【子どものお金教育|第3回】1億円あったら、もう働かなくていい?「お金に働いてもらう」という考え方
前回の記事では、「20代は、金融投資より自分に投資しろ」という話を書きました。
10万円を自分に投資して、その結果、毎月1万円多く稼げるようになったとする。その1万円を40年間積み立てて、年7.2%で運用できたと仮定すると、約2,600万円になります。
もちろん、こんなにうまくいくとは限りません。
でも、
自分に投資する
→稼ぐ力が大きくなる
→生まれたお金を投資する
→さらにお金が増える
こんな循環がつくれたら、人生はずいぶん変わります。
そこで今回は、もう少し大きな夢の話をしてみます。
もし、君が1億円持っていたらどうなるでしょうか?
ここで、今回の4択クイズです
1億円を持っていて、そのお金を年5%で運用できたとします。
1年間で増えるお金はいくらでしょう?
1.50万円
2.100万円
3.500万円
4.1,000万円
少し考えてみてください。
・・・・
・・・・
・・・・
正解は、
3番の500万円です。
1億円 × 5% = 500万円。
1年間で500万円です。
自分で500万円を稼ごうと思ったら、なかなか大変です。毎朝起きて、仕事に行って、何時間も働いて。それを1年間続けて500万円を稼ぐ。
ところが、1億円を年5%で運用できたとすれば、その1億円が500万円を生み出してくれる可能性があります。
自分が寝ていても。
旅行していても。
ゲームをしていても。
家族と遊んでいても。
お金は働いてくれます。
これが、「お金に働いてもらう」という考え方です。

100万円でも、お金は働いてくれる
もちろん、最初から1億円を持っている人はほとんどいません。
でも、金額が違うだけで仕組みは同じです。
年5%なら、
100万円 → 1年間で5万円
1,000万円 → 1年間で50万円
1億円 → 1年間で500万円
という計算になります。
最初は小さな力です。でも、お金が増えていくと、「お金が生み出すお金」も大きくなっていきます。
だから第1回で、子どもたちに100万円を渡して、まず投資をしてもらおうという話を書きました。
100万円は、単なる100万円ではありません。
自分の代わりに、これから何十年も働いてくれる最初の一人目。
そんなイメージです。
じゃあ、1億円あったら働かなくていいの?
「1億円で年間500万円増えるなら、もう働かなくていいじゃん!」
そう思いますよね。
理屈だけでいえば、それに近い状態を作ることはできます。
たとえば生活費が年間300万円の人がいて、資産からそれ以上のお金を継続的に生み出せるのであれば、「生活のために絶対に働かなければならない」
という状態から抜けられる可能性があります。
これが、よく言われる「経済的自由」の一つの考え方です。
ただし、ここは注意。
実際の投資は毎年5%ずつきれいに増えるわけではありません。
10%増える年もあれば、20%、30%と下がる年もあります。
税金や物価上昇もあります。
だから、「1億円あれば一生年間500万円使っても絶対になくならない」という話ではありません。ここで伝えたいのは、そこではありません。
世の中には、「自分が働いてお金を稼ぐ」以外にも、お金を生み出す方法がある。ということです。
働いてくれるのは「自分」だけじゃない
18歳くらいまで学校に通っていると、
「大人になったら会社に入って、働いて、給料をもらう」
というのが普通の人生に見えるかもしれません。
もちろん、それも立派な生き方です。でも、世の中のお金の流れをよく見てみると、それだけではありません。
私は、大きく3つの働き方があると思っています。
① 自分が働く
会社員やアルバイト、フリーランスなどです。
自分の時間や能力を使って価値を提供し、その対価としてお金をもらいます。
② 人や仕組みに働いてもらう
会社を作って、商品やサービスが売れる仕組みを作る。
自分一人が働いた分だけではなく、会社や仕組み全体が価値を生み出します。
これは経営者の世界です。
③ お金に働いてもらう
株式などの資産を持つことで、企業や経済の成長から利益を得る。
これは投資家の世界です。

自分が働く。
仕組みが働く。
お金が働く。
この3つを知っているだけでも、将来の選択肢はかなり変わってくると思います。
「どれだけ働くか」も、自分で選べる
私は、子どもたちに経営者になってほしいわけではありません。
「会社員なんてやめた方がいい」と言いたいわけでもありません。
むしろ若いうちは、会社員として働くのはとても良い選択だと思っています。
給料をもらいながら仕事を覚えられるし、先輩や上司から学べる。会社のお金を使って、自分一人ではできないような大きな仕事を経験できることもあります。
実際、私自身も会社員として一生懸命働いていた時期があります。
フルタイムで働き、忙しいときには毎日深夜2時頃まで仕事をしていたこともありました。当時は、とにかく働いて、稼いで、経験を積んで、自分の力を高めていく時期でした。
でも今は、働き方がまったく違います。
仕事をするのは週に2日くらい。それ以外の時間は、妻と出かけたり、家族と過ごしたり、運動したり、本を読んだり、自分がやりたいことをして過ごしています。
仕事をしたくなくなったわけではありません。むしろ、今でも仕事は好きです。
ただ、「生活するために、毎日働かなければならない」という状態ではなくなりました。
自分が働いて得るお金だけでなく、それまでに作った資産にも働いてもらっているからです。
だから今は、
たくさん働きたければ働く。
やりたい仕事だけをする。
家族との時間を増やしたければ、仕事を減らす。
そんな選択ができます。
私は、子どもたちにもこういう可能性があることを知っておいてほしいと思っています。
目指してほしいのは、「働かない人生」ではありません。
「働くか、働かないか。何の仕事をするか。どれくらい働くか。それを自分で選べる人生」です。
その自由をつくる手段の一つが、「お金に働いてもらう」ということです。知らなければ、選べません。でも知っていれば、人生の選択肢は大きく広がります。
私は、お金について学ぶ大きな意味は、ここにあると思っています。

お金持ちになりたい、でいい
子どもが、「お金持ちになりたい!」
と言ったら、私は別に止めなくていいと思っています。
むしろ、「いいじゃん。じゃあ、どうやったらなれるか考えてみよう」でいい。
高級車に乗りたい。
世界中を旅行したい。
大きな家に住みたい。
好きなものを好きなだけ買いたい。
若いうちは、そんな理由だっていいと思います。
お金に興味を持って、自分で調べて、どうすれば増やせるのかを考える。
そこから経済や会社、仕事、投資の仕組みに興味を持つかもしれません。
そして勉強していけば、そのうち気づくと思います。
お金が欲しかった本当の理由は、「1億円」という数字そのものではなかった、と。
好きな場所に行けること。
嫌な仕事を無理に続けなくていいこと。
家族との時間を大切にできること。
やりたいことに挑戦できること。
困っている人を助けられること。
つまり、お金の先に欲しかったものは、
「自分の人生を、自分で選べる自由」だったりします。
でも、それに気づくのはもっと先でいい。
今はまず、「お金って、おもしろい!」と思ってもらえたら十分です。
じゃあ、どうやって1億円を作る?
ここで子どもたちには、こんな質問をしてみたいと思います。
「もし40歳までに1億円を作るとしたら、君ならどうする?」
会社員としてたくさん稼ぐ?
すごい技術を身につける?
商売を始める?
会社を作る?
投資する?
それとも、全部組み合わせる?
もちろん、今すぐ答えが分かる必要はありません。
「そんなの無理だよ」でもいい。
でも一度、「どうやったらできるんだろう?」と考えてみてほしい。
この問いを持つだけで、仕事やお金を見る目が少し変わると思います。
今回の課題――君なら1億円で何をする?
今回の課題はシンプルです。
もし今、1億円を持っていたら、
① 何に使いたい?
② それでも仕事をする?
③ するとしたら、どんな仕事をしたい?
正しい答えはありません。
全部使って世界一周したいでもいい。
豪邸を買いたいでもいい。
投資してもっと増やしたいでもいい。
会社を作りたいでもいい。
働かずに毎日遊びたいでもいい(笑)。
まずは、お金があったらどんな人生が可能になるのか、自由に想像してみる。そこから始めたいと思っています。
お金は、我慢するために学ぶものではありません。
人生の可能性を広げるために学ぶものです。
次回は、さらにその世界を広げてみます。
会社員、自営業・フリーランス、経営者、投資家。
世の中には、「給料をもらって働く」以外にも、いろいろなお金の稼ぎ方があります。
次回は、「会社員だけが人生じゃない。経営者・投資家という生き方」
について考えてみます。
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