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【四国横断紀③】Day1「剣山地」~剣山登山口・奥祖谷二重かずら橋・東祖谷落合集落を訪ねて~


前回記事「雨乞いの滝」からヨサクを一路西へ。次の休憩は、剣山の登山口あたりとしましょう。

ヨサク(酷道・国道439号線)

本記事の行程:下マップ右(東)から、
①ヨサク(国道439号線)→②剣山登山口(休憩=UFO)→③奥祖谷二重かずら橋→④東祖谷落合集落

剣山周辺マップ(Googleさん)


1 四国の地質(概況)


剣山つるぎさんは、標高1,955m。四国で2番目(西日本でも2番目)に高い山です。
一番は言わずと知れた石鎚山いしづちさん。標高1,982m。むろん西日本一です。

どうして西日本一、二の高峰が四国にできたのか。不思議です。調べてみましょう。

(「産総研 四国に残された日本列島5億年の歴史」より)
四国地方は、主に海洋プレートが大陸プレートに沈み込む環境(沈ん込み帯)で形成されており、世界でも非常にまれな複雑な地質の地域である。
特に、この沈み込み帯では、地下浅部で付加体が、地下深部では変成岩や深成岩が、さらに表層では浅海成層とマグマの噴出による火山岩が形成される。

「産総研 四国に残された日本列島5億年の歴史」より


模式断面図は簡略化されているので綺麗すぎて、その複雑さが伝わりません。←お前があほや。

リアルな「(四国の)世界でも非常にまれな複雑な地質」とは、いったいなんでしょう。


(四国地方整備局、国土地理院「四国地方の古地理に関する報告書」より)四国の地質を大きく区分する中央構造線は、長野県から熊本県まで日本列島の半分を東西に走る900㎞に及ぶ大断層帯です。
この断層は、現在も右ずれを続けている活断層でもあります。
このほかに、四国には中央構造線に平行した御荷鉾みかぶ構造線と仏像構造線があります。
御荷鉾構造線は中央構造線の南側に東西に走る断層で、三波川帯さんばがわたい(北側)と秩父帯(南側)とを分けています。
仏像構造線はそのさらに南側にこれもほぼ東西方向にのびる断層で、秩父帯(北側)と四万十帯しまんとたい(南側)を分けています。
この3つの構造線によって、四国の地層は、北から領家帯りょうけたい(内帯)・三波川帯・秩父帯・四万十帯の4種類に大別されています。

(四国地方整備局、国土地理院「四国地方の古地理に関する報告書」より)

上記のことから、これから行く先の山々(四国山地)が、プレートの沈み込みと大断層によってでき、とても複雑な地質になっている、ということがわかりました。←何もわかっておらんっしょ。

なお、この複雑な地質が、実は水はけのよい傾斜面をつくり、また伏流水を得て、四国の山地農業の発展要因らしいこと。本記事後半で、その姿を、平家落人伝説のある「東祖谷落合集落」に見てみたいと思います。

以上、長い前置きはこのくらいで切り上げます。


2 ヨサク酷道(ヘイヘイホー!)


剣山地の九十九折なヨサク
剣山国定公園の山々
はげ山ですが皆伐のあとは植林するのかな
ヨサクの真骨頂
対向車なし
この先ぞっとする九十九折(ナビ)

でもほんとうのことを言うと、この程度の狭小道は、紀伊山地に数あると思う。国道な酷道という意味では、ヨサクは珍しいのかもしれないが。


3 剣山登山口(リフト起点駅)


剣山つるぎさん登山口に到着しました。

剣山登山口

ここ登山口は1,420mです。剣山の標高は1,995mですから、比高は575m。あと少しでてっぺんという高さ。

森林の剣山エリアは、林野庁(四国森林管理局)の自然休養林に指定されており、また環境省が指定する国定公園にもなっているらしい。

そんなことから、この登山口には、環境省の「剣山自然情報センター」、単独民営の「剣山観光登山リフト見ノ越駅」が設置され、そのため駐車場も広い。ちなみにリフトは、1,750mの西島駅まで行ける。

今回、登山はしないが、駐車場は休憩にはもってこい。気持ちよい森林浴ができました。そこでUFO食べました。

剣山周辺マップ
「剣山自然情報センター」と「剣山観光登山リフト見ノ越駅」

(参考)剣山観光登山リフト
営業期間  4月中旬~11月末日
リフト料金 往復 大人 2,300円、小人 1,100円

冬季は、さすが閉館か

剣山周辺にはニホンカモシカがいるようで、実はヨサクのどこでだったかはっきりしないが、道路に飛び出してきた一頭の個体を見た。すぐ森に逃げたので、写真を撮るヒマはなかったです。残念。

豆知識:ニホンカモシカはシカではない。ウシ科の動物だという。そういうと、飛び出してきた個体も、小さかったが、ずんぐりむっくりだった。

剣山のいきもの(特別天然記念物二ホンカモシカの剥製は?)

せかっく剣山にきたのに山頂の様子を見ずじまいです。「剣」とはいいながら、山頂は尖がっているわけではなく、平原が広がっているのだとか。

そこでどんな地質なんだろう?と産総研の地質ナビを拡大してみました。
山頂付近の薄いレンズ状の、青いレンズが石灰岩、柿色がチャートのようです。いずれにしても海底の堆積物です。特に石灰岩は水に浸食されやすく、尖がった山頂として残らないのでしょう。

剣山山頂付近の地質(「産総研 地質ナビ」より)


4 奥祖谷二重かずら橋


祖谷いやのかずら橋は観光で有名です。行ったことありませんけど。

ここはそことは違う奥祖谷のかずら橋です。「二重」というのは橋が二つの意味だと思います。

ヨサクの途中にある「奥祖谷二重かずら橋」
「女橋」「男橋」の二橋があるみたい
入園料金 550円
祖谷川の瀬音
お、
(今回野猿は割愛しました)

(説明板より)
かずら橋は、祖谷いや13橋といわれ生活道として利用されていましたが現在、西祖谷山村善徳と共に2カ所だけが残っています。
奥祖谷かずら橋は、約800年前平家一族が讃岐志度の浦の戦に破れ(ママ)、祖谷の地に逃れた後、剣山平家の馬場で軍馬の調練に、また木挽こびきそま、猟師等に利用されたものです。
剣山信仰のため、香川県、海部郡、高知県香美市との交易に一般生活道としても利用されていました。

男橋(一つ目のかずら橋)

管理されている方が橋の修理をされていました(しっかりお願いやで)
かずらの芯は鋼ロープ(そりゃそうだろう)
祖谷川は一級河川吉野川水系(紀伊水道に流入)

女橋(二つ目のかずら橋)

踏板がない分、こっち(女橋)の方がこわい。女はこわい。

昔はかずら橋(吊り橋)って、山間部ではめずらしくなく、日本の山々の奥深い谷や川を渡るのに普通に利用されていたんだと思います。

かずら(サルナシ)以外の、たとえばフジ、シュロなんかも使われたようです。今ではそれはもう夢幻の世界です。


5 東祖谷落合集落


「平家伝説の里 東祖谷ひがしいや落合集落」に移動しました。「伝統的建造物群保存地区」のようです。

三好市東祖谷谷山村落合「落合集落展望台」の説明板(集落の正面の山より)

(説明板より)
落合は東祖谷のほぼ中央、祖谷川と落合川の合流地点より山の斜面に沿って広がる集落である。
集落の起源は明らかになっていないが、平家の落人伝説や開拓伝承などが祖谷地方に残っている。
南北朝時代には落合氏はじめ菅生氏、西山氏ほかが南朝方として戦ったことが確認され、中世には集落が形成されていたとみられる。

集落と耕作地が山を駆け上がる

「駆け上がる」
←不用意にこう表現したが、昔、ここでは山の高い土地の方が一等地。現代の価値観で平地の方が「佳き土地」であるという先入観から「駆け上がる」という表現を使ってしまった。が、ほんとうは違うのだ。開拓は、上から下へと行われたものと考えられる。

(説明板より)
近世に入ると煙草や馬鈴薯などの栽培が確認され、昭和40~50年頃まで葉煙草や各種麦、水陸稲の生産や養蚕を行う山村として維持されていた。

ゆるやかな傾斜は過去の地すべり痕跡か

(説明板より)
保存地区は東西約750m、南北850m、面積32.3haの範囲であり、地区内の高低差は約390mに及ぶ。(中略)

紀伊半島の吉野建とも、ちょっと違う、スケールがでっかい

(説明板より)
屋敷地は地区内全域に散在し、その周囲に耕作地が配されている。屋敷地や耕作地は等高線に沿った細長い形状で、石垣を積み、造られている。(以下略)

落合集落正面の山の斜面(展望台あり)にも屋敷地や耕作地が広がる
もっと深く見たい剣山地

「一般社団法人 忌部文化研究所 剣山系の農文化とは」をお借りして、傾斜地集落(農業)の説明とします。

「一般社団法人忌部文化研究所 剣山系の農文化とは」よりhttps://www.awainbe.jp/inbebunka/noubunka/


つづく


次回は、天空のRVパークで山全体を包み込む水蒸気(湿度99%)と巨大なゴーストに囲まれるという車中泊体験の記事になります。


2026.6.29
投稿 7.10




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