【饂飩美味紀行】#49 立花うどん(久留米) (福岡県久留米市)【名店】
" 麺 は ふ わ り 出 汁 は 妥 協 な し 久 留 米 の 雅 "
❖ 福岡県久留米市の位置
久留米の城下は、九州の北、肥後と筑前の間にあいありて、筑後川の流れを懐に抱く要の地にござる。古くは有馬の殿が統べる二十一万石の領地にして、城下町として栄えし由緒ある地なり。
南にそびゆる耳納山、高良の霊峰を仰ぎ、北には大河・筑後川の恵みを受けて、田畑は豊かに実り、米・麦・果樹の育つ地として知られ申す。農のみならず、久留米絣と呼ばるる織物、またはゴム製品においてもその名を天下に轟かせし「ものづくりの城下町」にて候。
また、この久留米は「医者のまち」としても知られ、名医の数は他国に並ぶものなし。小児より老いし者に至るまで、病に臥せるを恐れぬほどに、医の手厚さにて守られておる次第。
旅の者にとっては、高良大社、水天宮、久留米城跡など、歴史の香り漂う地にて、また、耳納連山の自然も心洗われる絶景なり。
さらに、久留米ラーメン、焼き鳥、地酒に果物と、食の楽しみも尽きぬとは、まことに風雅なる地にござる。
❖ 店舗外観
❖ 饂飩絵図

❖ 饂飩膳の記録
名のある饂飩、遥かなる憧れ
かねてより耳にいたし候、「立花うどん」と申す饂飩処、
その評判、筑後一円にとどまらず、遥か御国中にまで轟きて候。
このたび、九州を巡るうどんの旅番組——
「ニッポンわが町うどんMAP」において、ついにその門戸が映されたと聞き、我、心騒ぎしは言わずもがな。
名のある芸人殿、博多華丸・大吉、そしてケンドーコバヤシ殿も御来店あそばされ、橋本真衣なる美しき言葉の使い手もまた、供奉せしと。
さて、腹の虫が鳴く頃合いに、昼の喧噪を避け訪れしが、
されど駐車の場は、すでに満ちており候。
人気とは、時を選ばぬものなり。
十五分ほど、静かに席を待ちて、ようやく腰を据えるに至る。
見ると、席の半ばは空いておったが、その理由、後に判明す。
大人数の旅籠一行、予約にて参じ、あっという間に店内は賑わい満ちぬ。
まさしく、ここは筑後饂飩の本陣なり。

柔と剛、両立する麺の妙
注文いたしたるは、店一番の誉れ高き「肉ごぼ天うどん」。
その上、空腹にて我慢ならず、「ミニ天丼」も添えて候。

麺は中太。見るからに存在感あり、
ふわりと浮かぶが如き柔らかさ、されど持ち上げるとずしりと重みを感じる。
これなる立花うどんの麺は、
己が読みを頼りに、三十分先の客を見越して茹で始める、職人の技。
その茹で時間、実に二十七〜二十八分と長し。
これぞ「釜揚げ」への執念。
わざと麺の表面を荒らし、出汁をよく絡ませるという。
口に含めば、外はふわふわ、中はもちり。
まさに「柔」と「剛」の絶妙な共存。
この一椀に、筑後の魂宿りて候。
一滴に宿る、出汁の矜持
うどんの命、すなわち出汁なり。
その一滴に、妥協は一切なし。
利尻の浜より取り寄せし昆布、
それも一年寝かせし上質なるものを使用し、
鰹節との調和を図り、炎を睨んでじっくりと炊き出す。
その味、華やかならずとも、深し。
飽きることなき旨味が、日々の糧に相応しきことを実感す。
つけ汁には、長き歳月注ぎ足して育てし「かえし」が使われ、
口にすれば、まるで時を味わうような奥深さあり。
これなる饂飩、毎日通う者が絶えぬというも、頷ける話にござる。
油の香り、天に届かん
さて、「天丼(小)」なる品もまた、見逃せぬ逸品なり。
その衣、さくりと軽やか、油の香ばしさに心解ける。

しかもこの油、只者にあらず。
遺伝子組換えなしの菜種油「Non-GMO Oil」を用い、
身体を病みし者にも安心して召し上がれるよう、配慮尽くされて候。
コレステロールを含まず、
オレイン酸やα-リノレン酸といった、身体に良き成分が満載。
まさしく、天の恵みを地に活かした調理なり。
天ぷらひとつにも、思いやりの心宿る。
美味なる上に、健康への気遣いとは、まことに見事。
うどん、旅の中にして、故郷のような

すべて平らげ、湯呑をひと口。
静かに立ち、店員殿に深々と礼をし、
三十分の饗応を胸に、立花うどんを後にする。
侍にとって、食とは戦の前の鍛錬、あるいは、心を癒すひととき。
この「立花うどん」は、まさに後者にて候。
久留米の誇りここにあり。
またいつの日か、再びこの暖簾をくぐる日を楽しみにして——。
拙者、筆を置き申す。
❖ 店の評判帳
❖ 詳細な絵図
❖ 自宅にて饂飩を楽しみたき御仁へ(宣伝)

❖ 過去の饂飩絵巻
美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり
❖ 諏訪たけしの饂飩美味紀行全集
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