【Wi-Fi入門 第8回】ゲストWi-Fi設定——私物スマホ・お客さん用ネットワークを切り分ける
Wi-Fiまるわかりシリーズ 8 / 10
来客に「Wi-Fiのパスワード教えて」と言われて、つい会社のメインWi-Fiを教えていませんか?
社員がみんな私物スマホを業務用Wi-Fiにつないでいる、という職場も多いはずです。
実はこれ、セキュリティ的には少し危ない状態です。
業務用パソコンやNAS(社内のファイルサーバー)と、お客さんのスマホが同じネットワークに同居しているからです。
この記事を読むと、来客や私物端末を安全に受け入れるための「ゲストWi-Fi」の切り分け方がわかります。
▼前回の記事はこちら
この記事でわかること
なぜ来客・私物スマホ用にWi-Fiを分けたほうがいいのか
ゲストWi-Fi(来客用に切り分けた別ネットワーク)の仕組み
一般的なルーターでゲストWi-Fiを有効にする手順の流れ
ゲストWi-Fiを運用するときの注意点
なぜWi-Fiを「分ける」必要があるのか
会社のWi-Fiには、業務用パソコン・共有フォルダ(NAS)・ネットワークプリンターなど、社外に見られたくない機器がつながっています。ここに来客のスマホや社員の私物端末が同じネットワークでつながると、理屈の上では同じネットワーク内の機器が互いに「見える」状態になります。
たとえば、来客のスマホがウイルスに感染していた場合、同じネットワーク内のパソコンやNASに影響が及ぶおそれがあります。悪意がなくても、設定ミスで社内の共有フォルダが見えてしまう、といったことも起こりえます。
用語メモ
ネットワークの分離(ぶんり):機器のグループを分けて、お互いに通信できないようにすること
ゲストWi-Fi:来客・私物端末用に切り分けた、社内ネットワークとは別のWi-Fi
ゲストWi-Fiは「インターネットにはつながるが、社内の機器には触れられない」専用の通り道です。お客さんはネットを使えて、会社の機器は守られる、という両立ができます。

ゲストWi-Fiの仕組み——SSIDをもう1つ増やすイメージ
多くの業務用ルーターやWi-Fiアクセスポイントには、「ゲストWi-Fi」「ゲストネットワーク」という機能が標準で備わっています。これを有効にすると、いつものSSID(ネットワーク名)とは別に、来客用のSSIDがもう1つ増えます。
用語メモ
SSID(エスエスアイディー):Wi-Fiのネットワーク名。スマホのWi-Fi一覧に出てくる名前のこと
アクセスポイント:Wi-Fiの電波を飛ばす機器。ルーターに内蔵されていることも多い
来客にはこの「ゲスト用SSID」とパスワードだけを教えます。
ゲスト用に接続した端末は、インターネットには出られますが、社内のパソコンやNASには到達できません。本来のSSIDとパスワードは社内だけで共有し、外には出さない運用にします。
ゲストWi-Fiを使えば、来客のたびに会社のメインWi-Fiのパスワードを教える必要がなくなります。パスワードが外部に広まるリスクを抑えられます。
ゲストWi-Fiを有効にする手順の流れ
機種によって画面は異なりますが、設定の流れはおおむね共通です。ここでは一般的な業務用ルーターを例に、大まかな流れを示します。
設定の大まかな流れ
ルーターの設定画面を開く(パソコンやスマホのブラウザのアドレスバーに、ルーターのIPアドレス——たとえば 192.168.1.1 ——を入力。IPアドレスは第3回・第7回で解説した「ネットワーク上の住所」です)
管理者IDとパスワードでログインする(ルーター本体のシールに記載されていることが多い)
メニューから「ゲストネットワーク」「ゲストWi-Fi」などの項目を探す
ゲストWi-Fiを「有効(オン)」にする
ゲスト用のSSID(ネットワーク名)とパスワードを設定する
設定を保存し、スマホのWi-Fi一覧に新しいSSIDが出るか確認する
用語メモ
ルーターの設定画面:ルーターの動作を変更するための管理用ページ。ブラウザでIPアドレスを入力して開く
設定画面の中に「社内ネットワークへのアクセスを許可しない」「クライアント分離(アイソレーション)」といった項目があれば、それを有効にしておくとより安全です。これは、ゲスト同士・ゲストと社内機器の通信をブロックする設定です。

ゲストWi-Fiを運用するときの注意点
ゲストWi-Fiは便利ですが、設定して終わりではありません。いくつか押さえておきたいポイントがあります。
まず、ゲスト用のパスワードは定期的に変えることをおすすめします。一度教えたパスワードは相手の端末に残り続けるため、長く同じものを使っていると意味が薄れてしまいます。来客が多い職場では、月に一度など区切りを決めて変更すると安心です。
次に、ゲスト用SSIDの名前には会社名をそのまま入れすぎないようにします。「○○商事-Guest」のように具体的すぎると、どの会社の電波かが外から特定されやすくなります。
最後に、ゲストWi-Fiの電波が必要以上に外へ漏れていないか意識しておきましょう。道路や隣の建物まで強く届いていると、知らない人につながれる可能性があります。心配な場合はルーターの設置場所や電波の強さ(送信出力)を調整します。
ゲストWi-Fiは「来客のため」だけでなく「社員の私物スマホ用」にも使えます。私物端末を業務用ネットワークから切り離しておくと、万一の感染時にも被害を社内機器に広げずに済みます。
まとめ:第8回のポイント
来客・私物スマホをメインWi-Fiにつなぐと社内のPC・NASと同居してしまう——だからネットワークを分ける
ゲストWi-Fiを有効にして「ネットは使えるが社内機器には触れない」別SSIDを来客に渡す
運用のコツは3つ——パスワードの定期変更・会社名を出しすぎないSSID名・電波の漏れすぎに注意
次回(第9回)は「つながらない・遅い・プリンターが見えない——症状別トラブル解決ガイド」です。これまでの回で学んだ知識を使って、よくあるトラブルを症状別に切り分けていきます。
Wi-Fiの設定や社内ネットワークでお困りのことがあれば、みよし屋までお気軽にご相談ください。
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