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「つい言いたくなる」を、ぐっとこらえて。子どもの心が本当に求めている親の「見守る力」とは

こんにちは。 アスリートの心を育む”親子の伴走者”、メンタルコーチの杉村康之です。

先日、コーチングサポートを続けているユース世代の男子選手のお母さんが、とても穏やかな表情でこうおっしゃいました。

「前は、つい色々と小言のように言っていましたけど…。最近は本人が自分の課題と向き合って、心が整って落ち着いて努力をしているのが分かるので、私は何も言わずに、ただ見守っているんです

この「見守る」という言葉。 シンプルですが、アスリートのお子さんを持つ親御さんにとって、これほど実践が難しく、そしてパワフルなサポートはないと私は感じています。

お子さんを想うからこそ、何か声をかけたくなる。 お子さんが苦しそうなら、早く助け出したくなる。

そのお気持ちは、痛いほど分かります。 しかし、そんな時だからこそ、「言わずに見守る」ことが、お子さんの未来の糧になるのです。 今日は、その「見守る力」について、少しお話しさせてください。


お子さんが落ち込んでいる時、親の心も「ざわついて」いませんか?


親御さんから、こんなお話をよく伺います。

「子どもが試合に負けて落ち込んでいると、見ているこっちが耐えられなくて、つい何か言いたくなるんです」 「そんな時、自分(親)も一緒に心がざわついてしまって…。うまく言葉が出てこないどころか、余計なことを言ってしまう気がします」

大切なお子さんが、目標としてきた試合に負けたり、努力が報われなかったりして、どん底まで落ち込んでいる姿を見るのは、親として本当に辛い瞬間ですよね。

「なんとかしてあげたい」 「早く元気になってほしい」

そう願うあまり、つい励ましの言葉や、時には「あの時の、あそこがダメだったんじゃない?」なんていうアドバイスめいた言葉をかけてしまいがちです。

でも、ちょっと待ってください。 お子さんがネガティブな感情に苛まれている時こそ、周囲の、特に親御さんの「安定した見守り」が何よりも大切なのです。


心が震えている時、言葉は届かない


想像してみてください。 お子さんは今、心から「勝ちたい」と願っていた試合に敗れ、悔しさ、悲しさ、情けなさ、あるいは「もうイヤだ」という絶望感で、心が激しく震えています。

そんな時に、たとえそれがどんなに正論のアドバイスであっても、温かい励ましであったとしても、その言葉は心の表面を滑っていくだけで、奥深くまでは届きません。

それどころか、言葉が逆効果となり、お子さんの気持ちを更に揺さぶってしまうことさえあるのです。 「そんなこと言われなくても分かってる!」 「お母さん(お父さん)に何が分かるんだ!」 そんな風に、心を閉ざしてしまうきっかけにもなりかねません。


大切なのは「感情を感じ切る」時間


私たち大人は、ネガティブな感情を「悪いもの」と捉え、早くそこから抜け出させようとしがちです。 しかし、実は「感情は消費するもの」なのです。

「悔しい」「悲しい」「もうイヤだ」

こうしたすべての感情は、無理にフタをしたり、ごまかしたりするのではなく、しっかりと「感じ切る」ことが非常に重要です。 お子さんには、安全な場所で、そのネガティブな感情を存分に味わい、消費し尽くす時間が必要なのです。

そして、不思議なもので、感情をとことん感じ切ると、心にぽっかりと「隙間」ができます。 その時こそ、お子さん自身に「客観性」が戻ってくる瞬間です。 「あぁ、悔しかったな。…じゃあ、次はどうしようか」 と、自然に前を向けるようになるのです。


親ができる最強のサポート、それは「日常」


では、お子さんが感情を感じ切っている間、親御さんは何をすればよいのでしょうか。

答えは、「何もしなくていい」のです。 ただ、そのプロセスを、そっと見守ってあげてください。

急いでアドバイスをする必要はありません。 すぐに「どうだったの?」と問いかける必要もありません。

お子さんの心の状態を察しつつも、親御さんは「いつもの状態」でいること。 いつもと同じ時間に食卓を囲み、「ご飯できたよ」と声をかける。 いつもと同じように、リビングでくつろぐ。

お子さんにとって、親御さんが見せる「いつもと変わらない日常」こそが、心の安定を取り戻す最大のきっかけになります。 「何があっても、ここ(家庭)は安全だ」 「自分は受け入れられている」 その安心感が、お子さんが再び立ち上がるための土台となるのです。

お子さんが高ぶった感情からすっと戻ってきた、その瞬間。 ただ、温かい眼差しで心の中で『おかえリ』と迎えてあげてください。 親御さんのそんな落ち着いた態度こそが、お子さんが安心してまた前を向いて歩む気持ちを、静かに、しかし力強く育んでいきます。


自分で立ち上がる「経験」こそが、心の財産になる


親御さんから見れば、もどかしい時間かもしれません。 しかし、この「自分で悩み、感情を感じ切り、そして自分自身で立ち上がる」という経験こそが、お子さんの人生の経験値を積み上げ、心の成長を促します。

スポーツは、人生の縮図。 競技の成績以上に大切な、自分の力で乗り越えられる「しなやかな心」。それこそが、お子さんにとっての一生の財産です。

親御さんができるのは、時間軸を長く、俯瞰して、お子さんの成長を信じて眺めてあげること。親御さんがつくってくれた「安心感」という名の心のベース(安全基地)があるからこそ、お子さんは思い切って次のチャレンジができるのです。

「見守る」ことは、簡単なことではありません。 お子さんを信じる強さと、親御さん自身の心の安定が不可欠です。

もし今、お子さんのことで心がざわつき、「信じて見守りたいけれど、どうしていいか分からない」と悩んでいらっしゃるなら、どうぞお一人で抱え込まないでください。

私は、そんなお子さんの成長を心から願い、奮闘する親御さんの「心の伴走者」でありたいと思っています。 
本当の「見守る力」を、一緒に育んでいきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

メンタルコーチ 杉村康之

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「子供のために、もっと自分にできることはないだろうか?」 そう願う一方で、試合のたびに一喜一憂し、つい感情的になってしまう…。

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