが、天気があまりにもひどかった場合の避難場所が手元から離れることが心細さを助長させる。
この距離事情を把握していなかったので、荷物の仕分けが不十分なまま来てしまった。準備に時間を割けず、家にあるギアを丸ごと持ってきたのだ。
荷おろし場まで来たはいいが、次の人が来て邪魔になるのではという焦燥や雨が強くなるかもという不安に襲われる。
結局、仕分けしなおすこともなく、慌てて荷物をそっくりそのままおろしただけだ。もしまた来ることがあればリュック1つに収まるくらいに荷物をまとめて臨みたい。
アフィリエイトではない豊潤サジーレビュー

テントの設営を終えた頃には激しく疲れてしまっていた。一息つかないと。姫路の街の方でランチを食べる予定だったが、気づけば店などないエリアまで侵入していて食べ損ねた。今日はコンビニ弁当で我慢だ。
こってり不健康な味が体力を回復させてくれる。すでに15時。特別うまく感じたのは自然の中で食べる非日常というスパイスだけではないだろう。シンプルに空腹だった。

ちょっとあたふたしたので、一度落ち着こう。夜になるまでゆっくり読書することに。星野道夫著「旅をする木」。冒頭の静かな文章が好きだ。
せせこましく日常を生きている私にはこの本に描かれている現実がとても浮世離れした空想めいた出来事だ。それが楽しい。

読書のお供に「豊潤サジー」を持ってきた。アフィリエイターの投稿でしか見かけない本品だが、友人がアフィリエイト関係なく購入しており、おまけボトルを譲ってもらったのだ。

インスタで「子どもたちもぐびぐび飲んでいます!」と冷蔵庫前で兄弟並んで飲んでいる後ろ姿の写真とともにアップされているのを発見するたびに「うそこけ」と意地悪な感情を覚えたものである。
本当にうまいのか暴いてやろうというおよそキャンプに持ち込む必要のない黒い感情。水で割って飲んだら、ほぉら、めちゃくちゃ酸っぱい。ほぉら、意外と好き。
口の中が爽やかにリセットされる。子どもがぐびぐび飲むかは疑問が残るものの、悪くないんかいなで鼻白む。もうちょっとほしい。

豊潤サジーを飲んで謳い文句どおり活力を取り戻し、セブンイレブンで買った桜のドーナツを齧る。季節限定には基本的に踊らされない私だが、桜だけは話が別である。積極的に踊る。味がとてつもなくおいしいことは稀だが、人工的な桜味でも春を感じる。

夜になるのを本を読みながら、そして交際中・結婚期間中に前妻にもらった手紙を燃やしながら待つ。過去の思い出を清算するみたいな大それた思いはないが、置き場所が見つからず困っていた。
ゴミには捨てられない大切な思い出ではあるのだ。もう一度読み返し、火に放つ。長い躊躇に反して灰になるのはおそろしく早い。
爆食の幕開け。次々出てくる惣菜たち

先に言っておくが、今日は食べすぎた。久々にキャンプに繰り出すと適正な食料量の感覚が鈍っている。いつもこうだ。街から隔絶された場所で腹が減ってはまずいという潜在的な危機意識が私にたくさんの食物をかごに入れさせる。
17時ごろから夜を開始する。今日は一から料理をすることはせず、出来合いのもの中心だ。まずはイオンで買ったごぼうサラダとあじの南蛮漬けにセブンイレブンで買った「冷たいまま食べるチキン南蛮」である。
このセブンのカップデリ系はキャンプにいいかもしれない。ビールはクーラーボックスの中で凍っていた。

ちなみに写真に収め忘れたが、イオンでは唐揚げも買っていた。その事実を忘れて後に訪れたセブンでチキン南蛮を買ってしまったのだ。どんだけ食べるんだ。この後焼き鳥も食べるので、数羽は腹に収まったはずだ。
死ぬまでにやりたいことリストに刻まれていた「焚き火でおでん」

寒いうちにキャンプに行きたかったのは焚き火でおでんをやりたかったからだ。手軽にパウチの商品を使ったが、それでもうまい。途中でソーセージを追加し、もうひと煮込みした。

ただ、ちょっと量が足りなかったか。いや、食べる量としては十分なのだが、もう少し鍋に具がパンパンに詰まった光景を見たかったのだ。汁の見えてる範囲が多すぎる。
これでは死ぬまでにやりたいことリストの「焚き火でおでん」を塗りつぶす訳にはいかない。次の冬はさまざまな肴を持ち込まず、おでん1本勝負で行こう。それか誰か付き合ってくれる人を見つけたい。

おでんには日本酒である。以前友人と京都の伏見へ旅に出た際に購入したものが飲まずに置いてあったので持ってきた。旅は連鎖する。「night swim」。泳ぐように飲んだ。
焼き鳥もある。ホルモン焼きそばもある

まだまだ食べる。おでんが落ち着いたら焼き鳥だ。冷凍の10本入りのもののうち5本をアイラップに入れて持ってきた。セリアのミニ鉄板で2本ずつ焼くのが私の定番だが、今日はマルチグリドルで一気に焼いてしまおう。
途中、トイレに向かう道中で何かが目の前を横切った。猫ではない犬のようなもの。やや私から距離を取り、こちらを眺めている生物は犬にしか見えないが、ふわふわの長い尻尾を持っていた。
キツネか。「バカみたいに食べている輩がいる」と嘲笑っていたのかもしれない。

キツネを見てからテントまでの数秒のストロークはなんだか浮き足だった心地がしたが、テントに辿り着けば雑多な自分の家が広がっていて、現実に引き戻される。
薪の上に置いておいた冷凍のホルモン焼きを手に取ると板のような硬さは失われ、ぐにゃりと折れた。
このホルモンをラーメン用として売られていたカット野菜とともにマルチグリドルで焼いていく。数分火をとおし、野菜がくたっとしたころに焼きそばをのせ、蒸らす。
ホルモンに火がとおったところで全体を混ぜ合わせる。別途タレを準備する必要もないこいつはなかなかいい。うどんだとタレ量が物足りないので、焼きそばがいいだろう。
ジンを飲んだり、お菓子を食べたりして夜長を過ごそうと思ったが、腹がいっぱいになり過ぎたので断念。22時にはテントに入り、眠りについた。
次回からはメイン一品と小さなつまみを2、3品くらいをルールにしよう。少量をちびちび楽しむほうがかっこいい。
それにたまには簡単な料理すらせず、料理は出来合いのもので済ませ、純粋に焚き火を眺めるのもいいかもしれない。結局なんだか忙しなくなるんだよな。
凍つく朝。昨夜の爆食を忘れ、また爆食

6時ごろに目が覚め、ごそごそと動き出す。眠れない夜も多いのだが、昨夜はしっかりと眠れた。途中、けたたましい獣の鳴き声が轟きはしたが。

テントや地面には霜が降り、空は抜けるように青い。辺りは静謐に包まれており、阿呆のように酒を飲み、爆食した昨夜のジャンクなひとときとの落差が浮き彫りになる。身震いをしながらストーブに火を灯す。また1日がはじまる。

朝食の前に駐車場まで少し散歩。あくまで公園なので、近隣住民ウォーカーとすれ違う。澄んだ朝の空気を心待ちにしていたであろう柔和な老夫婦ウォーカーに淀んだ炭臭をお届けしてしまったかもしれない。

路傍に茂る名前の知らぬ植物が凍てつき、行儀よく太陽を待っている。冷凍野菜のように一度凍ったら繊維が切れ、柔らかくなるのだろうか。

白く濁った昨夜のホルモン油を拭き取り、マルチグリドルに水を張る。そこにソーセージを並べてボイル。ストーブ天面とマルチグリドルのサイズの一致が気持ちいい。
3本はシンプルボイルで、残りは水分が蒸発したのち、少し焼き目をつけて食べた。

最近好きになった食べ物のひとつであるミネストローネに感化されて、カップヌードルのチリトマトを買った。家で沸かし、サーモスの山専ボトルに入れてきた湯はまだ高温を保っている。
と思ったが、実際にカップヌードルを作ってみたらやはりぬるかった。解け切らない麺もそれはそれでいいんだ。
今日もセカストを複数店舗回って帰る予定だったので、そそくさと撤収。9時ごろにはキャンプ場を出た。やっぱりキャンプは面倒で楽しい。
ぷくぷくの湯でリフレッシュし、久々のもっこす

まずは風呂だ。加古川方面に見つけた「加古川天然温泉 ぷくぷくの湯」へ。いわゆるそこかしこにあるスーパー銭湯ではなく、歴史を感じさせる風呂だった。浴槽も多く、サウナもあるので悪くない。

セカストを数店回るとあれほど食べたのに腹は減る。14時ごろにセカスト近くに見つけたもっこすでランチ。めちゃくちゃ久しぶりに食べた。
