庶民でも買える安全でおいしい豚を育ててくれる藤井さんを推す。(抗菌薬不使用豚)
現代日本人は、肉を食べすぎているらしい。
江戸時代の地方(江戸以外)に住んでいた庶民は、基本的に玄米大盛り&つけものというメニューだったという。
今の時代なら栄養士さんから指導が入るレベルの偏りだが、みんなこれでしっかり朝から晩まで農作業をしていた。
玄米にはいろいろなビタミンやミネラルも含まれていたし、ご飯だってたっっっぷり食べればタンパク源として十分だったのだろう。(味噌やたまの魚もタンパク源)
もちろん、腸内細菌の組成も今と違っていただろうし、当然食べたものから得られる栄養も違っていただろう。
↓中部大学の社会学博士の方のツイート
いつも「江戸時代の食事がね」みたいなことを授業でしゃべってるんですけど、諸事情で自分でつくる必要がでてきてつくってみたんですよ。玄米2合はやべえっすね。豪華なときは、ちょっと魚がつきます(よけいに悲しみが出ますよね) pic.twitter.com/BiS9stqYdF
— 🥟おうこうはん🍣 (@SUSHIwanghaofan) July 2, 2020
そうは言っても、わたしたちの多くは小さい頃から肉食に親しんできたし、いきなりベジタリアン食に変えるとかえって体調を崩す人もいる。
私は留学中に肉に中り(あたり)まくり、肉をあまり食べない生活になったが、夫も子どもも肉が好きだ。
畜産は環境負荷が高いという話も耳にするが、彼らには肉ライフを楽しんでほしいと思っている。できれば安全でおいしい肉ライフを。
「国産」のお肉は安全か
私は三人きょうだいの長女で、我々きょうだいの食欲はすさまじかった。
しゃぶしゃぶをすると、2kgの肉が一食で消えた。
限られた食費でやりくりをしなければならなかった母は、業務スーパーでブラジル産の鶏肉を買い、それで大量の唐揚げをつくってくれた。
そして私は大人になり、家庭を持った。共働きが当たり前の時代になったので、食費の心配も母ほどはしなくて良かった。
私は基本的に国産の肉を買うように心がけ、高級な部位だけはアメリカ産やカナダ産を選ぶようになった。
ちょうど腸内細菌の仕事をしていたこともあって、健康な食べものの知識も増えていた頃だった。
抗菌薬と耐性菌
抗菌薬(抗生物質)について、この仕事をするまでは私はほとんど何も知らなかった。記憶にある限り、抗菌薬にお世話になったことなどなかったからだ。
けれど、抗菌薬があまりにも安易に医療現場で使われすぎていること、そしてその倍以上の抗菌薬が畜産の現場で使われていることを知った。
抗菌薬は、細菌を殺す。
私たちや家畜たちの体の内外に住み着き、有益な働きをしている細菌たちさえも。
そして細菌の生態系に撹乱が起こると、宿主である動物の健康にさまざまな悪影響があることもわかってきた。
なにより、抗菌薬の乱用は耐性菌という「抗菌薬の効かない細菌」を生み出してしまう。
抗菌薬によって感染症の恐怖から解放された私たちは、その薬の使いすぎで再び感染症の脅威にさらされかねない事態に直面している。
家畜と抗菌薬
畜産の現場で抗菌薬が使われ始めたのは、ちょっとしたことがきっかけだった。
抗菌薬を作ったあとの残りカスを餌として与えたら、家畜が急激に太っていったのだ。
安く早く肉が生産できる。生産者にとっても消費者にとっても福音だった。抗菌薬は成長促進剤として使われ始めた。
それによる弊害がはっきりと出始めた頃には、抗菌薬はあまりにも当たり前の存在になりすぎていた。
ヨーロッパでは、早くから家畜への抗菌薬使用を全面的に禁止している。(もちろん法律を守らない業者もいるが)
日本ではどうだろう。
残念なことに、日本では「家畜への抗菌薬は慎重に使用しましょう」という注意喚起がされるにとどまっている。
成長促進剤としての使用は禁止されたが、感染症の治療のみならず予防のためにも使えるのであれば、いったいどういう違いがあるというのだろう?
あんしん豚の藤井ファーム
前置きが長くなってしまったけれど、そろそろ私が推す会社を紹介したい。
岐阜県にある藤井ファームでは、1990年から「薬を使わない養豚」を続けている。
ここは、品質のわりに手頃な値段で安全な豚肉を買うことのできる貴重な会社だ。
代表の藤井さんのあいさつを読んで、我が家はここで豚肉を買うことに決めた。
こんにちは。 藤井ファーム・あんしん豚のホームページにようこそ。 代表の藤井拓男です。
私達藤井ファームは、岐阜県・白川町の自然豊かな霧越高原で、まったく薬を使わない養豚を家族でやっています。 色々な方に「『あんしん豚』は薬を一切使ってない」とお話すると、「薬を使わずに養豚が出来るはずがない!」となかなか信用してもらえません。ファーム独自の飼育方法を実際に見ていただき、やっと信用してもらっています。 薬をまったく使わずに養豚をやるということは、それだけ難しいということと、他にはまだやっている処が少ない、ということでしょうか。 又同業者には「無薬でその値段では安すぎる。その値段では無薬でやっていると言っても、誰にも信用されんぞ」ともいわれます。 でも藤井ファームでは、高い豚肉ではなく誰にでも買っていただける値段で、皆様に喜ばれるものを提供したい!と考えています。 ファーム一同で力を合わせ、安心安全でおいしい豚肉を提供したいとがんばっております。どうぞよろしくお願いします。
ここには書いてないけれど、品質のわりに手頃な値段が実現できているのは、家族で小規模経営をしているからだと思う。
食べものにどれくらいお金をかけるか
食べるものにどれくらいお金をかけるかは、その人の価値観が反映される。
我が家は、安全性という軸がまず最初にあって、次いで美味しさ、環境負荷という軸が来る。
結婚当初は世帯年収が低かったので、わかっていても藤井ファームで肉を買うことはできなかった。
今は、お肉と調味料はそこそここだわれるようになって(牛肉は食べない)、納豆と豆腐も国産を買えるようになった。
野菜をオーガニックにするのは無理で、普通に八百屋さんで買う。
世帯年収が上がったとはいえ、我が家は庶民である。お給料を何に使うのか、という問題だ。
家ご飯が好きなので、外食もほとんどしないしカフェにも行かない。ショッピングモールにもほぼ行かず、物欲もない。美容やファッションにも興味ゼロである。
旅行も近場に年に1回行くかどうか。
休日は、図書館と公園で過ごす。
だからこそエンゲル係数をそこそこ上げても大丈夫で、そんな暮らしに満足している。
何よりも、藤井ファームさんの豚肉はめっちゃおいしい。
肉を食べない私でも、たまに食べるくらいだ。
一般的な栄養指導では、豚肉は豚肉としてひとくくりにされる。
カロリーや、一日の摂取量などでしか話題にされない。
でも、それが「どんなふうに育った豚なのか」は、それ以上に大事なのかもしれない。
豚肉に限らず、多くの人たちは食品の種類には関心があっても、その食品の育ち方まで想像することは少ない。
藤井ファームさんには400頭しか豚がいないので、私のnoteで注文が殺到しすぎてしまったらどうしようかと妄想しつつ、
やはり推したいのだ。
2025.3.28追記
「#推したい会社」投稿コンテストで入賞をいただきました!
ほんとうにいい会社が、ちゃんと選ばれる世界でありますように。

