涙の帰阪──父と電車と、変わった自分。|自己紹介シリーズ⑨【世界からベッドへ】
…。

どうも、タカツダです。
今回は、涙の帰阪──父と再会した日のことを書きました。どうぞ。
休学の手続きが終わり、気づいたときには、関空行きの飛行機に乗っていた。
もう、自分では何も決められなかった。
光と音がつらくて、サングラスとノイキャンを装備。
YouTubeでダウンロードしておいたマインドフルネスの音声を再生しながら、動悸をなだめる。
なんとか耐えた。ただ、それだけだった。
着陸の瞬間、「あ、やばいやばいやばい……」と心の中でつぶやく。
突然くる“あれ”は、理屈じゃ止まらない。
涙も、絶望感も、うつになった人にしかわからない"あれ"。
荷物を受け取り、到着ロビーへ。
父がいた。
その姿を見た瞬間、涙が堰を切ったようにあふれた。
なんで泣いてるのかは、自分でもわからなかった。
父は何も言わなかった。ただ、隣に立ってくれていた。
父の前でこんなふうに泣いたのは、小学生以来だったと思う。
きっと、父も戸惑っていたと思う。
でも、何も聞かずに、咎めもせずに、いてくれた。
その沈黙が、ありがたかった。
車で関空を出て、実家へ向かう。
南港の工場地帯──煙を上げる煙突、赤く点滅する塔。
まるで“ミッドガル”のような景色が、車窓にひろがっていた。
※ミッドガル=『ファイナルファンタジーVII』に登場する巨大な産業都市。
高層の富裕層都市と、その影に広がるスラムが分断された、煙とネオンの街。
「帰ってきた」というより、「どこか別の星に来た」みたいだった。
実家に着いて、そのままベッドへ倒れ込んだ。
何も話さず、ただ寝た。

手ブレのおかげでいい感じに。
翌朝、カーテンを開けると、窓の外を阪急電車が走っていた。
あのリズム、音、スピード。ずっと見てきたはずの風景。
でも、その瞬間また涙が出た。
「帰ってきた」はずだった。
でも、自分の居場所じゃない気がした。
電車は変わらず走っているのに、自分だけが取り残されたようだった。
音も人混みもまだ怖くて、電車にはまだ乗れない。
ただ、あの朝も、電車だけはいつも通りだった。
風景は何も変わっていないのに、自分だけが変わってしまった。
それが、ただただ悲しかった。
でも、まだ終わりじゃない。
次回は、ベッドの中で出会った“もうひとつの世界”の話。
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