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「プライバシー権の答案が抽象論になる人へ」|住基ネット事件・マイナンバー事件に学ぶ事実評価 

プライバシー権に関する重要判例である住基ネット事件、マイナンバー事件の解説記事を、法スタに寄稿しています。
※令和8年司法試験直前対策と銘打っていますが、メインは判例解説です。

プライバシー権が出題された場合、抽象論に終始する答案が続出しますがこれでは得点は伸びません。

単 に「憲法第13条はプライバシー権を保障している」といった論述にとどまる答案・・・も相当数見受けられた。

平成28年司法試験の採点実感等に関する意見(公法系科目第1問)


プライバシー権が問題となる事案についての答案を添削していると上記採点実感がいう単 に「憲法第13条はプライバシー権を保障している」といった論述にとどまる答案が続出します。

また、「プライバシー権は重要である」とか「ビッグデータ云々」とか、「近年の高度情報社会では云々」といった抽象論に終始し、問題文中の重要 な事実を指摘できず、淡白な記述にとどまっている答案も相当数あります。

たしかに、「憲法第13条はプライバシー権を保障している」、「プライバシー権は重要である」、「ビッグデータ」、「高度情報社会」というワード自体は間違いではないですし、抽象論も大切です。

しかし、抽象論を長々と書いているわりには、具体的事実についての検討が乏しいという答案は評価されません。

そういった答案は、出題趣旨・採点実感において度々指摘されている
「平板で浅い論述に終始する答案」(令和3年憲法採点実感)、
「具体的な合憲性の判断が極めて簡潔であり、問題文中に記載されている事実に照らした検討が十分でない答案」(令和3年憲法採点実感)、
「判断基準に関する争いのみに終始して事足れりとし、与えられた事例に即した個別的・具体的検討ができていない答案」(平成24年度司法試験憲法)、
であると判断されてしまいます。

住基ネット事件(最判平成20年3月6日判決)やマイナンバー事件(最判令和5年3月9日判決)のように行政機関による情報管理が主として問題になる場合

・どのような情報が問題になっているのか
・その情報の秘匿性はどの程度か
・どのような行政目的なのか
・利用範囲は法令上限定されているのか
・目的外利用や情報漏えいを防止する制度はあるのか
・罰則や監視機関(第三者委員会等)は設けられているのか
・システム技術上の安全措置はあるのか
・一元管理なのか、分散管理なのか
・データマッチングの具体的危険はあるのか

といった事実・事情を拾って、合憲性を判断する必要があります。

住基ネット事件(最判平成20年3月6日判決)やマイナンバー事件(最判令和5年3月9日判決)において最高裁が、どのような事実を拾い、どのような論理を展開したのかを理解することは答案の質を上げるためにとても重要になります。

抽象的な答案から、問題文の具体的事情を拾って合憲性を判断する答案へ移行したい方には、かなり役立つ内容になっていると思います。


答案添削の雰囲気を知りたい方は、法スタで無料公開中の添削・解説記事をまとめた以下の記事もご覧ください。

また、答案添削・個別指導のご依頼については、以下の記事にまとめています。


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