一音を歌わせた瞬間、貴方のブルースは変わる ── B.B.Kingが教えてくれた"たった1音"の衝撃
「ブルースを弾きたいのになんだか薄っぺらい」 「スケールは覚えたのにB.B.Kingみたいに"歌う"ギターにならない」
そんな悩みを抱えていませんか?
実はB.B.Kingの代表曲「The Thrill Is Gone」を聴き込むと、ある事実に気づきます。彼はほとんど速弾きをしていません。それどころか、驚くほど少ない音数で、聴く人の心を揺さぶっています。
この記事では、「The Thrill Is Gone」を題材にマイナーブルースの構造と、B.B.Kingが愛用した「BBボックス」というポジションの使い方、そして「音数ではなく音の選び方」で上達するコツを、初心者にもわかりやすく解説します。

何故多くのギタリストは"それっぽく"聞こえないのか?
問題点1:スケールを「なぞる」だけになっている
ペンタトニックスケールを覚えると、多くの人はそのまま指板の上を機械的に上下してしまいます。音は合っているのにフレーズに「意味」がありません。これはスケールを「暗記した記号」として弾いているからです。
うまく弾くにはコール&レスポンスを意識することです。
問題点2:音数を詰め込み過ぎている
「たくさん弾けた方がかっこいい」という思い込みから、8分音符や16分音符でスケールを埋め尽くしてしまう人が多くいます。しかし「The Thrill Is Gone」を聴くと、B.B.Kingは1小節に数音しか弾かないことも珍しくありません。むしろ「音と音の間の沈黙」が、彼のフレーズの説得力を生んでいます。
問題点3:マイナーブルースという特殊なコード進行を理解していない
「The Thrill Is Gone」はBマイナーのマイナーブルースです。
1〜4小節目:Bm(トニック)
5〜6小節目:Em(サブドミナント)
7〜8小節目:Bm(トニックに戻る)
9小節目,: F#7(ドミナントここだけメジャー7th)
10小節目:Em
11小節目:Bm
12小節目:F#7(ターンアラウンド)
通常のメジャーブルースと異なり、ほぼ全編マイナーコードの中に9小節目だけドミナント7th(F#7)が挟まる構造です。この「一箇所だけの緊張」を理解せずに普通のメジャーブルースのフレーズを当てはめてしまうと、曲の持つ哀愁や重厚感が消えてしまいます。
BBボックスと"音の選び方"が生む説得力
結論1:BBボックスは「狭い箱」だからこそ表現力が増す
B.B.Kingが多用した「BBボックス」は、マイナーペンタトニックの中でも1〜2弦(高音側)を中心にしたわずか3〜4フレット幅の狭いポジションです。
Bmキーの場合、目安は2弦10フレット(ルート音B)を中心にしたエリアです。この狭い箱の中に留まることで、指の移動を最小限にし、代わりにチョーキングとビブラートに神経を集中させることができます。結果として、1音1音の完成度が飛躍的に上がるのです。
結論2:「音数を減らす」ことが上達への近道
BBボックスの中で、あえて音数を絞ってみてください。1フレーズに3〜5音でも十分です。その代わり、
チョーキングは正確な音程まで丁寧に上げる
ビブラートは音の長さに応じて揺らぎを調整する
フレーズの後にしっかり「間」を置く
この3点を意識するだけで、フレーズが一気に「歌う」ようになります。速さではなく、1音の説得力こそがブルースの本質だからです。
結論3:マイナーブルースの構造を理解して初めてフレーズが生きる
9小節目のF#7(ドミナント)に差し掛かる瞬間だけ、意図的に緊張感のある音(F#7のコードトーンやその周辺のブルーノート)を選ぶと、マイナーブルース特有の「切なさが一瞬だけ光る」感覚を再現できます。コード進行を理解した上でBBボックスを使うことで、単なるスケール練習が「曲を語るフレーズ」に変わります。
この曲でギターをうまく弾く為に
「The Thrill Is Gone」でギターをうまく弾く為に必要なのは速いフィンガリングでも難しい理論でもありません。必要なのは
Bマイナーブルースの12小節進行を体に染み込ませること
BBボックスという狭いポジションに留まり、チョーキングとビブラートを磨き込むこと
音数を減らし、「間」を恐れないこと
この3つだけです。
まずはBBボックスの1ポジションだけに絞り、1音1音を丁寧にチョーキングしてみることです。技術的な速さを追い求めるのではなく、「一音の説得力」を高めることです。それこそが、B.B.Kingが「The Thrill Is Gone」で私達に教えてくれたブルースギター上達への一番の近道です。
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