【四国横断紀②】Day1「水の国に雨乞の滝」~激しくその勢力を百倍し得るは水なり~
1 酷道・ヨサク(行程概要)

国道439号線は、四国山地を縫うように東西に縦貫する道路で、総延長347㎞ある。起点は徳島市本町交差点。
途中、剣山、京柱峠、仁淀川、杓子峠を経て、終点・四万十市に至る。「ヨサク(与作)」は国道439号線の愛称。
さてこのヨサク、剣山までの徳島県内の約80 km区間は、国道192号・438号と重複している。なので、道路標識に「439」はなく、上位道路(国道なら数字が若い方)のみが表示されている。
ヨサクの改良済区間を除く大部分は、対面通行不可能な隘路区間が多く、日本三大酷道のひとつに数えられている。(参考:ウキペディア)

一応この旅を「四国横断」と題したところ、ゆえにスタートはヨサク起点である徳島市本町交差点とする。そこから剣山までは国道438号線との重複区間である。

2 水の国・四国へ
14年ぶりに6月上陸台風となった台風6号は、6月27日まで活動した。同時に台風7号も日本南岸を通過した。これを見て6月29日、四国横断の旅に出発した。
これから行く四国山地、たとえば徳島県東祖谷では、26~30日までに96㎜の雨が記録されている。21~25日にも53㎜降っている。このことから徳島県の山間部では、おおよそ200㎜以上(累計)の雨が降り続いていたと推定できる。
旅立ちの日、雨が止んだとはいえ、否むしろ直後だからこそ土砂崩壊や通行止めが気になる。しかし一方で、このタイミングでこそ「水の国」といわれる四国の真骨頂が見れるかなとも期待した。
3 雨乞の滝(徳島県神山町)
こんなわけで、四国上陸。
ヨサクを走ること1時間余。約30㎞。まずは徳島県神山町の「雨乞の滝」に寄り道です。このあたりから四国山地に分け入っていくことになります。
きっと滝は瀑布。たぶん滾る「水」を感じることができるでしょう。

駐車場から最上流の観音滝まで遊歩道を800m余(水平距離)上ります。コンクリで舗装されているので、晴れた日なら、らくちんコースかもしれないが、この日は曇天。また昨日までの雨で樹下は濡れています。さらに急坂や階段もあるらしく、転ばないように気をつけなけばなりません。

この川は「鮎喰川(あくいがわ)」という。なんとも情緒ある名ですが、昔からそうだったのでしょうか。(あくい)の音から妄想すると、意外に逆の意味をもっていたのかも。たしかに鮎の遡上も見られるようですが。
鮎喰川は、下って四国三郎・吉野川と合流します。つまり一級河川吉野川水系です。



























案内板に片道20分か25分と書いてあったが、急坂、濡れた路面、湿度も高く、後半で小雨も降り始めるなど、1時間余、四国の「水」にたっぷりひたってしまった。
なお、こんなに豊かな水があるのになんで『雨乞い』なのかを推測しますと、急峻な地形の川(河床勾配が急)の水はいっときに流下してしまうので、稲田で水が要る肝心の時に涸れることもあるのだと思います。
4 水五則の学び
「水」といえば「水五則」が思い浮かぶ。
一 自ら活動して他を動かしむるは水なり
二、常に己の進路を求めて止まざるは水なり
三、障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
四、自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
五、洋々として大洋を充たし発して蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう)たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり
※「水五則(または水五訓)」は、戦国時代の武将・黒田官兵衛(如水)が残したとされる、水の性質に倣った人生やリーダーシップの教え。(AI)
昔、敬愛していた偉い上司が、某業界誌にこのことを書かれていた。当時の労働環境や心情の壺にはまったのか、感銘受けた。さっそくコピーして手帳に貼り付け、爾来座右の銘とした。あの頃は素直だった(と感慨にふける笑)。




水は雲、雨、霧などに姿を変えながらも、またどんな入れ物にもぴったしおさまって、しかし決して本質(水としての性質)は見失わない。 「水五則」の教えは、単純だが、人生訓として納得できる。生々流転、諸行無常、あるいは色即是空の世界観にもつながると思う。(難し事はわからんけどさ)
今も「水」には特別な思いれがある。
つづく
次回は、剣山(1995m)の登山口で休憩します。でも登りませんよ。
2026.6.29
投稿 7.8
