Setlogを知っていますか?新しいSNSに出る若手候補者の情報管理リスク
採用前のSNS調査というと、多くの企業はInstagram、X、TikTok、Threads、BeRealなどを想定します。
しかし、若い世代のSNS利用は常に変化しています。
採用担当者や管理職世代が「聞いたことがない」と感じるアプリでも、学生や若手社員の間ではすでに使われ始めていることがあります。
その一つとして、今後注目しておきたいのが
Setlog(セットログ)
です。
Setlogは、友人同士で日常の短い動画を記録し、1日のVlogのように残すことができるSNSアプリです。報道やアプリ紹介では、数秒程度の短い動画を一定の時間ごとに撮影し、友人と共有しながら1日の記録を作るサービスとして紹介されています。韓国では10代・20代を中心に話題になり、日本でも若年層向けメディアなどで紹介され始めています。
このような新しいSNSは、企業の採用現場では見落とされがちです。
人事担当者が知らない。
管理職が名前を聞いたことがない。
社内のSNS研修でも扱われていない。
既存のSNSチェック項目にも入っていない。
しかし、若手候補者や新入社員が使っている可能性がある以上、企業はその特徴を理解しておく必要があります。
なぜなら、Setlogのようなリアルタイム性の高い動画共有アプリでは、本人が意図していない情報が映り込む可能性があるからです。
会社のデスク。
社員証。
PC画面。
ホワイトボード。
会議資料。
シフト表。
顧客名。
社内チャット。
未公開商品の資料。
本人は「友達に今日の様子を見せているだけ」のつもりでも、企業側から見れば、情報漏洩やコンプライアンス事故のきっかけになり得ます。
Setlogとはどんなアプリなのか
Setlogは、簡単にいえば「友達と一緒に1日を短い動画で記録するアプリ」です。
1時間ごとに2〜3秒ほどの動画を撮影し、それを積み重ねて1日のVlogとして残す仕組みと説明されています。友人同士でグループを作り、日常の瞬間を共有できる点が特徴です。
韓国発のトレンドとして紹介されており、香港や韓国で話題になったアプリとしても報じられています。海外メディアでは、最大12人の友人が数秒の動画を撮影し、1日の記録として自動的にまとめられるアプリだと説明されています。
App Store上では、Setlogはソーシャルネットワーキングカテゴリのアプリとして掲載されており、日本のApp Storeページでは13歳以上向け、無料アプリとして表示されています。Appleのプライバシー表示では、開発者が取り扱う可能性のあるデータとして、連絡先情報、ユーザーコンテンツ、識別子などが示されています。
つまり、Setlogは単なる動画編集アプリではありません。
友人と日常を共有するSNSであり、リアルタイムの生活記録に近い性質を持っています。
ここが採用上のリスクと関係します。
BeRealに近いが、動画で“生活の流れ”が残る
Setlogを理解するうえで、BeRealを思い出すと分かりやすいかもしれません。
BeRealは、通知が来たタイミングでその場の写真を撮ることで、「盛らない日常」を共有するSNSとして広がりました。
Setlogも、整えた投稿よりも、日常の瞬間を友人と共有する方向性を持っています。
ただし、Setlogは短い動画を積み重ねる点に特徴があります。
写真1枚よりも、動画の方が情報量は多くなります。
一瞬だけ映ったPC画面。
机の上の書類。
背後にいる同僚。
壁に貼られたスケジュール。
会議室のホワイトボード。
会話の一部。
画面端に映った社員証。
本人が意識していなくても、動画には周辺情報が入り込みやすいのです。
特に、Setlogのように「日常をそのまま残す」ことが魅力になっているアプリでは、投稿前に細かく確認せず、何気なく撮影してしまう可能性があります。
企業にとって重要なのは、Setlogが危険なアプリかどうかではありません。
若手社員が“何気なく動画を撮る文化”に慣れていることです。
年かさの採用担当者ほど見落としやすい
Setlogのような新しいSNSは、企業の上層部や年齢の高い採用担当者ほど把握しづらい傾向があります。
InstagramやX、TikTokなら知っている。
BeRealもニュースで見たことがある。
しかし、Setlogは聞いたことがない。
こうした状態は珍しくありません。
しかし、採用現場で本当に問題になるのは、人事担当者がそのアプリを使っているかどうかではありません。
候補者や新入社員が使っているかどうかです。
企業側が知らないSNSほど、社内ルールや教育の対象から漏れます。
「SNSに会社情報を載せないでください」と研修で伝えていても、社員側が、
「これはSNSというより友達との日記アプリ」
「数秒だけだから大丈夫」
「グループ内でしか見ていない」
「顔や社名は出していない」
「動画はすぐ流れるもの」
と考えていれば、リスク認識にズレが生まれます。
採用前調査や入社前教育では、SNS名をすべて暗記する必要はありません。
大切なのは、どのアプリであっても、会社の情報が映り込む可能性がある投稿をしていないかを見ることです。
採用上のリスク1|社員証や社内資料の映り込み
Setlogのような短尺動画系アプリでまず想定されるのが、社内情報の映り込みです。
たとえば、新卒社員や若手候補者が、オフィスで何気なく動画を撮影したとします。
「今日も研修!」
「同期とランチ!」
「オフィスきれい!」
「配属先決まった!」
「会議疲れた!」
本人に悪気はありません。
しかし動画の中に、社員証、社内資料、PC画面、会議室の予約表、顧客名、スケジュール表などが映っていれば、企業にとっては情報管理上の問題になります。
特に新卒社員は、何が機密情報にあたるのかを十分に理解していないことがあります。
本人は「社外秘の資料をアップした」という認識ではなく、「日常の一場面を撮っただけ」と考えている可能性が高いのです。
だからこそ、採用前からSNSリテラシーを見る必要があります。
過去にアルバイト先のバックヤードを投稿していないか。
学校やサークルの内部資料を軽く扱っていないか。
他人の顔や個人情報を無断で載せていないか。
机の上の書類や画面の映り込みを気にしているか。
こうした傾向は、入社後の情報管理意識にもつながります。
採用上のリスク2|友人グループ内だから大丈夫という誤解
Setlogは、友人同士で日常を共有する文脈で広がっているアプリです。アプリ紹介でも、友達と一緒に日常を記録し、共有する点が特徴として説明されています。
この「友達だけ」という感覚が、企業情報の扱いでは危険になることがあります。
若い世代にとって、SNS上の友人グループは閉じた空間に見えるかもしれません。
しかし、共有された動画は、スクリーン録画、保存、転送、別SNSへの投稿などによって外へ出る可能性があります。
実際、日本のApp Storeレビュー欄にも、Setlogで作成した動画を別アプリに投稿できることに触れるレビューが表示されています。もちろんレビューは個人の感想ですが、少なくともユーザー側が動画を別SNSへ展開する使い方を想定していることは分かります。
企業側は、ここを理解しておく必要があります。
「友達にしか見せていない」
「グループ内だけ」
「一瞬だけ」
「後で消えると思っていた」
このような説明は、情報漏洩が起きた後では通用しません。
社内情報は、最初に投稿した本人の意図とは別に、拡散することがあります。
採用上のリスク3|リアルな日常ほど“素”が出る
Setlogの魅力は、作り込んだ投稿ではなく、リアルな日常にあります。
だからこそ、候補者の普段の価値観や情報の扱い方が出やすいとも言えます。
たとえば、
アルバイト先の厨房を面白がって撮る。
学校の資料をネタにする。
友人の失敗を勝手に動画にする。
他人の顔を無断で映す。
位置情報や生活圏が分かる投稿を繰り返す。
「バレなければいい」というノリで撮影する。
こうした投稿傾向がある候補者は、入社後も同じ感覚で会社の中を撮影する可能性があります。
企業が見るべきなのは、候補者がSetlogを使っているかどうかではありません。
その人が、撮ってよいものと撮ってはいけないものの線引きができるかです。
SNSリテラシーとは、アプリ名を知っていることではありません。
投稿前に、周囲に映っている情報を確認できること。
他人の顔や個人情報を勝手に出さないこと。
勤務先や顧客の情報を外へ出さないこと。
友人だけの空間でも、外へ出る可能性を想像できること。
これが重要です。
採用前調査でSetlogをどう見るべきか
採用前調査において、Setlogだけを特別に監視する必要はありません。
また、候補者の私生活を過度に詮索することも避けるべきです。
見るべきなのは、職務に関係する情報管理リスクです。
たとえば、公開情報や本人同意を前提とした調査の中で、
公開されている短尺動画に社内情報が含まれていないか。
アルバイト先や学校の内部情報を軽く扱っていないか。
他人の顔や個人情報を無断で投稿していないか。
動画投稿で位置情報や生活圏を不用意に晒していないか。
撮影禁止の場所で撮影していないか。
情報漏洩につながるノリの投稿がないか。
こうした点を確認することが重要です。
特に、新卒採用や若手採用では、職務経験が少ない分、面接だけで情報管理意識を測ることが難しい場合があります。
SNSの公開情報には、日常の判断基準が出ます。
Setlogのような新しいアプリは、その判断基準が見えやすい場面の一つです。
企業が入社前に伝えるべきこと
Setlogのようなアプリが広がる中で、企業は入社前・入社直後の教育を見直す必要があります。
単に、
「SNSに会社情報を書かないでください」
だけでは不十分です。
若手社員には、より具体的に伝える必要があります。
写真だけでなく動画も対象であること。
数秒の動画でも情報漏洩になること。
友人グループ内でも外部流出の可能性があること。
社員証、PC画面、資料、ホワイトボードは映してはいけないこと。
他人の顔や名前、チャット画面を勝手に載せないこと。
位置情報や勤務先が分かる背景にも注意すること。
社名を出していなくても、映り込みで特定されること。
特に動画系アプリでは、「撮影している本人が気づいていない背景情報」が問題になります。
若手社員は、悪意を持って漏洩するのではなく、何が漏洩にあたるかを知らないまま投稿することがあります。
だからこそ、採用前の見極めと入社後の教育はセットで考える必要があります。
Setlogを使っている候補者は危険なのか
ここで誤解してはいけないのは、Setlogを使っている候補者が危険だという話ではありません。
新しいSNSを使っていること自体は、何の問題でもありません。
むしろ、若い世代の文化やコミュニケーションに敏感であることは、職種によってはプラスに働く場合もあります。
マーケティング、広報、採用、SNS運用、若年層向けサービスなどでは、新しいアプリに触れていることが強みになることもあります。
問題は、使っているアプリではありません。
使い方です。
撮ってはいけないものを撮っていないか。
他人の情報を勝手に載せていないか。
会社や学校、アルバイト先の内部情報を軽く扱っていないか。
公開範囲を理解しているか。
投稿が保存・転送される可能性を理解しているか。
採用前調査で見るべきなのは、アプリ利用の有無ではなく、情報管理の感覚です。
バックグラウンドチェックで確認できること
KCCでは、採用前調査やバックグラウンドチェックにおいて、候補者の自己申告だけでは見えにくいリスクを確認しています。
SNS調査では、公開情報を中心に、候補者の発信傾向や情報管理意識を確認します。
たとえば、
過去にアルバイト先の内部情報を投稿していないか。
学校や職場の資料を軽く扱っていないか。
他人の個人情報や顔写真を無断で出していないか。
攻撃的な発言や炎上リスクの高い投稿がないか。
副業アカウントなどで会社の信用を利用していないか。
動画や写真で機密情報を映り込ませていないか。
Setlogのような新しいSNSが出てきても、本質は変わりません。
見るべきなのは、候補者がどのアプリを使っているかではなく、情報をどのように扱っているかです。
まとめ|新しいSNSを知らないことが、採用リスクになる
Setlogは、友人同士で短い動画を撮影し、1日の記録を作る新しいSNSとして注目されています。韓国を中心に若年層へ広がり、日本でも紹介され始めているアプリです。
このようなアプリそのものが危険なのではありません。
しかし、企業が知らないSNSほど、採用前調査や社内教育から漏れやすくなります。
人事担当者が知らない。
管理職が知らない。
社内ルールに書かれていない。
だから、若手社員もリスクとして認識しない。
この状態が危険です。
Setlogのようなリアルタイム動画共有アプリでは、本人が意図していなくても、会社の情報が映り込む可能性があります。
企業が見るべきなのは、候補者がSetlogを使っているかどうかではありません。
その人が、撮ってよいものと撮ってはいけないものを判断できるか。
友人だけの投稿でも、外へ出る可能性を理解しているか。
会社や顧客の情報を守れるか。
ここです。
新しいSNSが出るたびに、採用リスクの形も変わります。
採用前調査では、InstagramやXだけではなく、若い世代が実際に使っているアプリや投稿文化を理解することが重要です。
新卒採用・若手採用において、SNSリテラシーや情報管理意識に不安がある企業様は、採用ポジションや業務内容に応じた採用前調査をご相談ください。
Q1. Setlogとはどんなアプリですか?
Setlogは、友人同士で短い動画を撮影し、日常の記録を共有するSNSアプリです。数秒程度の動画を積み重ねて、1日のVlogのように残せる点が特徴です。若年層を中心に使われる可能性があり、企業の採用担当者が把握していないこともあります。
Q2. Setlogは採用において危険なアプリですか?
Setlogそのものが危険というわけではありません。問題は、短い動画の中に社員証、PC画面、会議資料、ホワイトボード、顧客名、社内チャットなどが意図せず映り込む可能性があることです。企業が見るべきなのはアプリ名ではなく、候補者の情報管理意識です。
Q3. SetlogとBeRealの違いは何ですか?
BeRealは通知されたタイミングで写真を撮影するSNSとして知られています。一方、Setlogは短い動画を記録・共有する点が特徴です。写真より動画の方が周辺情報が映り込みやすく、企業情報や個人情報の漏洩リスクにつながる可能性があります。
Q4. 採用担当者がSetlogを知っておくべき理由は何ですか?
若手候補者や新卒社員が使うSNSは常に変化しています。採用担当者が知らないアプリほど、社内研修やSNSルールの対象から漏れやすくなります。その結果、社員本人もリスクを理解しないまま会社情報を投稿してしまう可能性があります。
Q5. Setlogで想定される情報漏洩リスクは何ですか?
Setlogのような短尺動画では、社員証、社内資料、PC画面、会議室のホワイトボード、シフト表、顧客名、未公開商品情報などが映り込む可能性があります。本人は日常の記録のつもりでも、企業側から見ると機密情報や個人情報の漏洩になる場合があります。
Q6. 「友達だけに見せる投稿」なら問題ありませんか?
友達だけに見せる投稿でも、安全とは限りません。スクリーン録画、保存、転送、別SNSへの転載などによって外部に広がる可能性があります。「グループ内だけ」「一瞬だけ」「後で消えると思った」という認識では、企業情報の管理としては不十分です。
Q7. 採用前調査でSetlogを見る目的は何ですか?
目的は、候補者の私生活を監視することではありません。公開情報や本人同意を前提に、職務に関係する情報管理リスクを確認することです。アルバイト先や学校、職場の内部情報を軽く扱っていないか、他人の顔や個人情報を無断で投稿していないかを見ます。
Q8. Setlogを使っている候補者は採用しない方がよいですか?
Setlogを使っていること自体を理由に不採用にするべきではありません。新しいSNSに触れていることは、マーケティングや広報、若年層向けサービスでは強みになることもあります。重要なのは、撮ってよいものと撮ってはいけないものを判断できるかです。
Q9. 若手社員へのSNS教育では何を伝えるべきですか?
写真だけでなく動画も情報漏洩の対象になること、数秒の映り込みでも問題になること、社員証・PC画面・資料・ホワイトボード・社内チャットを映してはいけないことを具体的に伝える必要があります。アプリ名ではなく、情報管理の基本を教えることが重要です。
Q10. Setlog時代の採用前SNS調査で最も重要な視点は何ですか?
最も重要なのは、候補者がどのSNSを使っているかではなく、情報をどう扱っているかです。新しいアプリが出るたびに名前を追うだけでは不十分です。会社や顧客の情報を守れるか、他人の個人情報を軽く扱わないか、公開範囲や拡散リスクを理解しているかを見る必要があります。

