「休めるかも!」あのワクワク感よ永遠に。
ここ数年のコロナ禍で、体温を確認される機会が多くなりました。そして非接触型の体温計が普及しましたね。実はその間に水銀の体温計の製造が禁止になっていました。「水銀による環境汚染の防止に関する法律」によって2021年1月1日以降の製造が禁止だということです。
「電子体温計を使うときでも、つい振ってしまう」
そうなんです。昭和世代には身についてしまった水銀体温計の記憶……。
ちょっと具合が悪い朝、「もうちょっと水銀柱があがれば、学校休めるかも!」と期待してしまったことはありませんか。体温計をコンコンと指ではじいて、無理やり水銀を移動させズルをした方もいるのでは。
「てるてるあした(加納朋子)幻冬舎文庫」に「水銀柱がみるみる上がっていくのが、怖いようなちょっと楽しいような気がする。」という表現を見つけました。この部分も今の小学生には「何それ?」になってしまうんですね。

ということで今回は、中学入試問題頻出作家さんの作品から見つけた「手当て・薬に関することば」で【小学生が「何それ?」って思うことば】を紹介しますね。
まずは「天の瞳 少年編Ⅰ(灰谷健次郎)」より
「じゃ、水だ。水で冷やそう」「『医者いらず』がいい」倫太郎がいった。「なんじゃ、そりゃ?」「学校の裏にアロエ」がある」
「医者いらず」です。アロエ科アロエ属の多肉植物アロエは、「医者いらず」と呼ばれます。アロエに含まれる成分が炎症を抑え、回復を早めるのを助けるそうです。茎を折って中から出てくる液体を擦り傷や火傷の患部に塗ります。
子どもの頃、我が家を含め、ご近所さんの玄関先には、だいたいアロエの鉢がありました。懐かしい……。

続きまして、麻布中・西大和学園中など多くの中学入試出題歴のある「四十一番の少年(井上ひさし)」より
薬九層倍なんていうけど、この商売、どれだけ儲けが薄いか母さんだって知っているはずだよ。
「薬九層倍」です。薬の売値が原価の九倍高いということから、暴利をむさぼるという意味で用いられることば。実際に九倍ということではなく「薬」の「く」と「九」の音をそろえた語呂合わせです。
同じような用いられ方をする「花八層倍」・「魚三層倍」・「呉服五層倍」なんてことばもあります。
それではその他【小学生が「何それ?」って思うことば】第40回「手当て・薬に関することば」を紹介させてください。
ヨードチンキ
外用殺菌刺激剤で赤褐色の液体。薄めたものが傷口の消毒に用いられる。
色は似ていますが、ヨードチンキと赤チンは成分が異なり、赤チンのほうがあの傷口に染みる刺激が小さいです。赤チンも上記の「水銀による環境汚染の防止に関する法律」によって国内の製造が規制されました。
「赤チン塗っても治らない。黒チン塗ったら毛が生えた」こんな替え歌もありましたよ。ご存じでしょうか。(もとは「レインボーマン」という特撮ヒーローの歌です)子どもの頃は、こんな歌詞を声高らかに歌ってたんですね……。(これとガッチャマンの替え歌が懐かしいです)

オブラートに包む
オブラートはでんぷん等で作った薄い膜で、苦い粉薬を包んで飲むときに使用。そこから相手を刺激する表現を避け、やわらかい言い方に換えることを表す。
苦い薬がカプセルに入るようになり、オブラートに包むことがなくなっていったようです。今は服薬用のゼリーもありますもんね。
オブラートといえば私は「ボンタン飴」を思い浮かべます。「ボンタン飴」は「きみの友だち(重松清)」にも登場しますよ。

熊の胆
クマの胆のうを乾燥させて造られる薬のこと。健胃剤で苦い。
検索すると「ゆうたんえん」という薬が出てきます。クマの絵のパッケージです。
氷嚢(ひょうのう)
氷や水を入れて患部を冷やすために用いるゴム製などの袋。

子どもの頃、風邪を引いたりすると、父は私に
「みかん食って太陽に向かって走れ。ほんなら治るわ!」
って言ってました。当時は「なんやそれ」と思っていましたが、テレビで明石家さんまさんが全く同じことを言ってるのを聞いて笑いました。なんか科学的根拠もあるようですが。(ちなみにさんまさんの実家は近所で、私は同じ中学校出身です)
進学塾に勤務していた頃、「冷えピタ」をおでこに貼って頑張っている小学生がいましたよ。その姿には、こちらもエネルギーをもらいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
子どもたちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。
次回は「体力に関することば」を書こうと思います。「グロッキー」「電池切れ」などなど…。
よろしければ前回の記事です。「ヘアスタイルに関することば」をどうぞ!
