凧を揚げたんだ 飛行場で

「おじさんが生まれたとこじゃ、子供が生まれると祝いにその子の凧を作るんだ。」
そう言って、その人は空を見上げました。
その生まれ故郷より遠く離れた九州の地で…。

その『凧のおじさん』の郷里は浜松でした。

(静岡県観光公式サイト『ハローナビしずおか』
より)
(↓そして初凧…結構な大きさ…!)

「子供ってのは宝なんだねぇ。」
「子供はVIPだからな!」
「あなたいつもそれ言うねぇ…でも、本当にそうだ。
……。
なあ……凧。凧だよ!作ってみないか?凧ならこの子にも作れるんじゃないか。そんな大きなもんじゃなくったってな、自分で作った凧は……作り方教えよう。そうだ、子供たち集めて…」
「どこで『飛ばす』?ああ、凧だから…揚げる?今時は昔と違ってそこら中に電柱だらけだぞ…」
「飛ばすんなら、飛行場はどうだ」(彼らの職場です!)
「…妙案だ」

そんなわけで、おじさん達の手弁当の凧揚げ大会企画が持ち上がったのです。
〈凧を作るところからスタート!最後は飛行場で飛ばそう!〉
ささやかな、ですが航空のプロ(航空自衛官・教育隊整備員)指導による本格派の連続講座です。場所は町民会館を借りました。
おじさんは設計図を描きました。凧のサイズは、子供たちが小学校の習字の時間で使う半紙数枚で作れるように考えて合わせて。それをプリントにして配りました。
骨組みに使う竹は、町内の竹藪から採らせてもらった竹から割り出して、粗めの竹ひごを人数分…おじさん達がそこから用意した材料です。まだバリやささくれが残っているので、怪我には充分に注意するよう指導が入りました。
「自分らのような昔の子供はここからだ。今の子は鉛筆だって削り器があるけれど…」
でも確かに、道具の使い方さえ最初にしっかり覚えれば、最小限の材料で最後には空に飛ばすことさえ出来るのです。
(↓多分こういうのがベスト)
(↓でもこのタイプならカッターでもOKということにしました)
そこから子供たちは自分たちで整えて仕上げます。粗ひごを竹ひごに整え、糸で縛るくぼみをつけ骨組みを組み、木工用ボンドで固定。
足(下に付けるしっぽ)をつけたり、裏から要所に紙の重りをつけたりのバランス調整のやり方も教わりました。
貼った半紙が乾いたら…

当日。飛行場にて。
各自完成した凧を持ち寄り、凧揚げ大会が始まりました。ひとつ、またひとつと上がり始めます。
私も試しに走って揚げてはみるものの、私の凧はくるくると回転を繰り返し。
ですが教えてもらった調整を繰り返し、走り、粘りました。少しずつ、ブレは小さくなっていきます。風をとらえ始めました。
凧は…制限時間いっぱい最後の最後で飛行場上空の風にうまく乗り…高く、ぐんぐん高く上がりました!………というか…
上がり過ぎてしまったのです…!
ヤバい!糸が足りない!
その風に同じく乗ってしまった他の子の凧もいくつか残り……転倒者発生(幸い大事には至らず)、糸が切れてしまう凧も!
慌てて自衛隊のおにいさん達(飛行学生 ほか)が回収に、広い飛行場の隅から隅まで走りまわる羽目に…。

25mプールが3個+5mラインやで

揚力!パねぇ!!
子供の腕力では危険
やむなくおにいさん達に選手交代
「俺こっちやるからお前あっちの子な!」
「ええ〜先輩ズルい〜あっち遠い〜!」
「走れ!」
「ハイ!!」

と言ってもヒヨコか若鳥くらいかな
まぁそんなわけで、私の凧は無事回収できたのですけれど。
あの後何回近所や校庭で揚げてみても、あんなには上がらなかったんですよねぇ…。

おじさんの空への憧れは、竹と紙で出来た凧から始まったのでしょう。…けれど大人になったその人のその眼は、あの頃にはより高く、より先の世界を夢見ていました。
「自分はここ(九州)で最後まで勤めようと思う。ジェットも触りたいし、あいつら若いのと接するのも好きだ。」
ヒコーキが本当に好きな人だったのです。
そしてその『凧のおじさん』(カメラのおじさんでもある)から当時聞いた
浜松まつり+ブルーインパルス裏話がこちら↓tujimonさん動画ありがとう!
(X @orapo960 tujimonさんの投稿より)
〈つまりおじさんとtujimonさん、浜松時代のヒコーキカメラ仲間だったのな…。〉
今日のF86ブルー動画アラカルト浜松祭編の補足説明しますね。この時期毎年岩国基地祭にブルーが参加してまして、翌日の浜松基地帰投のさい、凧揚げ会場近くを通るのでパスをお願いしてみたら実現しただけでした。今となって話せる事でした🙇
— tujimon (@orapo960) February 9, 2025
再アップ pic.twitter.com/RSaEdoUzEa

↓そんなよもやま思い出話シリーズを始めています。
↓過去作はこちら。
(・「子供はVIP」言う救難の整備のおいちゃんが今回の凧のおいちゃんにカメラレンズを借りて頑張った話 ・Nobさん(伝説のイラストレーター)の話 ほか)
