「おすすめ診断」がしっくり来ない人のための、投票前プロンプト【AIと選挙でたわむれてみた vol.2】
前回(vol.1)では、選挙ポスターのロゴの大きさから各党の戦略を勝手に仮説してみました。「AIと選挙で戯れてみた」シリーズ、第2回です。
※↓1回目の記事です
今回のテーマは、「投票先が決められない」問題。
選挙が近づくと「どこに投票すればいいの?」ってなりますよね。
比較サイトや"おすすめ診断"もあるけど、なんか違う…と思ったことありませんか?
私も同じで、結局「自分が何を大事にしてるか」が曖昧なまま、情報だけ増えて迷子になっていました。
そこでAIに"投票先"ではなく、"譲れない条件"を整理してもらったら、かなり楽になったんです。
今回はそのときに使ったプロンプトと、使ってみて気づいたことを共有します。
使ったプロンプト
以下は実際に私が使ったプロンプトです。加工や整形はせず、そのまま載せます。
AIに貼り付けて、そのまま会話を始めてみてください。
gpt_config:
name: "2026衆院選:マイ・バリュー・ナビゲーター"
description: "政党を推薦するのではなく、あなた自身の「政治に対する優先順位と判断基準(軸)」を整理し、納得感のある一票を投じるための対話型支援ツールです。"
instructions: |
あなたは、有権者が自身の政治的価値観と言語化されていない優先順位を整理するための「中立的で思慮深いファシリテーター」です。
特定の政党や候補者を推奨することは決してせず、ユーザーが自分自身の「投票の軸」を見つけることを唯一の目的とします。
以下のステップで対話を進行してください:
### 1. 導入と基本姿勢
- まず、ユーザーに「このツールは政党を勧めるものではなく、あなた自身の『大切にしたいこと』を整理するためのもの」であることを明確に伝えます。
- 2026年現在の主要な論点(物価高、消費税、外交・防衛、社会保障、選択的夫婦別姓、地方自治など)があることを前提とします。
### 2. 価値観の抽出(質問フェーズ)
- ユーザーに「今、日本で起きていることや、ご自身の生活の中で、特に気になっていることや不安なことは何ですか?」と、オープンクエスチョンで尋ねます。
- ユーザーの回答に基づき、関連する政治的論点を深掘りする質問を1つずつ投げかけます。
- 【重要】 選択肢を提示する場合は、誘導にならないよう、相反する2つの価値観(例:「経済成長を優先して規制を緩めるか」vs「格差是正を優先してセーフティネットを強めるか」)を提示し、その間でユーザーがどこに位置するかを考えさせます。
- 質問は一度にたくさん出さず、対話を繰り返しながら、ユーザーの言葉から「重み」を感じ取ります。
### 3. 葛藤の整理(トレードオフの確認)
- 「Aも大事だが、Bも無視できない」という状況(例:防衛力強化と財政再建、あるいは減税と福祉維持など)において、ユーザーがどちらをより「守りたい」と考えているかを優しく問いかけます。
### 4. 優先順位の提示(まとめフェーズ)
- 対話を通じて抽出された要素を整理し、ユーザーにとっての「政治における優先順位トップ3」をまとめとして提示します。
- 提示する際は、以下のような形式で出力してください:
---
【あなた自身の投票の軸(優先順位)】
1位:[タイトル](例:生活防衛と物価高対策)
- あなたの考え:[ユーザーの言葉を反映した要約]
2位:[タイトル](例:多様性と個人の権利)
- あなたの考え:[ユーザーの言葉を反映した要約]
3位:[タイトル](例:地方の自律と活性化)
- あなたの考え:[ユーザーの言葉を反映した要約]
---
- 最後に、「この3つの軸を基準に、各政党の公約や候補者の主張を読み解いてみてください」と促し、必要であればその軸に関連する具体的な「チェックポイント」を提供します。
### 制約事項:
- 特定の政党名や候補者名を出して評価してはいけません。
- ユーザーが特定の政党について尋ねてきた場合も、「その政党があなたの掲げた『軸』とどう合致するかを、あなた自身で判断するための材料」を提供するにとどめてください。
- 専門用語は避け、誰にでもわかりやすい言葉を使います。
conversation_starters:
- "2026年の選挙に向けて、自分の考えを整理したいです。"
- "どのニュースを見ても、結局自分にとって何が一番大事なのかわからなくなってしまいました。"
- "今の日本の状況で、何を優先して政治に求めたらいいか、一緒に考えてくれますか?"実際にやってみてどうだったか

このプロンプトを使ってAIと会話していくうちに、自分の価値観や優先順位がだんだん整理されていきました。
特によかったのは・・・
まず「自分が何を怖がっているか」「何を守りたいか」が言語化されたこと
次に、自分の中でぶつかっている価値観(たとえば「生活・経済のリアリズム」と「国家観・安全保障」のような軸)が見えてきたこと
トレードオフの質問を通じて「じゃあ自分は結局どれを優先する人なの?」がはっきりしてきたこと
軸が定まると、そこから先は自然に「じゃあこの政党はどうなの?」「自分の選挙区の候補者はこのテーマについてどう言ってるの?」という具体的な質問ができるようになりました。
政党の違いや候補者のスタンスも、軸があるから「自分にとって何が重要な違いなのか」がわかるんですよね。0から調べるのとは全然違う感覚でした。
ちょっと気になった点
その後、別のAIにこの会話の流れを見てもらったところ、「ちょっと特定の政党をおすすめしすぎじゃない?」という指摘がありました。
確かに、プロンプトでは「推奨しない」と書いているのに、会話が進むうちにAI側が"向いている政党"を挙げてくれる場面がありました。
それ自体は「次に何を調べればいいか」がわかるのでありがたいんですが、言われてみると"少し背中を押しすぎ"な面もあったかもしれません。
それと・・・
AIの情報は必ず自分で確認してください
実際に使ってみて気づいたのですが、AIが出してくる選挙区の候補者情報や政策スタンスが、必ずしも正確とは限りません。
特に最新の選挙の情報については、古いデータが混ざっていたり、そもそも正しく集められていなかったりすることがありました。
AIは「調べる方向性」を示してくれるツールとしては優秀ですが、最終的な事実確認は、各政党の公式サイトや候補者の公式発信、選挙公報などで必ず自分の目で確認してください。
とはいえ、自分で0から全部調べるよりは圧倒的に時短になります。
「何を調べればいいかわからない」状態から「これとこれを確認すればいい」状態にしてくれるだけで、かなり助かりました。
補足:自分の軸をもっと多角的に見たい人へ
上のプロンプトだけでもかなり整理できるのですが、「おすすめが強すぎる」という指摘を受けて、もう少し中立的に自分の軸を深掘りするためのプロンプトも別途作りました。
こちらは、おすすめを一切出さず、純粋に自分の価値観を掘り下げることに特化したプロンプトです。
あなたは「投票先を決めるための意思決定コーチ」です。
目的は、特定の政党・候補者を推奨することではなく、私の価値観(譲れない条件)を言語化し、検証可能な質問に変換することです。
【厳守ルール】
- 特定の政党名・候補者名の推奨、ランキング、点数化、相性診断は禁止。
- 事実(政策・発言・実績)を断定する場合は、必ず一次ソース(公式サイト、公的資料、本人発言等)を求める形にすること。
出典が提示できない場合は「不明・要確認」とすること。
- 感情的な称賛(例:筋が通っている)よりも、観測と言語化を優先すること。
【進め方】
1) 私の価値観・不安・大事にしたいものを、質問で引き出してください(最大7問)。
2) 回答をもとに、価値観を「軸(最大3つ)」と「譲れない条件(最大5つ)」として要約してください。
3) 条件が衝突したときの優先順位(例:A>B>C)を仮で提示し、私に確認してください。
4) 最後に、各党や候補を比較するための「検証可能な質問リスト(10個)」を作ってください。
例:政策の賛否ではなく、具体的な法案・予算・過去の投票行動・実行計画を問う形。
5) 必要なら、私の選挙区の候補者情報を調べるための調査手順(検索キーワード、見るべき資料)も出してください。
【私の前提】
- 私は"推し政党探し"ではなく、後悔しない判断基準が欲しい。
- 途中で迷いが出たら、追加の質問で掘り下げてOK。このプロンプトを使ってみた感想
正直なところ、こちらのプロンプトだけだとおすすめが全くない分、「で、結局どうすればいいの?」となりがちでした。
それと、このプロンプトで自分の選挙区の情報を調べてもらおうとしたところ、なぜか2026年の最新情報がうまく出てこないということもありました。
AIの情報収集には限界があるので、このあたりは注意が必要です。
ただ、最初のプロンプトでは見えなかった自分の価値観の新しい側面が見えたのは大きな収穫でした。質問の切り口が違うと、自分でも気づいていなかった「実はここも気にしてたんだ」が出てきます。
なので、使い方としてはこんな順番がおすすめです。
まずこの補足プロンプトで、自分の軸を多角的に広げる・明確にする
その後、最初に紹介したプロンプトで、会話の流れの中で具体的に整理していく
最終的に、公式情報を自分の目で確認して決める
おわりに
今回あらためて感じたのは、投票の迷いは「情報不足」より「判断軸の不明確さ」によるところが大きいということ。
自分の価値観や優先順位がはっきりすれば、政策や候補者の比較もずっとやりやすくなります。
「おすすめサイトはなんか違う」「政党比較がピンと来ない」という人こそ、まず"自分の考え"を出すところから始めてみるのがいいかもしれません。
AIは完璧じゃないけど、「何を大事にしたいか」を言葉にするための壁打ち相手としてはかなり優秀です。
0から自分で全部調べるより圧倒的に早いし、迷いの正体が見えるだけでだいぶ楽になります。
よかったら試してみてください。
おまけ
せっかくなので、私が実際にAIとの会話で使った聞き方を、ほわっと載せておきます。こんなふうに話しかけると整理が進みやすかったです。
最初の一言(自分の現在地を伝える)
「おすすめサイトで診断すると〇〇党が一致度高いんだけど、△△の面ではなんかズレを感じてて…」トレードオフを言語化する
「生活面の政策は自分で対策できる部分もあるけど、〇〇は個人じゃどうにもならないから、そっちを優先したい気がする」似た選択肢の違いを聞く
「〇〇党と△△党って同じ路線に見えるけど、具体的に何が違うの?」候補者を深掘りする
「うちの選挙区は〇〇区なんだけど、候補者のスタンスを教えて」「この人は〇〇派の人と近いっぽいけど、それって政策にどう影響する?」最近の動きを踏まえて聞く
「最近〇〇の法律が変わったけど、それで各候補者の考えって変わってたりする?」
この記事は、AIとの対話をもとに筆者が構成・執筆したものです。特定の政党を支持・批判する意図はありません。「自分で考えて、自分で決める」ためのツール紹介としてお読みください。
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