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「評価」のフィードバックこそマネジメント力が問われる

中小企業においては「マネジメントが不在」な場合があります。

マネジメントとは最もシンプルに整理すれば「業務の管理」「業務の改善」と「人の管理」「人の成長」の4つです。

中小企業で不在がちなのが後者の2つで、特に「人の成長」については相当に薄いのが実情です

そもそも人事評価の制度そのものが無い場合が多く、もちろんMBO(目標管理制度)もありません。

私はぜひとも中小企業にも人事評価制度を導入してもらいたいと思っています。なぜなら幹部や中間管理職に若手人材を育成する意識を強く持ってもらいたいからです。

人事評価制度自体はあまりこまごました項目は作らず、できる限りシンプルにすべきです。

中小企業の場合は社内に同年代で同じような業務をしている人が少なくて相対評価がしにくく、基本的には1人ひとりの絶対評価がベースとなります。
つまりあくまで「人が人を評価する」訳で、細かな基準を設けても運用できずただ上司の査定工数が増えるだけになります。

重要なのはまず上司がメンバー1人ひとりと話し合って次の1年の目標を立てることであり、少なくとも1年後にその結果について上司が本人に評価をフィードバックすることです。

このフィードバックこそ「人の成長」面におけるマネジメントの最も重要なアクションになります。

まず目標設定においては「そこそこ高めの目標」を立てるよう要望します。
高い要望を出すことで「自分は期待されている」という承認欲求につながってモチベーションも向上しますし、目標が高いからこそ1人ひとりの成長が繋がるからです。

そして1年後、その目標をどの程度まで到達できたのかによって1人ひとりの評価が変わってきます。

評価は昇給の額や昇格の有無などに直結し、会社で働く人にとって自分の生活や将来設計を左右する一大事です。

実は査定される側は基本的に自分の頑張りを「2割増し」で評価します。
数値などで成果が明らかな「定量」部分の評価ではその傾向はあまり現れませんが、1人ひとりのプロセスに関する「定性」的な面ではほとんどの人が2割増しで自分を評価するのです。

なぜなら人知れずマイナスな要因も乗り越えて頑張った自分のことを知っているからです。
過ぎ去った1年の自分を振り返るシートには、そのようなプロセス上の努力がたくさん記述されているはずです。

ですからフィードバックにこそ、上司の「人の成長」に関する日頃のマネジメントの強弱が露呈します。
日常業務において上司が日々しっかり高い要望を出し続けているかどうかがわかるのです。

「この部分においてはかなり成長してきたね」と評価する面はしっかりと伝える一方で、「ただこちら部分においては成長の跡が見えないから頑張って欲しい」「この面においては私からの期待値を下回っているから改善を心掛けて欲しい」などと案件ごとに伝え、そのことについて本人がどう考えているかを聞いてあげ、助言すべきなのです。

これらができていないと年に1回のフィードバック面談の際、メンバーは「私はこんなに頑張ったのに評価してくれない」とショックを受けて上司への強い不信感を生み、雑談ほかを通じて良好だと思っていた人間関係もどんどん悪くなっていきます。

そしてやがて退職する人も増えていくことでしょう。

10数年前から1〜3ヶ月ごとの「1on1ミーティング」が有力視されてきていますが、そんなオフィシャルな面談よりその場その場のリアルな業務を通じて常にフィードバックしていくべきなのです。

これができている管理職にとってはフィードバック面談は何ら怖いものではなく、「いつも言っているように私はあなたの成長をこう評価しているよ」という確認の場でしかありません。

一方、できていない管理職にすればフィードバック面談は常に高い緊張感を伴い、評価が低かったメンバーとの面談は「修羅場」のような時間となります。

ですから中間管理職は、怖くて人事評価制度や目標管理制度の導入は望みませんし、経営者も職場に無用な軋轢を生まないためにもその導入に二の足を踏みます。

そして多くの中小企業では、給与明細で昇給額を伝えるだけで1人ひとりをどう評価しているのかを伝える場面がないのが現実です。

さて、どちらの会社の方が「人の成長」をマネジメントできていて高い定着率を生むのか、それは火を見るより明らかですよね。

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