【子どものお金教育|第4回】ラーメン屋さんは会社員?自営業?経営者?投資家?――学校では教えてくれない「もう一つの仕事の選び方」
前回の記事では、「1億円あったら、もう働かなくていい?」という話から、「お金に働いてもらう」という考え方について書きました。
・自分が働く。
・人や仕組みに働いてもらう。
・お金そのものに働いてもらう。
世の中には、「会社で働いて給料をもらう」以外にも、お金を生み出す方法があります。
それについてさらに深掘りするため、クイズから考えてみます。
いきなり4択クイズ。お金のもらい方:ラーメン屋さんはどれ?
君が将来、ラーメン屋さんの仕事をするとします。
まず、お金のもらい方には大きく4つのタイプがあります。
・E=会社やお店に雇われて働く人(会社員・従業員)
・S=自分の力で仕事をして稼ぐ人(自営業・フリーランス)
・B=人や仕組みに働いてもらう人(経営者・ビジネスオーナー)
・I=お金を使ってお金を増やす人(投資家)
さて、ラーメン屋さんは次のどれでしょう?
・E=会社員・従業員
・S=自営業・フリーランス
・B=経営者・ビジネスオーナー
・I=投資家
・・・・
・・・・
・・・・
正解は、
全部です。
「えっ、ラーメン屋さんなのに全部?」と思うかもしれません。
でも、同じラーメンの世界でも、「どうやってお金を得るか」によって全然違います。

同じラーメン屋でも、4つの生き方がある
1.E(従業員)
人気のラーメン屋さんに就職して、給料をもらいながら働く。これは、E(従業員)です。
若いうちのEは、とても良い選択だと思っています。ラーメンの作り方も、接客も、お店の運営も教えてもらえて、そのうえ給料までもらえる。考え方によっては、「お金をもらいながら通える学校」です。
2.S(自営業者)
そこで経験を積んで、
「よし。自分のラーメン屋をやろう!」
と独立したら、今度はS(自営業者)です。
自分でスープを作り、自分でラーメンを作る。うまくいけば会社員時代より稼げるかもしれません。でも、自分が1か月休めば、お店も休み。売上も止まります。
3.B(ビジネスオーナー/経営者)
では、店長やスタッフを育てて、自分がお店に行かなくてもラーメンが売れたら?
2号店、3号店と増え、自分ではなく人や仕組みが働くようになれば、B(ビジネスオーナー)の世界です。
4.I(投資家)
さらに、自分ではラーメンを一杯も作らず、ラーメン会社の株を持つ方法もあります。
会社が成長すれば、その恩恵を株主として受けられる可能性がある。
これがI(投資家)です。
つまり、
E=ラーメン屋さんで働く
S=自分でラーメン屋さんをやる
B=自分がいなくても回るラーメン屋さんをつくる
I=ラーメン会社などに投資する
同じラーメンでも、こんなに違います。
これが、『金持ち父さん 貧乏父さん』で有名なロバート・キヨサキ氏が紹介している「キャッシュフロー・クワドラント」という考え方です。

じゃあ、君はどのクワドラントになりたい?
ここで聞いてみたいと思います。
君は、将来どれになりたい?
会社で好きな仕事をするE?
自分の腕で稼ぐS?
会社やサービスを作るB?
お金に働いてもらうI?
実は、一つに決める必要はありません。
でもその前に、もう一つ考えてほしいことがあります。
「将来何になりたい?」と聞かれたら?
「将来、何になりたい?」と聞かれたら、
子供はどんなことを考えるでしょうか?
医師?教師?公務員?会社員?
という「職種」をまず考えるのではないでしょうか。
会社員なら、
「どんな業界に入りたい?」
「どんな会社に就職したい?」
と、「業界」や「会社の特徴」を考えるでしょう。
そして、その質問をしている大人も
そういう答えを期待して質問するのではないでしょうか。
もちろん、それも大切です。
でも、ここで気づいてほしいことがあります。
病院に雇われる医師も、学校に雇われる教師も、企業に雇われる会社員も、仕事の内容はまったく違いますが、「給料をもらって働く」という点では、まったく同じカテゴリーであり、基本的に同じEです。
つまり、
「何の仕事をするか?」を一生懸命考えていても、「どうやってお金を得るか?」については、何も選んでいないことがある。
つまり、職種や業界だけを考えて、クワドラントを考えていない。
これ、けっこう大事なことだと思います。
なぜ学校では、E以外の生き方をあまり教えてくれないの?
では、なぜ学校では、「将来、E・S・B・Iのどこで生きたい?」とは聞かれないのでしょうか。
理由の一つは、学校の先生の多くも、本業ではEとして働いているからだと思います。
もちろん、先生が悪いという話ではありません。
ただ、自分で商売をする。会社をつくる。仕組みから収入を得る。投資から収入を得る。こうしたことは、実際に経験したことがなければ、なかなか具体的には教えられません。
野球をやったことがない人から、プロ野球選手になる方法を教わるのが難しいのと同じです。
だから、自分が行きたい世界を、実際に経験している人から話を聞く。
これも大切な勉強だと思っています。
私が子どもたちにE・S・B・Iの話をしたいのも、私自身がこの4つを実際に経験してきたからです。
学校ではなかなか教えてもらえない「もう一つの地図」を、渡しておきたいと思っています。
仕事選びには、実は2つの質問がある
だから私は、子どもたちに仕事を選ぶとき、二つのことを考えてほしいと思っています。
一つ目は、
「自分は、何をして生きたい?」
医療でも、ゲームでも、料理でも、教育でもいい。まずは、自分が本当にやりたいと思える世界を選んでほしい。
そして二つ目が、
「その世界で、どのクワドラントを生きたい?」
たとえば医師でも、病院に勤めればE。自分でクリニックを開いて診察すればS。自分がいなくても運営できる医療法人を作ればBに近づきます。
そして、そこで得たお金を投資すればIにもなれます。
つまり、「何の仕事をするか」と「どうやってお金を得るか」は、別の話なのです。

一つのクワドラントで生きる必要もない
Eだからお金持ちになれない、という意味ではありません。
会社員でも高い収入を得られますし、資産を作って経済的自由を得ることもできます。
ただ、Eの給料だけに一生頼れば、自分が働くことへの依存は大きくなります。
だから、
会社員をしながら投資する、E+Iでもいい。
会社員をしながら副業でYouTuberをする、E+Sでもいい。
投資の収益で生活費を得て、好きな仕事を週3日だけする、S+Iでもいい。
会社を経営しながら投資する、B+Iでもいい。
もちろん、E+S+B+I、すべてにまたがってもいい。
(ちなみに現在の私は、すべてのクワドラントから収入があります)
人生の途中で変えていくこともできます。
20代はEで思い切り仕事を学ぶ。30代でSとして独立する。仕事が育ったらBの仕組みを作り、その間ずっとIも育てておく。
もちろん、ずっとEでもいい。
大切なのは、
「自分には、こんな生き方も選べる」
と知っていることです。
18歳の君は、いきなり「I」からスタートする
ここで、第1回の100万円の話につながります。
私が子どもたちに18歳で贈る100万円は、全世界株式のインデックスファンドに投資してもらいます。
つまり18歳になった時点で、
「I=投資家」
の小さな種を持つことになります。
Iの種は親からプレゼントする。
だから若いうちは、EやSの世界で思い切り経験を積んでもいい。いつか面白いアイデアが生まれたらBにも挑戦してみればいい。
その間も、18歳で植えた100万円の種には何十年も働き続けてもらう。

私は、そんな形がいいと思っています。
君は、どんな組み合わせで生きたい?
最後に今回の課題です。
30歳になった自分を想像してください。
「どこからお金が入ってきていたら面白い?」
会社から給料をもらっている?
自分の技術で稼いでいる?
小さなビジネスを持っている?
18歳で投資した100万円が育っている?
全部あってもいい。
正解はありません。
「何の仕事をするか」だけでなく、「どんな形でお金を得ながら生きたいか」まで想像してみる。
それだけで、仕事の見え方はかなり変わってきます。
働かないことが自由なのではありません。
どんな仕事をするのか。
どんな働き方をするのか。
どれくらい働くのか。
それを自分で選べることが自由です。
さて。
「E、S、B、I。
君は、どんな組み合わせで生きたい?」
次回は、
「年収1,000万円の人は、お金持ちでしょうか?」
について考えます。
年収1,000万円でも、お金に困っている人はいます。反対に、そこまで高収入ではなくても、自由に暮らしている人もいます。
なぜ、そんな違いが生まれるのでしょうか?
次回は、「たくさん稼ぐ=お金持ち」ではない理由について考えてみます。
