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WRY25-26(タカシワタナベ・ラーメン・オブ・イヤー)新店編


WRYとは

WRY(タカシワタナベ・ラーメンオブ・ザ・イヤー)はTRY(東京ラーメンオブ・ザ・イヤー)の(ズバリ)パクリであり、選考基準や対象店はゆるく設定し、今シーズン、特に印象に残った店を心の中で表彰する妄想メディアである。

WRY選考レギュレーション

【全体】
・エリアもTRYに準拠し、東京、千葉、埼玉、神奈川とする
・2024年7月~2025年6月末までに実際に食べたものだけが対象とする
・味の他ホスピタリティや活躍度も含むのが本家の基準だが、 こちらはあくまで個人的に印象に残ったお店を印象順に順位付ける。

【新店部門】
・ジャンル分けをする必要がないと思っているのでしていない。
・新店も上記期間内に開店したお店を対象とするが、  ある程度話題のお店は食べたが、くまなく食べておらず食べてないお店は当然入れることはない。
・偏ってます。
・TRY結果の予想ではない。

【名店部門】

・総合力を競う大賞は置かず、ジャンルごとの順位のみとした。

・殿堂や取材拒否などの要素は一切考慮しない。

・ジャンル分けは簡素にした。  

「醤油」「塩」「豚骨ラーメン」「つけ麺」「その他」を基本として、 「その他エリア(地方)」と個人賞のみとする。 ・清湯と白湯は分けず取り扱う。
・偏ってます。
・TRY結果の予想ではない。

ランキングや点数というのもに普段あまり重きを置かないが、
TRYというオーソリティに関する私見は以下のリンクを参照にしてもらいたい。
オーソリティに対する私見

WRY新店部門

【総論】
昨年のWRY新店部門は、花萌葱、キッチンきらく、永明中華そば、いりこやなど、既存店の別ブランドや新たな挑戦といったお店が強かった。新人とは思えぬ完成度で安心して楽しめたが、フレッシュ感には欠けていたとも言える。しかし今年は、粒ぞろいの純粋な新店が揃った

また、ここ数年、既存店を中心に(スープの)「うす濁り」の流れが生まれていた。その流れを受けてか、豚骨魚介や大勝軒、べんてんなどを志向するお店が新店で出てきたのが大きな特徴だ。以前のブームから20年、隆盛から飽和を経て「またおま」と揶揄されるようになって久しい。それが今、新鮮に映るようになったという見方もできる。一方で、大勝軒やべんてんのような伝統的な手法が色褪せずに新世代を切り開き続けていることが下地となった気がしている。

「今年、濁りが流行って」という論調も見かけるが、薄っぺらい評論だ。時代の流れをきっちりと捉えたい。ここしばらくのTRYを見ても、いわゆる清湯が名店・新店ともに受賞する傾向が強く、偏りが感じられた。しかし23–24の新人王、船越の強さとその後の人気を見ても、潜在的にマーケットが求めていたとも言える。

新店大賞

ノミネートした新店は、以下の10店。ぶたまるき、らーめん3000、花筏、らぁ麺旭、なんぞ、瑞藤、MOJO HAND、みのひ、麺屋青、がんこ金町店(順不同) 

1位

らーめん3000(駒込)

らーめん3000の塩らーめん

選出理由:総論で示した通り、ここ数年の極端な清湯傾向が、ラーメンのコアな魅力を削っていくように感じた人たちにとって、混濁としたスープは魅力的に映ったに違いない。あ、これだよ、これ!、というじわじわと湧き上がる興奮、それを今年最も感じたのはこの店だった。醤油、塩ともによかったが、より多層的な塩のほうがわずかに好み。店の造作に至るまで「完成」を演出するお店も近年多いが、逆に「未完成」の魅力があるこの店こそ新店大賞に相応しい。

2位

ぶたまるき(渋沢)

ぶたまるきの黒らーめん

選出理由:修行先の“本当の”なんつッ亭の味をなんつッ亭創業の地で。そんなロマンのある話もそうあるわけではないが、そんな話を置いておいたとしても味一本で勝負できる新しい豚骨ラーメン店の誕生は喜ばしい。豚骨ラーメンは大衆性を獲得していく過程の中で洗練の道を歩みやすい。それもまた良いが、ラーメンの漲る力と洗練さが両輪として回るお店がもっとあってもいい。それが不断の手間によって成り立っているとしてもそれに期待してしまう自分がいる。

3位

らぁ麺旭

らぁ麺旭の醤油らぁ麺

選出理由:やまぐちで長く修行経験のある店主。あえてその味ではなく、オリジナルの味を志した点、実家のクリーニング店をリノベーションして地元にその味を還元しようとした点、そして、その味がどことなく杉並中華そばを想起させるものである点が響いた。正直書くと、いきなりこの構成のラーメンを目指して大丈夫かと思ったが、失礼な言い方だが思いの外仕上がっていた。荒削で、今後の伸びしろに魅力がある、という新店の条件にぴたりとハマる。限定ラーメンも出しているようだが、らぁ麺を定期的に食べ続けていたいお店だ。

4位

ラーメン専門店 なんぞ

なんぞの旨塩ソバ

選出理由:Tomboの弟子で、この系譜の味を再現しているという意味で、好みのストライクをいく。最近の効率性を重視したお店と比べると、良い意味でのレイジー(のんびり)さと緊張感があって、並ぶときは時間を要することを考慮したほうがいい。個人的に自宅がそう遠くないこともあり、ほどよく満席くらいの状態でまわっていてくれれば最高だ。当然だが、オープンのときより格段によくなっていて、これからがますます楽しみだ。

5位

麺屋青

麺屋青のラーメン

選出理由:総論でも書いたように、大勝軒、べんてんをトレースし、志したお店がいくつか開業した。豚骨魚介、というジャンルにも分けられることもできるが、どちらかというとべんてんやその弟子のとしおかの永続的な魅力とパワーに惹かれたお店と限定的に語ってもいいように思う。そういう意味でどの店も自家製麺ではないのはやや物足りなく感じるが、その中ではこのお店の味が光っていた。好みの問題だろう。そのべんてん、としおかに従って塩ラーメンを食べる人も多いが、あの頂きをみてしまうと比べてしまうので、醤油ラーメンから食べるべきだと思う。そのほうが店の真意が伝わってくる。

特別賞 MOJO HAND(西多摩郡日の出町)

mojo hand jikaseimenの中華そば

選出理由:鯉谷さんのお店を新人として取り扱うことに抵抗があったので特別賞とした。あえて、黄金のメソッドである地雷源やEL DORADOの方向性ではなく、ラーメン店として2000年頃から20年同じ時を過ごした戦友の豚骨魚介の味であることにグッとくる。その中でも、商売を大きく広げず、自身の味を守り続ける職人的で実直さを感じる、こうかいぼう(2001年)や吉左右(2006年)などお店を愛する人なら迷わず行くべきだ。ラーメンの本質に触れられる。

地雷源のアーカイブはこちら

今年も世間や雑誌との乖離はあるだろうが、ラーメンの世界に「これが正解(評価すべき)」という論調は最も似つかわしくない。どっちが上か、や、どちらが人気があるか、よりは、どちらが長く愛せるのか、という個人的な印象が浮き上がってくるべき時代に来ている。

名店大賞へと続く。

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