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【子どものお金教育|第2回】10万円の自己投資が2,600万円に? 20代は、金融投資より自分に投資しろ

前回の記事(【子どものお金教育|第1回】子どもに100万円を贈る。老後のためではなく、今を自由に生きてもらうために)では、子どもが18歳になったときに100万円を贈り、全世界株式のインデックスファンドに入れて、長い間そのまま持ち続けてもらう、という話を書きました。

ここでは分かりやすく、20歳の時点で100万円を持っているとして計算してみます。100万円が年7.2%で増えれば、約10年で2倍。
·     20歳 100万円
·     30歳 200万円
·     40歳 400万円
·     50歳 800万円
·     60歳 1,600万円
·     70歳 3,200万円

若いうちに100万円の種を植えておけば、老後に向けた大きな土台になります。

ここまで聞くと、子どもたちはこう思うかもしれません。
「じゃあ、若いうちからできるだけ節約して、全部投資に回した方がいいんだね?」

でも、私が伝えたいのは、むしろ逆です。
20代は、金融投資より自分に投資しろ。

未来のための100万円は、もう植えてあります。
だから若いうちは、本を読み、勉強し、人に会い、旅をして、仕事を覚え、失敗しながら、「自分は何をして生きたいのか」を探してほしいのです。
若いうちの自己投資には、金融投資以上のリターンを生む可能性があるからです。

ここで、今回の4択クイズです

20歳のとき、10万円を使って勉強や経験をしたとします。
その結果、できる仕事が増え、毎月の収入が1万円増えました。その差が60歳までの40年間続いたとしたら、収入の差は合計いくらになるでしょうか。

1.         48万円
2.         120万円
3.         480万円
4.         1,600万円


少し考えてみてください。
・・・・
・・・・
・・・・

正解は、3番の480万円です。
1万円×12か月×40年=480万円。
最初に使ったお金は10万円です。もし、その10万円によって毎月1万円多く稼げる力が身につけば、単純計算では48倍になって返ってくることになります。

では、同じ10万円を、年7.2%の金融投資に回したらどうなるでしょうか。
·     20歳 10万円
·     30歳 20万円
·     40歳 40万円
·     50歳 80万円
·     60歳 160万円

10万円の金融投資は、40年後に約160万円。
10万円の自己投資によって毎月1万円多く稼げれば、40年間で480万円。

もちろん、自己投資をすれば必ず収入が増えるわけではありません。それでも、若いときの10万円には、未来の「稼ぐ力」に変わる可能性があります。

本当に大きいのは、480万円ではない


自己投資によって毎月1万円多く稼げるようになったとします。
その1万円を、どう使うか?
ここからが大切です。

そのお金で、本を買ってもいい。
新しい技術を学んでもいい。
人に会いに行ってもいい。
旅をして、知らない世界を見てもいい。

最初の自己投資によって生まれた1万円を、次の自己投資に使えば、さらにできることが増えていきます。

自己投資が、次の自己投資を生む。
これも一つの複利です。

もちろん、金融投資に回すこともできます。
20歳から60歳まで、増えた1万円を毎月積み立て、年7.2%で運用できたとすると、積立元本480万円が約2,600万円になります。

つまり、

10万円を自分に投資する

毎月1万円多く稼げるようになる

その1万円を金融投資で育てる

40年後、約2,600万円になる可能性がある

ということです。

ただし、2,600万円をつくることだけが正解ではありません。
増えた1万円を使って、さらに自分を育ててもいい。今しかできない経験をしてもいい。将来のために投資してもいい。

自己投資の大きなリターンは、収入だけではありません。
自分で使い道を選べるお金と、人生の選択肢が増えることです。

※数字は分かりやすく考えるための概算で、収入の増加や運用成果を保証するものではありません。

若い人の最大の資産は「時間」


20歳の人は、まだ多くのお金を持っていないかもしれません。
でも、時間があります。20歳で身につけた知識や技術は、その後40年、50年と使える可能性があります。

しかも、学びは一度で終わりません。

知識が経験を生む。
経験が信用を生む。
信用が、新しい仕事や出会いを生む。

その仕事や出会いが、また次の経験につながります。
お金だけでなく、人の成長にも複利が働くのです。

だから若いうちは、少ないお金を増やすことだけでなく、そのお金を生み出す自分自身を育ててほしいと思っています。

自己投資は、資格を取ることだけではありません


「自己投資」と聞くと、資格の勉強や高額な講座を思い浮かべるかもしれません。でも、それだけではありません。

·     本を読んだり、興味のあることを学ぶ
·     会いたい人に会う
·     知らない場所へ旅をする
·     自分で何かをつくって、人に届けてみる
·     健康のために時間とお金を使う

こうした経験も、すべて自己投資になり得ます。

そして、うまくいった経験だけが投資ではありません。
「これは自分には向いていなかった」と分かることにも価値があります。
失敗は、人生の損失ではありません。次の選択を良くするためのデータです。

だから若いうちには、たくさん試して、たくさん失敗してほしい。
老後に向けた100万円の種がすでにあるからこそ、目の前では少し大胆に挑戦してほしい。私は、そんな土台を子どもたちに渡したいと思っています。

「自己投資」という名前の浪費には注意する


ただし、「自己投資」と言えば、何にお金を使っても正当化できてしまいます。
高額な講座を次々に申し込む。
必要のない道具を買う。
勉強した気分になって、何も実践しない。
それでは、自己投資ではなく、「自己投資という名前の浪費」になってしまいます。

お金を使う前に、三つだけ考えてみてください。

1.         なぜ、今これをやりたいのか
2.         終わったあとに、何が自分に残るのか
3.         学んだことを、いつ、どこで使うのか

この三つに自分の言葉で答えられれば、良い自己投資になる可能性は高まります。

もちろん、すべての支出にリターンを求める必要はありません。
友達と遊ぶことや、好きなものを買うこと、何もしないで休むことも人生には必要です。

大切なのは、
「これは自分を育てるためのお金」
「これは純粋に楽しむためのお金」

と、自分で分かったうえで選ぶことです。

20代は、自分を育てる


私が子どもたちに勧めたい順番はシンプルです。

親から贈る100万円は、全世界株式のインデックスファンドに入れて、基本的には触らない。一方で、20代の時間・労力・お金は、自己投資や経験に多めに使う。
そして、稼ぐ力が育って収入が増えたら、そのお金にも働いてもらう。

20代は、自分を育てる。
その後は、自分が生み出したお金も育てる。

年齢できれいに分ける必要はありませんが、私はそんな順番がいいと思っています。

子どもたちに伝えたいこと


未来の君のために、100万円は用意しておきます。
だから若い君は、目の前のお金を増やすことばかり考えなくていい。
学んで、経験して、挑戦して、たくさん失敗してください。

お金を増やす前に、お金を生み出せる自分を育てる。

それは、収入だけを増やすという意味ではありません。
好きなことに挑戦できる力。
誰かの役に立てる力。
嫌な場所から離れられる力。
自分の人生を自分で選べる力。

それが、若いうちにできる一番大きな投資だと、私は思っています。

今回の課題――1万円と10時間を、何に投資する?

今回、子どもたちには次の課題を出そうと思います。

1.         1万円と10時間があったら、自分を育てるために何に使うか考える
2.         それによって、自分に何が残るのかを考える
3.         なぜそれを選んだのか、家族に説明する

正しい答えはありません。
大切なのは、自分の時間とお金の使い方を、自分で考えてみることです。

もし実際にやってみたい計画が出てきたら、私は1万円を出してもいいと思っています。
ただし、終わったら「何を学んだか」を聞かせてもらいます。
成功してもしなくても、それが最初の自己投資の実践です。


次回は、少し夢のある話をしてみます。

「もし1億円あったら、もう働かなくていい?」
お金に働いてもらうことで、人生にどんな自由が生まれるのかを考えます。

【子どものお金教育|第3回】1億円あったら、もう働かなくていい?「お金に働いてもらう」という考え方


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