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営業改革の本質 #191

営業改革の本質は、「売れる構造」を再設計できるかどうかにあります。

多くの企業が営業改革に失敗する理由は、営業を「個人能力」の問題として扱いがちだからです。

しかし、本来の営業力とは、属人的スキルではなく、「戦略・仕組み・再現性」の総和です。特に今、日本企業が断ち切るべきなのは、

「とにかく訪問する」
「足で稼ぐ」
「経験者が感覚で教える」
「売れる人を真似る」

という「過去の営業」です。

これから必要なのは、「勝ちパターンを設計する営業」です。

過去を断ち切る営業改革

営業力とは何か?
営業力は、単なる「販売スキル」ではありません。営業力とは、

営業力 = 商品力 × 販売力

です。

そして、多くの企業は「販売力」ばかりを鍛えようとします。しかし、本当に重要なのは、その前段階にある「商品力」です。

なぜなら、商品力とは、会社の事業戦略そのものだからです。

営業改革の出発点は「事業戦略」である

営業改革を語る前に、まず整理すべきは、

「誰に、何を、どのように提供するのか」

です。

これは、デレク・F・エーベル の「エーベルの3次元」で整理できます。

エーベルの3次元
・誰に(顧客)
・何を(価値)
・どのように(提供方法)

これは、僕がドメイン理論やビジネスモデルの一部として定義しているものと同じです。

営業改革とは、実は「売り方改革」ではありません。本質は、

「焦点」を変えること

です。

つまり、

・どの顧客に集中するのか
・何を価値として再定義するのか
・どの提供方法で差別化するのか

を再設計することです。

そして、差別化とは、営業の「焦点」をずらすことです。

営業成果は「量×質」で決まる

営業成果は、次の式で整理できます。

営業成果 = 量(効率性) × 質(有効性)

ここを分解すると、営業改革の本質が見えてきます。

実営業時間を増やせ

営業担当者は、意外なほど「営業」していません。資料作成、社内調整、報告、移動、会議。
営業組織には、膨大な「非営業時間」が存在します。

重要なのは、「どれだけ働いたか」ではなく、「どれだけ顧客と向き合ったか」です。

さらに重要なのは、実営業時間が、「成果につながる活動」になっているかです。

単なる訪問数ではありません。
成果につながる顧客接点を増やせるかが重要です。

営業戦略は「集中」である

営業は、「全方位戦」になるほど負けます。
重要なのは、

「有効性」の高い顧客へ集中すること

です。

ここで重要になるのが、80:20の法則です。売上の多くは、一部の顧客から生まれます。

しかし、本当に重要なのは、「現在の上位顧客」と「将来の深耕顧客」を分けて考えることです。

つまり、今の売上だけを見るのではなく、

・将来伸びるか
・関係深化余地があるか
・自社戦略と整合するか

まで見る必要があります。

そして、顧客分類は固定してはいけません。

3か月に1回、顧客分類を見直す

これが重要です。

市場は変化する
顧客も変化する

営業戦略も変化し続けなければなりません。

営業の価値は「情報」である

営業担当者が持参すべき“お土産”は何か。それは、パンフレットではありません。「情報」です。

しかも重要なのは、「顕在ニーズ」ではなく、「潜在ニーズ」です。

顧客自身が気づいていない課題を発見できる営業だけが、価格競争から抜け出せます。

つまり営業とは、「御用聞き」ではなく、「顧客の未来を先回りする行為」なのです。

提案力とは「バイイングポイント」を捉えること

営業が失敗する理由の多くは、「売りたいこと」を話しているからです。

しかし、顧客が知りたいのは、

「なぜ買うべきか」

です。

つまり重要なのは、「セリングポイント(売り手視点)」ではなく、「バイイングポイント(買い手視点)」です。

提案力とは、

的を得た企画

です。

だから、事例営業が重要になります。顧客は「商品説明」では動きません。「自分ごと化」できた時に初めて動きます。

営業の最終形は「顧客のファン」になること

営業のゴールは、受注ではありません。本当のゴールは、顧客の目的達成を、顧客と一緒に喜べる状態です。

ここまで行くと、営業は「売る人」ではなくなります。顧客から見れば、

・相談相手
・伴走者
・信頼できる外部パートナー

になります。

営業とは、「信頼構築業」です。

勝ちパターンを「再現可能」にせよ

多くの企業は、

・売れる営業が辞める
・ノウハウが属人化する
・育成が感覚論になる

という問題を抱えています。

だから必要なのは、

勝ちパターンの標準化

です。

営業改革とは、「偶然売れる」をやめることです。

CAPDで営業をマネジメントせよ

営業を「感覚」で管理してはいけません。

必要なのは、CAPDです。

C:Check(分析)
A:Action(戦略)
P:Plan(計画)
D:Do(実行)

① 受注シミュレーション

重要なのは、「必要売上」ではなく、「必要商談総量」です。

だから、「受注目標の140%程度の商談総量」を持つ必要があります。

営業は「確率論」だからです。

② アカウントプラン

アカウントプランとは、「この顧客をどう攻略するか」を構造化することです。

ここで重要なのは、

・意思決定者
・競合状況
・顧客課題
・関係性
・将来投資

などを可視化することです。

さらに、「標準フレームワーク化」が重要です。

強い営業組織は、「考え方」が共通化されています。

③ アクションプラン

営業は短期活動に流されやすい。

だから、

6か月
3か月
1か月
1週間

でマネジメントサイクルを回す必要があります。

重要なのは、「今週の行動」が、「半年後の受注」につながっているかです。

ナレッジマネジメントが組織を強くする

営業改革の最終段階は、成功と失敗を「組織知」に変えることです。

つまり、

・なぜ成功したのか
・なぜ失注したのか

を徹底的に言語化することです。

特に重要なのは、「失敗の一般化」です。

失注原因を、「個人の問題」ではなく、「組織が避けるべき行動」として標準化する。

これが組織学習です。

好調な時に、次へ投資せよ

営業組織は、好調時ほど危険です。なぜなら、
売れている時ほど、改革が止まるからです。

しかし、本当に強い企業は違います。

好調な時に、

・人材育成
・データ整備
・CRM
・提案ナレッジ
・顧客分析
・AI活用
・営業標準化

へ投資します。

つまり、「次の勝ちパターン」を作り始めます。

まとめ

営業改革とは、「営業を頑張らせること」ではありません。

本質は、「売れる構造」を作ることです。

属人的営業から、再現性のある営業へ
経験依存から、戦略連動型営業へ
根性論から、構造設計へ

過去を断ち切れない企業に、未来の営業は作れません。

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