ブレイブリーデフォルトから学ぶ「思い込みを捨てるゼロベースの思考力」
人生は何度だってやり直せる。
私たちは気づかないうちに、過去の経験や慣れたやり方に思考を縛られています。けれど、本当に新しい答えは、「当たり前」を1度疑うことで姿を現す。ゼロベースで物事を考えることは、過去を否定することではなく、未来を選び直すための選択です。思い込みを一度リセットし、純粋に「いま何が必要か」を見つめ直す。どんなに苦しい人生でも、一度すべての前提をリセットしてみると、新しい人生が見えてくることがあります。人生をやり直すというと、大きな決断や劇的な変化を想像しがちです。しかし、実際は、前提を一つ外すだけで、世界は違って見える。驚くほどシンプルな方法です。人生は、一度描いた線を消していけないわけではありません。むしろ、何度でも描き直していい。やり直すことに、早いも遅いもありません。年齢も立場も関係ない。白紙に線を描き直す勇気が必要なだけです。
1年前、僕は社労士事務所を廃業しようと本気で考えていました。行政協力を辞めたあと悪評が広がり、地元の社労士から距離を置かれ、東京都社会保険労務士会の治療との両立・障害者等就労支援委員会の公募にも落選。自分自身が難病患者で、障害者雇用での就職は軽作業ばかり。社会経験も積めず、独学で社労士試験に合格したので「そもそも社労士の仕事を見たことがない」という致命的な不安も抱えていました。仲間もいない。相談できる人もいない。どうやって仕事を覚えたらいいのか、本当にわからなかった。
同じ社労士からは「難病支援は社労士のやるべきことじゃない」「そんなに難病の仕事をしたいなら、福祉の仕事をすれば?」と批判されることが多く、社労士を嫌いになって、社労士という言葉を見るだけで胸がざわつく時期もありました。今でも、職業への愛情や誇りを持てているわけではありません。
それでも、僕が再生のきっかけをつかめたのは、燃え尽きて、孤独で、諦めかけたその瞬間にふと浮かんだ一つの考えでした。
「続けることは今しかできないけど、諦めることはいつだってできる。」
大きな決意なんてなかった。ただ、もう少しだけ続けてみようと思っただけ。周りの社労士が言う「ひとりでは仕事は覚えられない」という’’常識’’も、本当にそうなのか疑ってみました。辞めるのは、ひとりでやってみて失敗してからでいい。社労士という肩書きにこだわらず、初心に返って「難病支援」をやってみたい。ひとりだからこそできることもあるはずだ、と。
そして、この‘’ゼロから考え直す‘’という姿勢は、実はあるゲームから学んだものです。
それが。
「ブレイブリーデフォルト
Flying Fairy」
『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』 発売発表トレーラー
https://www.youtube.com/watch?v=WQnz3rOoH-k
【あらすじ】
大地が裂け、闇が満ちる大災厄「大穴」が突如として現れた世界のルクセンダルク。故郷ノルエンデ村を失った青年ティズは、世界の均衡を司るクリスタルの巫女アニエスと出会い、妖精のエアリーに導かれ、世界の危機に立ち向かうため、風・火・水・土の四大クリスタルを解放する旅へと踏み出します。2人に加わるのは、エタルニア公国から離反した皇女イデア、そして記憶喪失の旅人リングアベル。エタルニア公国とクリスタル正教の対立に揺れる世界を巡りながら、クリスタル浄化の儀式を進めていきます。しかし、すべてのクリスタルを解放した瞬間、一行は「少しだけ異なる平行世界」に飛ばされ、振り出しに戻ります。妖精エアリーの「すべての世界でクリスタルを解放すれば、大穴が閉じる」という言葉を信じ、何度も過酷な平行世界の旅を繰り返す4人。やがて明かされたのは、妖精エアリーの正体が破壊神の手先であるという真実。彼女は平行世界すべてのクリスタルを暴走させ、世界を崩壊させることが目的だったのです。騙されていたと知った4人は、与えられた使命を盲目的に信じることをやめ、自分たちの意志で「拒絶(デフォルト)」を選択。破壊神を打ち破り、世界の平和を取り戻します。
『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』(BRAVELY DEFAULT FLYING FAIRY)は、2012年10月にスクウェア・エニックスよりニンテンドー3DSで発売されたRPGゲームです。開発はスクエア・エニックス第二事業本部ディビジョン6が担当。プロデューサーの浅野智也さんが率いるチームです。予想を裏切る林直孝さんのシナリオも良かったけれど、節目のボス戦ごとに「君は僕の希望」「雛鳥」「愛の放浪者」と戦闘BGMが変わり、盛り上げてくれるREVOさんの楽曲が素晴らしかった。近年、スクウェア・エニックスはコンテンツ廃棄損や海外スタジオの構造改革で巨額の特別損失を出しています。だけど、世界的にもオリジナルの「JRPG」を作れる唯一無二のゲームメーカーなので、なんとか頑張って欲しいと心から願うところです。ファイナルファンタジー・ドラゴンクエストだけでなく、オクトパストラベラー・トライアングルストラテジーのような新規IP作品の広がりに期待しています。
僕は浅野智也さんのゲーム作品の良さは「ユーザーの声を聴く」ところだと思っています。ブレイブリーデフォルトだけでなく、オクトパストラベラーも、最近では冒険家エリオットの千年物語でも、ゲームリリース前に必ず体験版を配信しています。その体験版に寄せられた声を元に戦闘システムやユーザーインターフェースのブラッシュアップを行う。こういった取り組みを行っているのは、日本のゲームメーカーでも浅野さんのところだけじゃないかな?ゲームユーザーと積極的なコミュニケーションを取って、ゲームをより良い作品に仕上げようとする姿勢は素晴らしいです。治療と仕事の両立支援や医療施策の世界では、病気の患者の声を聴かずに一方的に支援を作り上げてしまう構造があります。患者と距離を置き、クレーマーのように恐れて、コミュニケーションを取らない。それで、本当により良い支援が作れるのか、僕は疑問に思っています。ですから、浅野さんのクリエイターとしてのゲーム作りの姿勢は尊敬するところです。
そこで、今回は。
常識が自分を苦しめるとき、自分のキャリアを再構築したいとき、孤独な状況で判断しなければならないときなどに役立つ「ゼロベースで考える思考力」をみんなと情報共有していきましょう。
メニューはこちら。
僕がブレイブリーデフォルトから学んだ‘’世界の常識や正義が本当に正しいのかを疑い、自分の意思で未来を選び直す‘’方法を紹介します。やり直しは特別な才能ではなく、思考の使い方で誰にでもできるものです。
それじゃー。
Here We Go !

前例や常識を「デフォルト」する
まず、思考をゼロにするための
第一歩は、
現在の状態を正しく認識すること。
例えば、ブレイブリーデフォルトでは、突如として世界に「大穴」が空きます。災厄のせいで、これまでの平穏(前例)が通用しなくなりました。「異常事態」を正しく認識するために、原因の調査が冒険の旅立ちになります。
社労士の世界も同じです。東京都社会保険労務士会の開業準備講座で、社労士の仕事は「普通」に仕事していれば、普通に収入が得られるよ、人と違ったことをあまりしないほうがいいよとアドバイスされます。ですが、それは「普通」の健康な社労士に限った前提です。難病患者・障害者の社労士は体力的な制限、身体の不自由などで、「普通」の健康な社労士と同じように仕事ができるわけではありません。必ず制約があります。その中で、仕事の「選択と集中」が極めて重要です。現在、僕は社労士業務のすべてを引き受けることができないから、「治療と仕事の両立支援」「障害者雇用の設計・見直し」「ヘルスリテラシーの向上」「スタートアップ支援」の4つの専門性を特化させて業務を集約させています。周囲に価値観を合わせないことが地元の社労士から嫌われる一因になっていますが、僕には、僕の事情があります。
常識を事実ではなく「仮説」として扱い、自分の目的を最優先に置く。
もし何も前例がなかったらどうするか。自分だからできる支援は何か。そうやって白紙から考えると、当たり前に縛られずに、自分の道を選び直せるようになります。
また、与えられた「目的」を疑うことも大切です。
ブレイブリーデフォルトの主人公たちは、「クリスタルを輝かせれば世界は救われる」と信じて旅をしていました。しかし、実際は、妖精エアリーに騙され、世界の崩壊を手助けするものでした。「目的」が本当に正しい物か、見分ける心眼が必要になります。
ビジネスでも、人生でも、「売上をあげるため」とか、「社会の普通に追いつくため」という目的そのものが、自分を苦しめる前提になっていないか、見つめ返しましょう。「なぜ、それを目指しているのか?」をスタートラインに立ち戻って考えることが不可欠です。心理学に「サンクコスト効果」というものがあります。すでに払ってしまったお金や時間を「もったいない」と感じるあまり、本来ならやめたほうが良い選択を続けてしまう心理現象のことです。イギリスとフランスが共同で開発した超音速旅客機「コンコルド」の開発がよく例示されます。国家プロジェクトであったため、開発中止ができず、墜落事故まで起こしてしまった。大きい組織ほど損失を認められず、サンクコスト効果が強く働きやすいことを示しています。
「いつも通りが1番危険」くらいの意識を持っている方がちょうどいいのかもしれませんね。ブレイブリーデフォルトでは、皇女イデアは納得のいかないときに、「むぐぐ・・・」というのが口癖です。今は言葉にできなくても、その小さな違和感が既存の価値観をアップデートする土台になります。自分の「むぐぐ・・・」を大切にしてください。

ジョブ「掛け算」の生存戦略
ジョブの掛け算が、
あなただけの固有アビリティを生む。
ブレイブリーデフォルトの魅力のひとつが、自由度の高いジョブシステムです。ファイナルファンタジーⅤのジョブシステムを思い浮かべると理解できる人も多いのではないでしょうか?キャラクターは「アスタリスク」と呼ばれる証を手に入れることで新しいジョブに就くことができ、戦闘で得られるジョブポイント(JP)を使ってジョブレベルを上げていく。ジョブレベルが上がると新しいアビリティを覚え、戦い方の幅が一気に広がります。白魔道士や黒魔道士といった王道の職業から、忍者・海賊・スーパースターなど個性的なものまで揃っており、それぞれに得意な武器やステータス傾向がある。ゲームにおける「ジョブチェンジ」と「アビリティ」の組み合わせは、現代のキャリアや生きづらさを紐解く上でも、重要な要素となります。
1つのジョブだけに依存して生きるのには、リスクが伴います。例えば、ゲームで「全員がナイト(騎士)」のパーティを作ったら、攻撃力がどんなに高くても、回復が追いつかず全滅してしまうパーティになります。現実でも、「1つの役割」に自分を最適化しすぎると、その環境が崩れたり、自分に向いてないと分かった瞬間に、一気に生きづらくなってしまいます。事務手続きをできる社労士になりたいと行政協力をしたときの僕がそうでした。年金事務所の現場は、理想と違っていました。
だからこそ。
私たちには、
「ジョブチェンジ(役割の変更)」
が、必要です。
ブレイブリーデフォルトの本当の面白さは、ジョブを変えることそのものよりも「過去に覚えたアビリティを別のジョブに持ち込める」ことにあります。例えば、「薬師」のジョブに「シーフ」の‘’盗む‘’を掛け合わせて、敵からアイテムを盗んで、薬師に無限にアイテムを使わせ続けたり、「魔法剣士」のジョブに、「モンク」の‘’チャクラ‘’を掛け合わせて、MPを回復しつつ魔法剣を永久に使わせたり。単体では、平凡に見える能力でも、組み合わせることで爆発的なシナジー(相乗効果)を生み出します。
これは、現実のキャリア形成でも同じですね。
「心理学(白魔道士)×マーケティング(黒魔道士)」で、人の心に深く刺さるコンテンツを作れるクリエイター。「カリスマ性(スーパースター)×動画編集(商人)」で、毎日、動画を出し続けるインフルエンサー。
世界には1つのジョブのレベルを極めた’’天才’’や’’努力家’’はゴロゴロいます。その人たちと真っ向から勝負を挑んでも疲れてしまいますよね。でも、「レベル5のジョブを3つ掛け合わせた人間」になれば、それだけで世界に1人しかいないユニークな存在になれます。もし、「今の仕事がつらい」「自分には何もない」と感じているなら、それはあなたの能力が足りないのではなく、現在のジョブの組み合わせが、あなたのキャラクター(本質)に合ってないだけかもしれません。過去に少しでも経験したこと、趣味で覚えたこと、苦にならずにできること。すべてあなただけのアビリティです。あなただけの「コマンドウィンドウ」を編集して、自分が心地よく戦える組み合わせを見つけてみませんか?
僕はこのことに気付いたから、「難病患者」「特定社会保険労務士」という属性だけでなく、今年になって「ジョブコーチ」「治験アンバサダー」「メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種・Ⅲ種」と資格を取りました。過去に取得した「行政書士」「ケアストレスカウンセラー」「両立支援コーディネーター」という資格もあるけれど、これからも新しい資格をどんどん取得していきたいなと思っています。難しい資格にも挑戦していきたい。
前例や常識に囚われないで生きるためには、「強さ」も必要です。このジョブ掛け算の生存戦略がみんなの「強さ」につながることを願います。

ゼロベース思考の作り方
何かを変えたいと思ったとき、最初にぶつかるのは「思い込み」です。できる・できない、正しい・間違っている。そんな二択の世界にいる限り、発想は広がらない。だからこそ、一度立ち止まって思考をまっさらにすることが大切になります。
ゼロベース思考は、
「再スタートの技術」だ。
そして、この思考法を獲得する上で鍵になるのが、客観性を持つこと・白黒思考を手放すこと・リトライを恐れないことの3つです。
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1.客観性を持つこと
「客観性」とは、辞書で意味を調べると、‘’個人の感情や偏見、立場を交えず、誰が見ても同じように納得できる性質や状態のこと‘’と出てきます。ですが、どうやって実現するのか、わかりそうでわからない。そこで、オススメしたいのが、作家・塩野七生さんの提唱する複雑な現実を読み解くための思考法です。
鳥の目・虫の目・魚の目を持つこと。
鳥の目とは、高い場所から全体を俯瞰する視点です。歴史や社会、組織の動きを「大きな流れ」として捉える力を指します。目の前の問題に飲み込まれない。長期的な方向性を誤らない。本質的な課題を見抜ける。個々の事象に振り回されず、構造や背景、長期的な影響を見通すことで、判断の軸がぶれなくなることがメリットです。次に、虫の目とは、地面に近いところから細部を見る視点です。現場の声、数字の裏側、具体的な行動や状況を丁寧に観察する力を指します。実態を正しく把握できる。抽象的な議論を具体的な行動に落とせる。机上の空論を避けられる。鳥の目だけでは抽象論に偏りますが、虫の目があることで現実に根ざした判断ができることがメリットです。そして最後に、魚の目。時代の流れを読む視点です。水の中で方向を変えながら進む魚のように、変化の兆しや時代の空気を敏感に察知する力を指します。変化の兆しを捉えられる。時代の流れに乗った判断ができる。未来の可能性を見逃さない。今は小さな動きでも、後に大きな潮流になることを見抜く洞察力を持てることがメリットです。
「鳥の目」で全体を俯瞰し、「虫の目」で現場を理解し、「魚の目」で変化の流れを読む。この3つが揃うことで、過去に縛られず、思い込みに囚われず、未来に向けて柔軟に判断できる「ゼロベース思考力」の基礎が生まれます。
実は僕、この3つの視点を持ち合わせることができていることがちょっとだけ自慢です。難病患者の立場である「虫の目」、社会保険労務士・経営者である「鳥の目」。そして、長いこと働けずニートとして遊びほうけてきたんで、トレンドや文化を読むことは得意で「魚の目」も持ち合わせています。これらの視座から病気の患者の社会参画を達成していきたいと考えるところです。
2.白黒思考を手放す
白黒思考とは、物事を「正しいか間違っているか」「生きるか死ぬか」といった二択で捉えてしまう思考のクセのことです。判断がシンプルになる一方で、選択肢を狭めたり、自分を追い詰めたりする原因になります。
例えば、複雑な状況を「成功か失敗か」「味方か敵か」といった二択に押し込めてしまうため、本来見えるはずのグラデーションが見えなくなる。そのことによって、現実を正しく把握できなくなります。また、「できたら100点、できなければ0点」という極端な基準になるため、少しのミスでも自己否定やハラスメントにつながりやすい。自分を守るための単純化なのに、むしろ自分を苦しめる方向に働いてしまう。そのため、自分も相手も追い詰めやすくなる。こういった思考法は、相手の行動を「良い人か悪い人か」「正義か悪か」と切り分けるため、相手の背景や事情を理解する余地がなくなります。結果として、人間関係がぎくしゃくしやすい。
それでは、白黒思考を防ぐにはどのようにしたらいいでしょうか?
僕は「物事をできるだけ自分の目で見て、自分の感覚で確かめること」だと思います。
白黒思考に陥るとき、人はしばしば「誰かの言葉」や「噂」「一般論」に強く影響されてしまう。伝聞情報は、どうしても断片的で、話し手の価値観や感情が混ざりやすい。そのため、状況を二択で捉える思考のクセをさらに強めてしまうことがあります。しかし、自分で観察し、体験し、感じた情報は、伝聞よりもはるかに多くのニュアンスを含んでいます。そのことを自分で確かめることで、「グレーの領域」が存在し、二択では割り切れない現実が自然と見えてくる。心理学では、こうした自分で見直す行為は「認知的再評価(リフレーミング)」と呼ばれ、思考の偏りを和らげる効果があることが知られています。状況を別の角度から捉え直すことで、極端な判断を緩めることができるのです。また、こういった細かい感情の機微の言語化は、自分に対して思いやりを向ける姿勢につながります。セルフ・コンパッションと呼ばれるもので、自己批判のループから抜け出しやすくなるものです。
白黒思考は、ブレイブリーデフォルトの作中でも描かれます。エタルニア公国の皇女イデアは自国の理念こそが「絶対的な正義」だと信じていました。世界を「白」と「黒」にハッキリ分け、自分は白い側にいると信じているうちは楽でしたが、現実の世界はそんなに単純ではありませんでした。イデアは旅の途中で、自分が「正義」だと信じていた自国軍が、非情な作戦で人々を苦しめているのを目の当たりにします。イデアは最終的に父の治める国を裏切り、主人公たちの仲間になる道を選びました。それは、「目の前で泣いている人を助けたい」という自分自身の直感です。
僕は世間のルールや出来事に「どちらが正しいか」という白黒を決着つけることにあまり意味があると思っていません。物事を「正しいか、間違っているか」の2色だけで塗りつぶしてしまうと、心はいつか押しつぶされてしまいます。グレーをグレーな現実のまま受け入れ、その中で「自分はこれがいい」と思える選択をしていくことで、毎日の生きづらさは取り払われていくんじゃないかなって考えています。
3.リトライを恐れない
私たちは失敗を必要以上に恐れてしまいます。一度つまずくと「自分には向いていないのでは」「もうやめたほうがいいのでは」と、未来の可能性よりも過去の結果に囚われてしまうことがある。だけど、挑戦の本質は「成功するかどうか」ではなく、「試行錯誤を続けられるかどうか」にあります。僕が社会保険労務士を続ける理由もここです。難病支援が実現できるのか、わからないけど、とりあえず、できることをいろいろとやってみよう。
失敗は「終わり」ではなく、
「学びの途中」なんだ。
人はみんな、失敗を「危険」とみなしやすく、再挑戦を避けることで自分を守ろうとする。これは心理学上の’’自己防衛‘’なんだと思います。リトライが怖いのは、みんな同じ。決して弱さではなく、脳の認知の問題です。リトライという言葉には、どこか「気合いを入れて再挑戦する」という重たい響きがあります。ですが、リトライはそんな大げさなものではない。立派な計画でも、完璧な準備でもなく、ただ無心に続けること。それでいいんですよ。昨日できなかったなら、今日はほんの少しだけやってみる。前回うまくいかなかったなら、同じことをもう一度試してみる。例え結果が出なくても、「続けた」という事実が積み重なれば、それは確かな前進になります。
リトライを恐れないため必要なのは、
勇気ではなく、
「続けるという習慣」です。
――――――――――――――
ゼロベース思考は、特別な才能を持つ人だけが使える高度な技術ではないです。客観性を育て、白黒思考をゆるめ、何度でもやり直す。この3つを少しずつ意識するだけで、誰でも手に入れられます。人生の再設計は、いつも自分の手の中にあるものです。平行世界を旅したブレイブリーデフォルトのように、世界は何度でも選び直せる。

従わない勇気を持つこと
「みんながそう言ってるから、従わなきゃいけない」、「会社の指示だから、おかしいと思ってもやるしかない」、「空気を壊さないために自分の意見を飲み込む」。現代社会を生きていると、周囲の意見や社会のシステムに「従う」ことばかり求められ、息苦しさを感じる瞬間があります。そんな’’従うことが正義’’とされる世の中で、あえて「従わない勇気」を教えてくれたのがブレイブリーデフォルトでした。
このゲームの最大のポイントは、「信仰対象のクリスタルの破壊」と「妖精エアリーの嘘を見破ること」にあります。
主人公たちはずっとクリスタルを輝かせることで、世界が救われると信じてきました。しかし、それは妖精エアリーの嘘で、真相は世界崩壊の手助けでした。騙されていた4人はエアリーの指示を疑い、従わず、あえてクリスタルを破壊します。自分たちの意志で運命を切り開き、世界の大穴を消滅させました。
ブレイブリーデフォルトのサブタイトルである「Flying Fairy(フライングフェアリー)」。ここから頭文字の「FF」を消すと、「Lying airy(ライイングエアリー)」となります。直訳すると「嘘つきエアリー」。これは、単に物語最大の罠を示唆するだけでなく、ゲーム会社のスクウェア・エニックスが看板タイトルの「ファイナルファンタジー(FF)」がなくとも、新規のRPG「ブレイブリーデフォルト」を育てていくという開発者の決意を示すアナグラムとなっています。
僕にとっての’’嘘つきエアリー’’は、「治療との両立・障害者等就労支援委員会」でした。1年前、結果的に「東京都社会保険労務士会」と決別をして、ひとりで治療と仕事の両立支援をしていく強い決意が必要となりました。今はその選択が正しかったと胸を張って言えます。
東京都社会保険労務士会の障害者支援は「医学モデル」のアプローチに基づくものです。障害を「個人の身体機能の問題」として捉える考え方であります。この支援の難点は、生活のしづらさが「本人の問題」にされてしまい、社会の側の障壁が見えなくなることです。病気の特性・障害を「個人の甘え」とし、その克服のため「必要以上の努力」を個人に求めます。その証左に、東京都社会保険労務士会の運営に障害のある社労士はほとんど参加していません。「健康な人の、健康な人による、健康な人のための障害者支援」がなされています。障害者の声というのは反映されていない。僕自身も難病のクローン病があることで、「面倒くさい人」「扱いづらい人」として、地元の社労士からは避けられています。そういう人たちに病気の患者の相談業務を任せられますか?病気の患者の気持ちがわかるでしょうか?東京都社会保険労務士会の治療との両立・障害者等就労支援委員会は「傾聴」を大事にしてると言います。しかし、僕に行政協力を辞めた理由を尋ねてくれた人は、誰ひとりいませんでした。勝手な理由で「怠け者」とスティグマを押され、煙たがれ嫌われる状態になっています。
だからこそ、僕は障害者支援のアプローチを「社会モデル」に転換していくことを訴えていきたい。東京都社会保険労務士会に従わない勇気を持ちました。今の社会は健康な人たちが作りだした社会システムです。生活のしづらさは、障害者・難病患者の心身の問題だけでなく、社会の側にも原因がある。今の社会システムが作られたとき、障害者・難病患者への配慮は含んで設計されませんでした。本人の努力や根性ではどうにもならない障壁を、社会の側も取り除くことで、初めて社会参加の可能性が開かれる。治療と仕事の両立支援を「治るか、治らないか」という二択から解放し、「どうすればその人が社会で生きやすくなるか」という本質的な問いを取り戻すことが社会モデルなのです。環境や制度、周囲の理解が整えば、障害者・難病患者の「参加を妨げる壁」は壁でなくなる。優しい言葉をかけることだけが障害者支援ではありません。障害者が社会に参加し、社会で役割をもって、社会で活躍できてこそ、障害者支援が達成できたと言えるのではないでしょうか。
僕はこの1年、綺麗な道だけを歩いて叶う理想などないことを知りました。痛みも、苦しみも、悲しみも、泥道を歩いてきたからこそ、わかることがあります。患者さんとの絆が、歩きにくい道でも、僕を前に進ませてくれました。ブレイブリーデフォルトの「フレンド召喚」のように、助けられることもあり、出会った人の支えや応援があって、ひとりでもやってこれています。
従わない勇気とは、誰かに逆らうことではなく、自分の思考を取り戻すことです。周囲の常識や期待に流されず、いったん立ち止まって「本当にこれは自分の望む道なのか」と問い直す。そして、他人の正解に従うのではなく、自分の正解をつくり直す。従うことでなく、自分で考えることで道は開かれます。
「石の上にも3年」と言いますが、社労士3年目にして、すこし自分のワークスタイルが出来上がってきました。僕にしかできない難病支援も実現できそうです。
ブレイブリーデフォルト。
勇気を持って、最初に戻ること。
1年前に、この決断ができた自分を褒めてあげたい。
みんなにとっても、
ゼロベースの思考力が、
希望へ向かう序曲でありますように。
最後に、ご報告
2026年6月23日付で、一般社団法人「YORIAI Lab」の理事会監事に選任されました。
一般社団法人YORIAI Labは、医薬品開発における患者・市民参画(PPI:Patient and Public Involvement)を推進するための共創型コミュニティの団体です。企業、研究者、医療者、患者団体、市民が立場を超えて学び合い、医薬品開発や臨床試験の質を高めるための知識・仕組みづくりを行っております。
【主な取り組み】
治験アンバサダープロジェクトの運用
ペイシェントエクスペリエンスデータ
(PED)の実証研究
市民科学(Citizen Science)の支援
PPIコンサルテーション
国際協働
(PFMD、PEOF、
PEOF+ Asia Pacific など)
イベント・勉強会・
ワークショップの開催
病気の治療法が確立されていない病気の患者にとって、新薬開発は未来への大きな希望をもたらすものです。その希望を次世代につなぎ、それぞれが役割を持って参加できる社会を広げていくためにも治験アンバサダープログラムをはじめとしてYORIAI Labの活動が周知され、透明性をもって運営されることが望まれます。監事として、YORIAI Labの取り組みを支えながら、健全で開かれた法人運営に貢献できるよう精一杯務めて参ります。どうぞよろしくお願い致します。
今回もブログ記事を
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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