勇気って特別なものじゃない。『ラチとらいおん』が教えてくれたこと【絵本感想】
「 弱虫な君に、勇気という名の相棒を 」
マレーク・ベロニカ 文・絵 / とくなが やすもと 訳
出版社:福音館書店
《 読書感想 》
ラチは世界一の弱虫でした。
犬を見れば逃げ出し、暗い部屋にも入れない。そんな彼が「飛行士になりたい」と夢見ていても、どうにも自信がありません。そんなある日、ラチの前に小さな赤いライオンが現れ、「君を強くしてあげる」と言います。ライオンの教えは特別なものではなく、体を動かし、少しだけ勇気を持つこと。ラチはライオンと一緒に過ごすうちに、自信を取り戻し、夢に向かって少しずつ成長していきます。
そしてすっかり自信がついたある日、ライオンはラチに手紙を残します。それは、ラチが自分の力で歩き出せるようになったことを知らせる、大切なメッセージでした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『ラチとライオン』を読んで、ふと自分の心の中にいる「弱虫」について考えました。ラチと同じように、私の中にも暗い部屋や大きな犬を怖がる気持ちがまだどこかに残っているのかもしれない。けれど、彼に現れた赤いライオンのような存在を、私は今までどうして見つけられなかったんだろう?そんなことを思いながらページをめくりました。
この絵本で心に響いたのは、「勇気は特別なものではない」というシンプルなメッセージです。ラチにとっての「強くなる方法」は、筋トレや冒険のような派手なことではなく、日常の中で少しだけ自分を前に押し出すことでした。それがライオンの教えであり、実は私たちにも応用できる生きるヒントです。
でも、この物語を読み終わったときに私が感じたのは、単なる「勇気の物語」以上のものです。ライオンはラチのそばにいる間、ただ「強くしよう」としていたのではなく、彼の孤独や不安をそっと受け止めていました。そして最後に手紙を残す場面で、ライオンの本当の役割が見えてきます。それは「もう君には自分で立ち上がる力があるよ」という見えないエール。ライオン自身が「勇気そのもの」だったのではなく、「ラチの成長を引き出す存在」だったのです。
読み終えた後、私はふと考えました。
自分にとっての赤いライオンってなんだろう?
それは時に友人や家族かもしれないし、大好きな本や映画、あるいは自分が信じたい何かかもしれない。ライオンが象徴しているのは「自分を支えてくれる何か」なんじゃないかな、と感じました。
『ラチとライオン』は、単に「勇気を出そう」というメッセージを超えて、私たちに「自分を支えてくれるものを見つけるヒント」をくれる物語です。弱虫なラチを通して、私自身の弱さも少しだけ愛おしく思えました。
明日から私もポケットに見えない赤いライオンを忍ばせて、一歩ずつ進んでみようと思います。
『ラチとライオン』、いかがでしたか?私は初めて読んだのですが、ラチの弱虫っぷりに「これ、私のこと?」と何度も思わされました。怖いものって、誰にでもありますよね。犬、暗い部屋、大きな挑戦……でもラチは、赤いライオンのおかげで少しずつ前に進む勇気を見つけていきました。
ライオンの言葉や存在って、まるで「自分を信じたい気持ち」の形そのものみたいですよね。読んでいて、「私にもこんな頼れる相棒がいれば」と思いつつ、もしかしてそれはもう自分の中にいるんじゃないか、と気づかされました。

あなたにとっての赤いライオンは何ですか?それを見つけたり、誰かのライオンになれるかもしれないと思うと、この物語が私たちの日常にもっと深くつながる気がします。
さあ、あなたもポケットに小さなライオンを忍ばせて、明日をちょっとだけ変えてみるといいかもですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
■ クリエイターの皆様の素敵な感想5選(投稿日順)
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今日はハンガリーからお客様が🇭🇺
— 福音館書店 (@Fukuinkan_PR) February 9, 2024
ハンガリーの絵本作家マレーク・ベロニカさんの『ラチとらいおん』のドキュメンタリーを制作している方たちがいらして、編集部が取材を受けています。
「なぜ日本でこんなに長く人気なのですか?」
ハンガリーのみでの放映のようですが、いつか見てみたいですね👀 pic.twitter.com/bop7WYyEyW
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