【饂飩美味紀行】#50 みやけうどん(福岡市博多区)【名店】
" 博 多 の 味、老 舗 の 暖 簾 が 語 る 昭 和 の 旨 味 "
❖ 福岡市博多区の位置
ここは九州は筑前国、福岡市博多区なる地。天下の往来、人と物とが交わるその要にして、まさに現代の宿場町と申すべきところにござる。
まず筆頭に挙げ申すは、空より人々を招き入れる福岡空港。市の中心より、馬ではなく地下鉄にて十と経たぬ刻で至れるという。斯くの如く、空の玄関口として、日々多くの旅人が行き交う地なり。
また、博多の誇りと申せば、博多人形をおいて他にあらず。江戸の昔より続く技の極み、緻密なる造形と優美な彩色、まことに目を見張る細工にござる。これを一目見ずして博多を語ることなかれ。
海辺には、かの有名なマリンメッセ福岡なる大屋敷があり。歌姫や武芸者がここに集い、世を沸かす興行や催しが日々繰り広げられておる。さながら現代の芝居小屋にして、賑わい尽きぬ処。
さらには、博多の魂と申すべき承天寺(じょうてんじ)が静かにたたずむ。時は鎌倉、宋より帰朝せし僧・聖一国師が此処を開き、世にうどん、そば、饅頭の法を伝えしとのこと。いずれも今に続く庶民の味、ここに始まりしと伝えられておる。境内にはその証し、碑が立ち、風にそよぐ竹と共に、時の流れを見守っておる。
この博多の地、古きと新しきが相交わる、まこと風雅な所。旅の者よ、いざこの地を訪れ、歴史と人情の息づく街並みに身を委ねてみては如何か。
❖ 店舗外観
❖ 饂飩絵図

❖ 饂飩膳の記録
念願成就 〜饂飩の陣へ〜
かねてより、耳にしておった名高き饂飩屋「みやけ」。されど、運も時も味方せず、幾度も見送りし次第にて候。
本日こそはと意を決し、いざ出陣。
されど此処、駐車所という陣地なく、少々離れた場所に馬(くるま)を預け、御供所通りなる小路を歩む。風情ある町並みを眺めつつ、己が腹具合を整えること、これまた一興にて候。
いざ入陣 〜椅子の艶、歴史の香〜
時刻はすでに午後二つ時(十四時)を過ぎ、人の波も落ち着いた頃合いにて候。
のれんをくぐれば、先客はただ一人。若き姫君、しずしずとカウンターにて箸を運んでおられた。
目をやれば、木の椅子は年季入りて艶を放ち、まるで漆塗りの如し。
壁には品書きが貼られ、創業はなんと昭和二十九年(西暦一九五四年)。
なるほど、長き戦いを経た老舗、貫禄も違う。

丸天之段 〜うどんは語らずとも旨し〜
此度の戦、拙者は丸天うどんを選び申した。
品書きに並ぶは、うどんと蕎麦のみ。他は己が好みで具を添えるのみ。実に潔し、武士道に通ず。
注文より間もなく、湯気とともに饂飩が運ばれし。
これぞ博多の気質、待たせぬ心意気。ありがたきかな。
太めの白き麺に、ふっくらと揚げられた定番の丸き天ぷらが一枚。
その上に青き刻み葱がふわりとかかり、ああ、なんと控えめにして美しき陣容よ。
「質実剛健」とは、かような椀を指すのか。

饂飩一閃 〜出汁と共に心和らぐ〜
箸を取り、まずはひと啜り。
うむ……麺はもっちり、だしは優しき旨味。
その太き麺が出汁と絡み、喉を通るたびに、身体の芯まで温もりが広がる。
この出汁、淡き味ながら奥深く、まさに老舗の業(わざ)にて候。
丸天の甘みがだしと溶け合い、時折葱の香りが鼻先をかすめる。
すべてが穏やかに調和し、心まで柔らかくなるように思うた。
気づけば椀は空。姫君は既に退店され、店内には拙者とご主人の二人きり。
「おいしゅうござった」と一礼し、暖簾をくぐる。
昼下がりの陽が、妙にあたたかく感じられた。
饂飩道は是より始まる
「みやけうどん」──この一椀、博多饂飩の原点たる逸品。
奇をてらわず、されど深く、淡きにして飽きぬ。これぞまこと、真の兵(つわもの)の飯。
旅はまだ始まったばかり。
次なる饂飩、どこへ向かわん。拙者、腹も心も整え、また新たなる一椀に挑まんとす。
❖ 店の評判帳
❖ 詳細な絵図
❖ここにしか無き逸品、郷より届く品々(宣伝)

代々、諏訪家にて朝餉の膳に欠かさず並びし、明太子の中の明太子。
しっとり柔らか、舌に馴染みて、米の旨さ引き立て候。
御土産に、贈り物に、あるいは日々の常備菜として、誠に重宝いたしまする。
――お中元・お歳暮、帰省の手土産、冷蔵箱の常連にて御用達なり。
❖ 過去の饂飩絵巻
美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり
❖ 諏訪たけしの饂飩美味紀行全集
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