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同人オタクが新人女子プロレスラーにハマった話 第十一話『オタク、推しの一周年を祝うってよ』

こんにちは。さんせ三世です🌺

前回の第十話では、金屋あんね選手のデビュー1周年に寄せて、この一年を前・中・後編で振り返りました。


そして今回は、その記念日。
金屋あんね選手デビュー1周年の『NEW BLOOD 30』新木場大会回です。

一周年という節目の日を、ほんとうなら現地で迎えたかった。
会場の空気も、入場曲も、リングの音も、その場で丸ごと浴びたかった。

……なんですが、先にひとつ正直に言うと。
この日、私は現地に行けませんでした。


◆ 現地に行けない一周年を、どう祝うか


そもそもこの時期、私は数日後に関東で行われる主ジャンルの即売会を控えていました。

しかも、仕事の関係上、まとめて休みを取るのが難しいタイミングでもあって、どう頑張ってもスケジュールが噛み合わない。

「一周年の大会に行きたい」
「でも、即売会も落とせない」
「しかも仕事もある」


そんな、見事なくらいのすれ違い日程でした。

泣く泣く断念した、というのが一番近いです。

正直、その数日はずっと頭のどこかで、こんな文章がループしていました。

『ごめん、『NEW BLOOD 30』現地には行けません。

いま、職場にいます。
この本を関東で頒布する同人誌を私は作っています。
本当は、NEW BLOODが恋しいけれど……。
でも、今はもう少しだけ頑張ることにします。

私の作るこの同人誌も、きっといつか誰かの青春を乗せるから』


……と、一時期話題になった某企業CMの構文が、原稿中に脳内再生される程度には、未練たらたらでした。

せっかくのデビュー1周年。
本当なら現地で、その一日を丸ごと吸い込みたかった。
それができない、というだけで、かなり「うぅ……」となっていたのは事実です。

しかもこの頃、会社都合による転職活動も並行していて、日々の生活は原稿と転職の反復横跳びみたいな状態でした。

原稿。
履歴書。
修正。
応募。
入稿。
面接。
原稿。

そんな毎日を繰り返しながら、何度も心が折れそうになっていました。

でも、そのたびにスターダムの大会配信を見て、
「金屋は折れません」と言うように、必死に、果敢に挑み続けるあんね選手の姿に、何度も気持ちを引っ張り上げてもらっていたんです。

だったら。
現地に行けない私にだって、何かできることがあるんじゃないか。

この一周年を、私なりの形で祝えないだろうか。

そんなことをぐるぐる考えていたとき、ふと思いつきました。


◾︎ そうだ。フラスタを立てよう。


そうです。
オタク文化に広く浸透していて、スターダムの会場でもファンの方々がたびたび贈っている、あのお祝いのお花です。

私自身、以前に主ジャンルで
主催+イラスト担当という形で、同担ファンの方々と一緒にフラスタを出した経験がありました。

なので「フラスタを出す」という行為そのものには、まったくの初挑戦というわけではありません。

ただ、今回は少し意味合いが違いました。

今回は完全に自力で、そして金屋あんね選手のデビュー1周年を祝うためだけに立ててみたい、と思ったんです。

もちろん、最初に頭をよぎったのは現実的な問題でした。

ただでさえ
即売会=遠征
という地方勢の宿命がある。

遠征費もかかる。
原稿費もかかる。
印刷代だって、紙を扱う身としては笑えない。

昨今の情勢による急激な原油高騰や紙代の上昇に、同人オタクとしては日々頭を抱えているわけで、そこにさらにフラスタまで……?
いや、さすがに無茶では……?
と、一度はちゃんとブレーキを踏みました。

でも、ダメ元で予算を組んでみたんです。

すると──

「あれ、行ける……!」

そう確信した瞬間、もうダメでした。
気づいたら業者さんのサイトを開いて、見積もりを確認して、発注ボタンを叩き込んでいました。

オタク、こういう時だけ決断が早い。


◾︎ 入稿直後のテンションで、そのまま自作パネルへ


しかもこの時、私はちょうど主ジャンルの原稿を一夜漬けで仕上げ、そのまま入稿した直後でした。

(※入稿というのは、簡単に言うと「このデータで本を刷ってください」と印刷所さんに最終データを渡す作業です。同人オタクにとっては、ひとまず一つ山を越えた瞬間でもあります)

普通ならそこで一回、灰になるはずなんですよ。

「よし、終わった……」って布団に倒れ込んでもおかしくないタイミングです。

それなのに、なぜか私はそのままシームレスに
フラスタ用の自作パネル制作に取りかかっていました。

ありえないくらいドーパミンが出ていたと思います。

あれはもう、原稿を終えた達成感というより、
“推しの一周年を祝いたい”というハイビスカスパワー
だったんじゃないかなと思っています。

そして、ここでひとつ明かしておくと──
3月20日、一周年当日にXへ投稿した「デビュー1周年おめでとう」のあんね選手イラスト。
実はあれこそが、フラスタパネル用のイラストの元絵でした。



もちろん、そのまま使ったわけではありません。
デザインはフラスタ仕様にしっかり組み直して、全体の見せ方も変えて、できる限り何も匂わせずにサプライズにしようと企てていました。
(さんせ三世とかいうやつ、こういう時だけ妙にこざかしい)

でも、それくらい今回は……
「一周年のお祝い」として現地に行けないぶん、せめて、会場のどこかに自分の「おめでとう」を立たせたい。そして少しでも綺麗な形で会場に立たせたい。

そう思った時のオタクの行動力たるもの、我ながらちょっと笑ってしまうくらいでした。



◾︎ 今回お願いした業者さんと、こだわったところ


今回フラスタを制作していただいたのは、『花助(Hanasuke)』さん。
初めてご依頼する業者さんだったので、正直かなりドキドキしていたのですが、デザインもあんね選手カラーのオレンジとイエローでオーダーしたいという旨を心配性かつ細部まで詰めたがる私へ、とても親身にメールでご対応いただいて、本当にありがたかったです。

しかも、自作パネルの設置も可能というオプションがあったので、そこは迷わずクリックしました。

そしてパネルを制作していただいたのは、『プリオ』さん。
こちらは以前から利用したことがあり、安心感がありました。

前に主ジャンルの推し活でフラスタ用パネルを発注した際に、ありえないほどポイントが貯まっていたので、今回はその恩恵も受けて、体感かなりお得に制作できたのも助かりました。

それから、地味に悩んだのが立て札です。

これまで経験したフラスタでは、自作パネル中心で組んでいたので、今回も「自分で作れるなら、それでいいかな」と最初は思っていました。

でも、せっかくのあんね選手デビュー1周年。
自作パネルとお花そのもののデザインバランス、会場で見た時の見映え、そして“お祝いの空気”まで含めて悩みに悩んだ結果──

今回は、いわゆる
“THE・立て札”
をつけることにしました。
そう。あの木で出来た立派な立て札です。

ちょっとだけ“必勝祈願”も兼ねて。

正確には、広島でのスターダム出張イベントがちょうど一周年記念日に重なっていたのですが、私の中では
スターダム主催大会としての一周年は、この『NEW BLOOD 30』新木場大会に重なっていました。

だから、この日に向けて花を出したかったんです。



◾︎ 名前を出すか、名無しにするか


フラスタを出す際は、公式のガイダンスに沿ってお問い合わせフォームから事前に連絡をする必要がありました。
こういう導線がちゃんと整っているの、本当にありがたかったです。

その一方で、最後の最後までちょっとだけ迷ったこともありました。

それは──
自分の名前を出すかどうか。

正直、名無しにする選択肢もありました。

公の場に、自分の名前で。
しかも、推しのデビュー1周年という晴れの日に。
自分の作ったものが会場に立つ。

そう思うだけで、めちゃくちゃソワソワしました。

「いや、ちょっと待って。これ本当に“さんせ三世”で出して大丈夫……?」
「変に悪目立ちしないかな……?」
「もっとひっそり祝う方がよくない……?」

そんなことを、発注のあとになってから何度も考えました。
オタク、決断したあとに急にビビり出す。めんどくさい生き物なんです……。

でも今回は、そこまで悩んだ末にやっぱり
自分の名前で出そう
と思ったんです。

イラストも、構図も、色も、言葉も。
自分なりに徹底的にブラッシュアップして、「この一周年にちゃんと花を添えたい」と思って作ったものだったので……。

だったら、そこだけ変に気配を消すよりも、
“私がお祝いしたかったんです”と分かる形で出したい
と思いました。

もちろん、主役はあくまであんね選手です。
私の名前が目立ってほしいわけでは、まったくないです。
(むしろ未だにおっかなびっくりしているくらいで……)


でも、誰かの一周年を祝う時って、
結局のところ「誰が、どんな気持ちで、その花を立てたのか」まで含めて、ひとつの祝福なんじゃないかな、とも思ったんです。

そう考えたら、少しだけ腹が決まりました。

公の場に自分の名前で。
正直、いまだにちょっと申し訳なさというか、照れくさいです。

でもそれ以上に……
“ちゃんと祝いたい”気持ちの方が勝った。
今回は、そういうフラスタでした。


◾︎ 当日、現地に行けないオタクはどうしていたか



そして迎えた、3月25日。
『NEW BLOOD 30』新木場大会当日です。

本来なら、朝から落ち着かないはずの日。
現地へ向かう電車の中でそわそわして、開場前から物販やロビーの空気を吸って、リングが見えた瞬間に「来た……」ってなるはずの日。

でもその日、私は現地にはいませんでした。

だからこそ、職場からの帰路につく中スマホをやたら確認していました。

公式のポスト。
会場に行っている方々のTL。

「フラスタ届いてるかな」
「ちゃんと立ってるかな」
「変なことになってないかな」

そんなことばっかり考えながら、落ち着かないまま通知を見ていたと思います。

しかも今回は、もうひとつ問題がありました。

私は現地に行けない。
そして、お花屋さんの都合上、このタイミングではまだフラスタの写真が手元にない。

サプライズだ何だと自分で言っておきながら

「やばい……写真がないわ……」

と、ここにきて急に青ざめました。

会場にちゃんと届いているはずなのに、
その姿を自分で確認できない。

それが思っていた以上にそわそわして、結局私はX(Twitter)で、半分祈るような気持ちでこんなお願いをしました。


我ながら、何もかもが回りくどいですね……。
“なんとは言いませんが、ある物をアレしたので”で通じると思ってるあたり、オタクの悪い癖が出ています。

サプライズと未練と照れくささが全部混ざった、あまりにもオタクなお願いだったと思います。

でも、そんな曖昧な呼びかけに、フォロワーさんたちが暖かく反応してくださったんです。


◾︎ フォロワーさんが見せてくれた、新木場の花


リプライに写真が届いた時、本当にありがたくて、ちょっと泣きそうになりました。

現地に行けない私の代わりに
会場で見つけて、撮って、送ってくださる人がいる。

そのこと自体が、もうすでに嬉しかったです。

そして、届いた写真の中に、ちゃんと私のフラスタがありました。

「あっ」

って、ほんとに声が出ました。

フォロワーさんからお借りしました📷


ちゃんとそこに立っていたんです。
自分が発注して、自分でイラストを作って、自分であれこれ悩んで送り出した花が、ほんとうに新木場に咲いている。

色味も、自分が思い描いていたよりずっと華やかで、自作パネルもちゃんと馴染んでいて、立て札も含めて、きちんと“お祝いの花”として立っている。

その姿を見た瞬間──
現地に行けなかった悔しさが、少しだけ報われた気がしました。

私自身は会場にいません。
でも、自分の「おめでとう」はちゃんと新木場に届いていた。

それだけで、かなり救われたんです。

しかも今回は、ただ花を出しただけじゃなくて、
一周年当日に投稿していたイラストと、こっそり繋がっているフラスタパネルでもありました。

自分の中ではかなり「仕込んだ」つもりだったものが、
こうして実際に会場でひとつの形になっているのを見ると、じわじわと嬉しさが込み上げてきました。

現地に行けない。
でも、祝いたい。
その気持ちが、ちゃんと花の形になって立ってくれていた。

あれを見た時点で、この一周年はもう
「何もできなかった日」じゃなくなっていました。

改めて、写真を送ってくださったフォロワーの皆さまには感謝しかありません。

そして、現在当記事のヘッダーで使わせていただいているフラスタ写真も、フォロワーさんが撮ってくださったものです。
快く使用を許可してくださったことも含めて、この場でもう一度、心からお礼をお伝えしたいです。

私ひとりでは見られなかった一周年の景色を、見せてくださってありがとうございました。


◾︎ 一周年の新木場に、令和七年組が揃う


そしてこの日の『NEW BLOOD 30』は、
私にとってもうひとつ特別な意味を持つ大会でもありました。

令和七年組が、改めて揃う場。

あんね選手の一周年というだけでも十分に特別なのに、
その節目の大会で、令和七年組の面々がまた同じ場所に並ぶ。

それだけで、かなり胸にくるものがありました。

この一年、それぞれが違う形で闘って、進んで、時には先に白星をつかんで、時には苦しい時間を抱えながら、それでもリングに立ち続けてきた。

その中で迎える、あんね選手のデビュー1周年当日。

だからこの大会は、
ただの「一周年の大会」ではなくて、
この一年の積み重ねが改めて同じ場所に集まる日
のようにも見えたんです。

フラスタの写真を見て、
会場の空気を想像して、
ポストや実況を追いながら、
私の気持ちはどんどん新木場へ向かっていきました。

ここから先は、
そんな一周年当日のリングの話をしていきたいと思います。


◆「おかえり」と「ただいま」の第一試合──羽南&飯田沙耶&姫ゆりあ vs. 浜辺纏&金屋あんね&儛島エマ


(※この大会での試合は、STARDOM公式の上記動画から無料視聴できます。詳細な試合展開や攻防などは、ぜひ実際の試合映像でご覧ください)

今回の『NEW BLOOD 30』で、まず「うわ、この第一試合めちゃくちゃいいな」と思ったのが、この6人タッグでした。

◆6人タッグマッチ
羽南&飯田沙耶&姫ゆりあ
vs
浜辺纏&金屋あんね&儛島エマ


羽南選手と飯田沙耶選手。

STARSのツートップとも言えるwing☆gori(ウィンゴリ)の二人が、久々にNEW BLOODマットへ参戦。

しかもただの参戦ではありません。

羽南選手はシンデレラトーナメント優勝者であり、次期ワンダー・オブ・スターダム王座挑戦者。
飯田沙耶選手も、昨年いち早くワンダー・オブ・スターダム王座へ挑んでいた超実力派で、もはやスターダムの顔のひとりと言っていい存在です。

そんな二人が、同じSTARS所属の令和7年組・姫ゆりあ選手を引き連れて、この節目の大会の第一試合に立ってくれた。

それだけで、もうかなり“始まりの一戦”としての説得力がありました。

一方の赤コーナーも、負けず劣らず熱い布陣です。

儛島エマ選手、そして浜辺纏選手。
この試合は、二人にとっての復帰戦でもありました。

特に纏選手は二度目の復帰戦。
一度リングから離れた時間を経て、もう一度戻ってくることのしんどさも怖さも、簡単な言葉では言い表せないものがあるはずです。

だからこそ、その二人の隣に立つのが金屋あんね選手だった、ということにもすごく意味を感じました。

あんね選手自身、長い欠場期間を経験してきた選手です。
誰よりも“リングに戻ってくるまでの痛み”が分かるだろう人が、同じコーナーに立っている。

画面越しに見ていても、そこにはただのタッグ以上に、

「おかえり」「ただいま」

を、背中越しにやり取りしているような空気があった気がします。

そして何より、この6人が揃ったことで、

「あ、ここからいよいよ令和7年組の新人王トーナメントが始まるんだ……」

という実感が、一気に現実味を帯びてきました。


◾︎ 復帰戦とは思えないスピードと、「おかえり」の側にいたあんね選手


試合が始まってまず驚いたのが、復帰戦組二人のスピードでした。

纏選手もエマ選手も、正直「本当に復帰戦?」と声が出そうになるくらい動きが速い。

とくに連携に入った時のコンボのスピード感はかなり印象的で、久しぶりのリングとは思えないくらいテンポが良かったです。

そして、その二人を迎える側のあんね選手もまた、いつも以上に動きが速かった。

ただ自分が前へ出るだけじゃなくて、
二人が戻ってきたリングの流れをちゃんと前に転がそうとするような、
そんな勢いで飛び込んでいたのが印象に残りました。

“おかえり”を受け止める側のエネルギーも、確かにそこにあったんですよね。

結果としては、纏選手を相手に羽南選手がスリーカウントを奪って試合終了。

数字だけ見れば、そこで試合は終わります。

でも、この試合で自分の中に強く残ったのは、勝敗表の一行よりも、その直後の一瞬でした。

纏選手が倒れたあと、あんね選手がぱっと纏選手の方を確認した時の、あの表情。

ほんの一瞬だったんですけど、そこに私は

「よく帰ってきたね」

みたいな、なんとも言えない感情を見た気がして、胸がぎゅっとなりました。

リングの上は厳しい。
でも、その厳しさの中にちゃんと“帰ってきた仲間”を見る目があった。

あの一瞬、すごく好きでした。


◾︎ 「やっとこの代が揃ったね」——新人王、ついに動き出す


そして、この試合の熱はここで終わりません。

試合後、羽南選手がまず纏選手とエマ選手の復帰を労ったうえで、こう口火を切ります。

「やっとこの代が揃ったね。ってことは、みんなも思ってるし私も見たいと思ってるんだけどさ! 新人王どうですか〜!?」

この一言が、もうめちゃくちゃ良かった。



ただ試合を締めるだけじゃなくて、
“ここから先の令和7年組”をちゃんと見据えたマイクだったからです。

そこへ、令和7年組である鉄アキラ選手と古沢稀杏選手もリングへ呼び込まれ、ついに岡田社長の口から改めて『新人王決定戦』開催決定が告げられました。

3.31後楽園でのトーナメント抽選。
そして、4.4大阪での開催。

その発表が出た瞬間、
いよいよ始まるんだ、という高揚感が一気に押し寄せてきました。

そしてリングの上には、令和7年組の6人。
それぞれが一言ずつ、意気込みを語っていきます。


◾︎ 鉄アキラ選手の“待ち焦がれていた頂”と、あんね選手の燃え盛るマイク


この場面で、とくに印象に残ったのが鉄アキラ選手のコメントでした。

アキラ選手は、新人王開催をずっと熱望してきた選手です。
バックステージコメントでも、まず真っ先にその言葉を出すくらい、このトーナメントに対する思いが強かった。



だからこそ、その口から出る言葉は重く、熱く、
“ずっと待ち焦がれていた頂に乗る”
というギラギラした意志そのものに見えました。

そして、続いてあんね選手がマイクを持ちます。


あんね選手もまた、これまで何度もバックステージで新人王開催への思いを口にしてきたひとりです。

私はその姿を見ながら、滋賀大会でアキラ選手にあんね選手が一発張った、あの気合いの入り方まで思い出していました。

そんな中で、あんね選手が放った言葉がこれです。

「私は同期で唯一未勝利。新人王──ここで勝つしかないでしょ!!!」
「未勝利からのチャンピオンになって、私がいちばん強いって証明してやるから!!!」
「あんねにかかって来いや!!!」

もう、めちゃくちゃ痺れました。

欠場していた二人の分まで、そしてここまで勝てない悔しさを抱えてきた自分の分まで──全部ひっくるめて燃やしているようなマイクだったからです。

勝てないことへのフラストレーション。
それでも折れない気持ち。
ここで絶対に掴んでやる、という剥き出しの意志。

その全部が、あんね選手の言葉から真っすぐ飛んできて、画面越しでも心をぎゅっと握られるようでした。

あれはもう、あんね選手の中のうちな〜魂が、完全に燃え上がっていたと言っていいと思います。


◾︎ 一周年当日に見えたのは、「ここから始まる令和7年組」だった


4.4大阪で開幕。
その組み合わせは3.31後楽園で抽選。

個人的なことを言えば、私はその両日とも参戦予定だったので、この発表はもう普通に激アツでした。

でも、それ以上に強く感じたのは、
あんね選手のデビュー1周年当日に見えた景色が、
ただ「一年経ちました」という節目だけじゃなかったことです。

そこには……。

「ここから、令和7年組が本格的にぶつかり合っていく」

という、もうひとつ先の物語の始まりがありました。

一周年を祝う日でありながら、
次の戦いの火ぶたが切って落とされた日でもあった。

だからこの『NEW BLOOD 30』の第一試合とその後のマイクは、
私の中では単なる“大会の最初の一場面”ではなく、

「金屋あんね選手の一周年」「令和7年組の次の章」が、同時に動き出した瞬間

として、かなり強く刻まれています。


◆ 余談という名のオチ──フラスタのその後の話


……と、ここまでわりと真面目に
「現地に行けなかったオタクが、どうやって推しの一周年を見届け、祝おうとしたか」
みたいな話を書いてきたんですが。

最後にひとつ、どうしても書いておきたい余談という名のオチがあります。

話はもう一度、フラスタに戻ります。

大会を見届けて、一段落して。
私も改めて、Twitterで『あんね選手デビュー1周年のお祝いとしてフラスタを贈りました』という報告をしました。



現地に行けなかったこと。
でも、それでも祝いたくて花を立てたこと。
そんなことを、ようやく少し落ち着いた気持ちで言葉にして。

そのあとは、数日後に控えた即売会に向けて、また細々とした準備に戻っていました。

値札。
袋。
頒布物の確認。
荷物のチェック。

そういう「今日はもうこのへんで区切って、そろそろ寝るか……」みたいな時間帯です。

オタク、ようやく一日の終わりにたどり着いた。
さあ寝るぞ。今日は頑張った。
うん、寝よう。

──と思った、その矢先でした。




◾︎ 深夜に一段落したオタクが、まさかの“推しの2S&直撃フラスタ感想”を食らう


ひとつ、ふたつと通知が来ました。

何気なくスマホを見て──その画面を開いた瞬間、私はしばらく思考が止まりました。そしてしばらく意味が分かりませんでした。

「えぇっ!?!?!?!?」

って、普通に声が出たあと、言葉を失いました。


だって、そこにあったのは──

あんね選手が、私の贈ったフラスタと一緒に写っている写真だったのです。



あんね選手が、フラスタと一緒に写真を撮ってくれている……!?


しかもただ「見ました」だけじゃなくて。
ただ「ありがとうございます」でもなくて。
ちゃんと隣に立って、笑って、2ショットで。

いや待って待って待って待って。

推しとフラスタの2ショットが飛んでくるんですよ?
『オタクの心臓、そういう急展開に全然強くないんですけど!?えっ!?いいんですか!?!?』と、思いながらキャーキャーしていると……

Twitterだけじゃありませんでした。

インスタにも。

いや、ちょっと待ってほしい。

待ってください

誰に待つねん、いや情緒が、いや心臓が、だから何に待つねん!!と、待ってくださいの大ループ。

こっちはもう
「フラスタ届いてよかった……」
「写真も見れた……」
「大会良かったな……」
「じゃあ寝るか……」
くらいのテンションまで着地していたんです。

そこへ急に、推しとフラスタの2ショット写真が飛んでくるんですよ!?

いやもう、これはさすがに……
ありがたすぎるでしょう。

うれしい、もちろんうれしい。
でもそれ以上に、まず
「えっ、こんなに丁寧に受け取ってくださるんだ……」
という気持ちが先に来ました。

◾︎ 「幸せ空間」で、まず一回ダメになる


しかも、あんね選手が添えてくれていた言葉が、また、あまりにもやさしかったんです。


「フラスタ届きましたッ…!🌺」
「あんねカラーのお花✨」
「イラストもすごく素敵で幸せ空間……🥺」
「デビュー1周年のお祝いをしていただきありがとうございました☺️」

この時点で、もう胸がいっぱいでした。

“届いた”だけじゃないんですよ。

ちゃんと
「あんねカラー」
って見てくださっていて、
「イラストも素敵」
って言ってくださっていて、
そのうえで
「幸せ空間」
って、空気ごと受け取ってくださっている。

現地に行けなかったオタクが、
「せめて何か形にしたい」と思って立てたお花を、
自分の一周年の景色として見てくれている。

その事実だけで、もう胸がいっぱいでした。
そのことが、ただただありがたかったです。

現地に行けなかったこと。
悔しくて、未練たらたらで、悩みに悩んで、
それでも「何もできなかった」にしたくなくて、フラスタを立てたこと。
サプライズのつもりで、イラストを仕込んだこと。
写真がなくてフォロワーさんに助けてもらったこと。
大会を見届けて、ようやくひと息ついた深夜のこと。

その全部が「幸せ空間」の一言でぶわっと報われてしまったわけです。



◾︎ 「ボードお持ち帰りしました」で、オタクの情緒が完全に終わる


でも、本番はここからでした。

X(Twitter)のALTにも、こんな言葉が添えられていました。

「ボードお持ち帰りしました🙇‍♀️✨
「お花も全部持ち帰りたかったよ〜〜」
「本当にありがとうございます


……これはさすがに沁みます。泣きました。

まず、ボードを持ち帰ってくれた。

この時点で十分すぎるくらいありがたいのに、
さらに「お花も全部持ち帰りたかったよ〜〜」
とまで言ってくださっている。

もちろん、フラスタって会場に飾るものだし、
物理的に全部そのまま持ち帰るのが難しいことくらい、オタクだって分かっています。

分かっているんですけど……それでも、その一言だけで伝わってくるじゃないですか。

「ちゃんと嬉しく思ってくださったんだ」
「ちゃんと受け取ってくださったんだ」
「ただ会場にあった花じゃなくて、自分の一周年のお祝いとして見てくださっていたんだ」


って。

あの文章を見た時、“うれしい”より先にありがたいが来ました。

こんなに丁寧に、やさしく、言葉にしてもらえるなんて思っていなかったからです。

もうその事実で、静かに崩れました。

いや、全然静かではなかったかもしれない。

深夜に「えっ……えっ……ほんと……!?」って言ってました。なんだったら涙でスマホの画面が潤むくらい。だいぶ不審者です。


◾︎ 「嬉しくてブレた」で、全部持っていかれた


そして極めつけ。
あんね選手のストーリーズにあったショットのひとつ。

そこに載っていたのは、
フラスタの前で、ぶれぶれになっているあんね選手の躍動感全開のお写真。

そこに添えられていた言葉が──

「嬉しくてブレた」

という一言でした。

……もう、これがあまりにも良くて。

ちゃんと喜んでくれたこと。
その嬉しさが、そのまま写真にまで出てしまっていること。
そういう喜びを全身で表す所まで含めて、すごくあんね選手らしいなと思いました。

…………いや、もう、ほんとに、ずるい。

そんなの、かわいすぎるし、うれしすぎるし、反則なんですよ。


こっちはさんざん
「現地行けない……」
「一周年なのに何もできないのつらい……」
「いやでもフラスタなら……!」
「写真ないんですけど!?!?!?」
って、勝手にドタバタしていたわけです。

その全部の先に待っていたのが、推しの

「嬉しくてブレた」

なんですよ?

しかも、その“ブレ”が、めちゃくちゃあんね選手らしい表現でさらに涙しました。

綺麗に撮れた記念写真ももちろん嬉しい。
でも、あの“嬉しくてブレた”一枚には、
それ以上に、あんね選手の気持ちがそのまま乗っているように見えたんです。

こんなん、オタクとしてあまりにも出来すぎた話じゃないですか。

現地に行けなかった。
でも、祝いたかった。
その気持ちに対して返ってきたのが、
あんなにもまっすぐな「嬉しい」だった。

あれを見た瞬間、
「ああ、ちゃんと届いてよかった......」
と、ようやく心の底から思えた気がします。

だからこそ、あれは私にとって
ただのおもしろい一枚じゃなくて、
すごく大事な「ありがとう」の形でした。



◾︎ 「寝るか」と思っていたオタク、当然ながら寝られなくなる


結果から言います。

その夜は、当然ながら寝られませんでした。

そりゃそうです。

「今日はここまでにして、もう寝ようかな」
と思っていたところに、

推しが笑顔でフラスタと2ショットを撮って、
Twitterにもインスタにも載せて、
「幸せ空間」って言ってくれて、
ボードを持ち帰ってくれて、
「嬉しくてブレた」まで見せてくれた。



そんな夜に「はい、おやすみ」と健康的に眠れるオタクは、かなり強い人だと思います。

スクショを撮って、見返して、また見返して、
「ほんとに……?」って呟いて、
また見返して。

完全に深夜のハイビスカス祭りです。

でも、その寝不足すら、なんだかとっても幸せでした。

だってあの夜、
現地に行けなかったオタクの「おめでとう」は、
ちゃんと届いただけじゃなくて、

推しの笑顔と、推しの言葉と、推しの“嬉しくてブレた”で返ってきたんですから。

それって、オタクとしてかなりこれ以上ない喜びであり、とんでもないことです。


◾︎ 一周年を祝うって、こういうことだったのかもしれない


この第十一話は、
“推しの一周年を祝う”話として書いてきました。


現地に行けなかったこと。
それでも花を立てたこと。
リングの上で始まった新人王の熱も、
全部、私にとっては確かに一周年の景色でした。

しかも、話はそこで終わりませんでした。

ここまで第十一話を書いている間に、ふとあんね選手のTwitterを見に行ったんです。

そうしたら──
なんと、ヘッダーにまでしてくださっていたのです。

フラスタの前で笑ってくれて、
「幸せ空間」と言ってくれて、
ボードまで持ち帰ってくれて、
「嬉しくてブレた」まで見せてくれて。

それだけでも、もう十分すぎるくらいありがたかったのに。

そのうえで、ふと見に行った先で、
あんね選手のTwitterのいちばん上に、あのフラスタの写真があった。

その光景を見た瞬間──
「えっ……!?」と声が出て、そのあとじわじわ実感が追いついてきて、ほんとうに胸がいっぱいになりました。

現地に行けなかったオタクが、
せめて何か形にしたいと思って贈った一周年のお祝いが、あんね選手のページのいちばん目立つ場所に、ちゃんと置かれている。

「そんなこと、あるんだ……」と、胸の中で『感無量』という言葉以外、思い当たる言葉がありませんでした。

もちろん、ただ「うれしい!」だけじゃなくて、
そこまで大切に受け取ってもらえたことが、何よりありがたかったです。

あの花を見てくれたこと。
言葉にして返してくれたこと。
写真を撮ってくれたこと。
ボードを持ち帰ってくれたこと。
そして、ヘッダーにまでしてくれたこと。


そのひとつひとつが、
「ちゃんと届いていたんだ」
って、何度も何度も教えてくれるようでした。

現地に行けなかった。
でも、ちゃんと祝えた。
そして、ちゃんと届いた。

『NEW BLOOD 30』新木場大会は、
私にとってそんな、ありがたさが何度も何度も押し寄せてくる一周年の夜でした。

改めまして、金屋あんね選手。
デビュー一周年、おめでとうございます
🌺

次回は、3.31後楽園ホール大会回を更新予定です。
人生初の後楽園ホール。
果たしてオタクは“プロレスの聖地”でどんな景色を見られるのか。
そして、その聖地で輝くハイビスカス色のあんね選手が、どんな光を咲かせるのか。
この目で見届けたものを、また自分なりの言葉にできたらと思っています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
さんせ三世でした🌺

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