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温泉町の黒煙。

大きな青空の下、
富士山にも喩えられる
円錐形の山がそびえている。
その街は日本第二の源泉数を誇る、
温泉町として有名である。
街の人たちは鶏飯やだんご汁を喰っている。


その街に、自衛隊は、
12式地対艦ミサイルを配備した、
と新聞は伝える。
何台もの黒々としたでっかい筒が45度の角度で構えている。
それは1000キロの射程距離を誇る。
明快なメッセージがありありとわかる。
来るなら来てみろ、迎え撃つぞ。
こうしてのどかな温泉町は日本の軍事拠点となった。
大分県湯布院の話である。


おとなりの熊本県は、
台湾のTSMCを誘致して
たいへんなことになっていることをおもえば、
事態の複雑な深刻さがよくわかる。
また、韓国が政治的大混乱に陥っていることもまた、
東アジアの地政学を不安定にしている。



自衛隊は大分だけではなく、
すでに奄美、沖縄、宮古、石垣にも、
迎撃ミサイルを配備している。
迷彩服を着た自衛隊員たちも仕事に備えている。
まさに台湾有事ぬ向けた備えである。
かれらは、ごはんに味噌汁、
納豆と塩漬けコンブ、
ウインナーやチリコンカンを喰い、
牛乳を飲んで、日々有事に備えている、
サムライたちなのだ。
ぼくらはただただかれらの勇気と愛国心に
感謝するばかりだ。


ある識者は語る、
とっくに中国は台湾は自国の一部と認識していて、
したがってわざわざ台湾有事など起こすはずがないんですよ。
他方、ぼくはその意見の正否を判断する資格がない。
ぼくはただ、ガチ中華なんてものは
とうぶん喰いたくないな、とおもうばかりだ。
そしてぼくはむなしく荘子に手を伸ばす。
あるいはボードレールの『悪の華』に。
もしかしたらついちょっと先に、
アメリカ米のおにぎりと大根飯で
飢えをしのぐ日が訪れないことを
祈りながら。





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