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ふらりと神社へ行ってみた。#14 豊玉姫神社。新緑の初夏!神話の源流への旅【その3】 現代アートで飾られた神社を見つけました。

「ふらりと神社へ行ってみた」の第14回は豊玉姫神社とよたまひめじんじゃです。佐賀から熊本を経て宮崎の高千穂へ向かう「新緑の初夏!神話の源流への旅」、前回は海中レストラン萬坊でイカ料理を堪能した後、大川内山を散策し、海中鳥居で有名な大魚神社に参拝しました。( 前回の記事 )第3回の今回は、嬉野のホテル「ハミルトン宇礼志野」へのチェックインから、豊玉姫神社に参拝して、翌日チェックアウトするまでです。
(撮影:2026年5月13日)

豊玉姫神社は佐賀県の嬉野温泉街の中心部にある神社で、主際神が豊玉姫大神とよたまひめのおおかみ(海神(綿津見大神わたつみのおおかみ)の娘・竜宮城の乙女(乙姫様)のモデルとされる女神)で、相殿神が春日大神かすがおおかみ(春日神社で祀られる藤原氏の氏神、四柱の神々武甕槌命たけみかづちのみこと経津主命ふつぬしのみこと天児屋根命あめのこやねのみこと比売大神ひめのおおかみの総称)、住吉大神すみよしおおかみ(住吉神社で祀られている住吉三神、底筒男命そこつつのおのみこと中筒男命なかつつのおのみこと表筒男命うわつつのおのみことの総称)です。近代社格制度の旧社格は郷社です。


まずは夕飯

嬉野温泉 「ハミルトン宇礼志野」

海中鳥居から1時間弱ドライブ、18:00少し前、今日宿泊するホテル「ハミルトン宇礼志野」に到着です。オシャレな洋風のホテルです。駐車場に車を停めるとスタッフが駆け寄ってきて、荷物を持って先導してくれます。チェックインして、部屋に入ると、「冷蔵庫内のドリンクは自由にお飲みください」の表示があります。確認すると、水とオレンジジュース、ビールが入っています。夕食時ではなく夕食後に部屋でビールを飲むことにします。昼食がイカのフルコースでしたから、ホテルは朝食のみにしておきました。夕食は外で軽く済ませる予定です。

温泉食堂
温泉湯豆腐定食

ハミルトン宇礼志野のすぐ近くに「温泉食堂」があります。外観はレトロで素朴な「昔ながらの食堂」ですが、店内はジャズが流れる民芸調・喫茶店風の落ち着いた空間です。地元住民からも人気を集める隠れた名店です。少し変わったメニューの定食屋ですが、嬉野名物の温泉湯豆腐も味わうことができます。温泉湯豆腐は嬉野の特別な温泉水で煮込むことで、豆腐がとろとろに溶け出し、煮汁が豆乳のように白濁するのが特徴の湯豆腐です。あっさりとしつつもコクがあり、スープまで残さず飲み干したくなる美味しさでした。(重曹を入れて湯豆腐を作れば、自宅でも味わえます)
食後、ホテルに戻ってビールを飲むときの酒の肴を買うためにコンビニへ向かいます。温泉食堂の方に尋ねると、ホテルとは逆方向に向かって、2つ目の信号を右折して最初の信号の所にあるようです。歩き始めると、以外と距離があります。(Googleマップ測定で600m) 帰りも歩かなければいけないので、車で来れば良かったと思いつつ2つ目の信号を右折すると、前方に派手な絵を描いた建物が見えてきました。

豊玉姫神社

豊玉姫神社の建物の側面

和服を着た女性と龍、なまずが描いてある建物に近づくと、神社(豊玉姫神社)です。食事に出ただけですから、コンパクトカメラしか持っていませんが、本当に「ふらり」と神社を訪れました。コンビニに行く前、まだ明るいうちに撮影することにします。

参道の端から神社を望む
神社から参道を望む

絵が描いてある建物の横は裏口のような入口で、参道は反対側に延びています。一旦、100m程の参道の端まで行って、参道の入口から順に撮影します。参道には三つの鳥居が並んでいます。どの鳥居も同じような、柱の下の方が太くなる形をしています。肥前鳥居と呼ばれる形式でしょうか。神域にある「三の鳥居」は江戸時代初期の元和年間(1615~1624年)に寄進された建造物のようです。一の鳥居、二の鳥居と比べると、古い石の雰囲気があります。

手水舎
手水舎の注意書き

三の鳥居の横にある手水舎がユニークです。一般的な龍ではなく「なまず」が鎮座しています。海の神様(竜王)の娘で、龍宮城の「乙姫様」としても知られている主祭神「豊玉姫大神」の「神の使い」が「なまず」です。稲荷神社にキツネがいて、天満宮にウシがいるように、豊玉姫神社には神聖な生き物として「なまず」がいるわけです。手を清めると、手水があたたかく、嬉野温泉の温泉水が流されています。よく見ると、手水舎の横に「飲まないでください」とかかれた注意書きが立っています。

なまず様

拝殿の手前には「なまず社」があって、真っ白な「白磁のなまず像」が鎮座しています。手水舎の「なまず」はシンボルとしてあるだけですが、こちらの「なまず」は美肌を授かる「願い水」をかける対象となっています。次のような参拝手順で、豊玉姫のような美しい肌のご利益を授かることができるとされています。

  1. なまず様の前で「二礼・二拍手・一礼」をします。

  2. お社の横にある「願い水」を柄杓ひしゃくですくい、白なまず様の体に優しくかけます。

  3. 同時に「素肌健康」「しわ退散」など、お肌に関する願い事を念じます。

加齢が進むと、素肌がかさついてきますから、入念に「願い水」をかけながら「素肌健康」を祈願しておきます。

石の祠群 その1
石の祠群 その2
石の造形物

神域の東側に石でできた祠や造形物がいくつも並んでいて、しめ縄で囲まれています。おそらく全て末社でしょうが、どのような神を祀っているかは分かりません。かなり古くて、面白い形が多く見られます。

現代アートと神社

拝殿
拝殿の内部と本殿(奥)

豊玉姫神社は現代的な絵やオブジェがあふれています。拝殿の左右には神馬の大きな絵が飾られています。AI調べでは、佐賀県武雄市を拠点に国内外で活躍するアーティスト・地域イベントプランナーの矢野億子やすこ氏(愛称おっこ:okkoさん)が作成した「画像生成AIを活用したデジタルアート」と言うことです(ネット情報では裏どりできませんでした)。拝殿内部には、「うれしのあったかまつり」で街を彩った、巨大なランタン(灯籠)のアート作品白耀福馬はくようふくま蛇姫へびひめが飾られています。

八坂神社の拝殿内部
天満宮の拝殿内部

豊玉姫神社には拝殿のある末社が二つあります。「八坂神社」の拝殿内部には、御際神の須佐之男命すさのおのみことがヤマタノオロチを退治し、櫛名田姫くしなだひめを守り、妻として、オロチの尾から三種の神器の天叢雲剣あめのむらくものつるぎが出た逸話を描いた「まつながみさと氏」の絵(写真の左側)が飾られています。毎年冬(1月〜2月頃)に嬉野温泉街で開催される「うれしのあったかまつり」のために作られた須佐之男命をモチーフとしたランタンアートも展示されています。もう一つの拝殿がある末社「天満宮」には、御際神の菅原道真公がこどもをいつくしむ神様ということで、自由に空を舞う童子の姿にこどもがのびのびと成長するよう願いを込めたランタンアート天真爛漫てんしんらんまんが飾られています。

絵馬殿の絵
拝殿西側の絵

嬉野温泉の由来は、神功皇后が三韓征伐の帰途に立ち寄り、温泉を発見して傷ついた兵が癒やされたのを見て「あな、うれしの」と喜んだ伝説にあり、その神功皇后をすぐ側で支え続けたのが武内宿禰たけのうちのすくねでした。絵馬殿には、その武内宿禰を描いた奉納大絵馬(上の写真の奥)が飾られているですが、同時に、矢野億子やすこ氏(愛称:okko)が手掛けた、生成AI活用アート「龍神」シリーズの原画やポストカード・ポスター展示があります。拝殿の西側には、同じ作者の「和のAIイラスト メガネ少女と十二支展」の作品も飾られています。龍神シリーズ(9点で1,000円)もメガネ少女シリーズ(12点で2,000円)もネットで購入できるようにQRコードも掲載してあります。この神社を見つけたときに見た絵は、八坂神社の西側に描かれた、矢野億子氏が作成した豊玉姫大神と遅々海神わたつみ(龍神)、なまず様の絵でした。このような「神社×現代アート」の取り組みは、これまで神社にあまり馴染みがなかった若い世代や観光客を呼び込む新しいきっかけになっているということです。

夢中で撮影していると、大分薄暗くなってきました。急いでコンビニへ向かって酒の肴としてチーズちくわを買ってホテルに戻ります。

ハミルトン宇礼志野

嬉野川(塩田川) 上流方向
嬉野川(塩田川) 下流方向

嬉野温泉の中心部には、佐賀県最大の河川である「嬉野川」がゆったりと流れています。ホテルへ戻る道すがら、思わずシャッターを切っていました。午後7:05ですが、やけに明るい空です。名古屋と嬉野では日の出や日の入りの時間が22分ほどずれています。名古屋だと午後6:43相当でしょうか。それにしても明るく感じます。5月中旬は、もう日が長いのだと実感させられます。(写真は感度調整していて、肉眼で見るより明るく写っています)

最後に坂道

宿泊ホテル「ハミルトン宇礼志野うれしのは、温泉街の小高い丘の上に佇む、ノスタルジックな雰囲気が魅力の高級洋館リゾートホテルです。かなり暗くなってきたところで、ようやくホテルにたどり着くと、最後に急な坂です。チェックインしたときは車で登るだけでしたが、徒歩で登るとかなりきつい坂です。温泉が待っています。

ホテルのロビー
ロビーのコーヒーはフリー

和風の温泉旅館が多い嬉野の中で一線を画す「大正ロマン」のようなレトロモダンなホテルです。18〜19世紀の英国で“世紀の美女”と称され、おもてなしの達人でもあった貴婦人「レディ・ハミルトン」に由来するホテルにふさわしく、スタッフのサービスも抜群です。珊瑚さんご色の外壁に瓦屋根を載せたクラシカルな外観で、館内に入ると、温かい炎が揺れる暖炉、1,000冊以上の蔵書が並ぶライブラリーなど、まるでヨーロッパの邸宅のような贅沢な空間が広がっています。ロビーにはコーヒーの自動サーバーが設置され、クッキーも用意されています。温泉の大浴場で体を休めた後に、クッキーを頬張りながらゆったりとコーヒーを飲めます。

温泉は日本三大美肌の湯である、嬉野温泉の「とろとろ・ぬるぬる」とした重曹泉(炭酸水素塩・塩化物泉)を源泉で堪能できます。コンビニから戻ってきて1度温泉に入り、部屋でビールを飲んで、寝る前に再度温泉で温まり、就寝しました。本当に「とろとろ・ぬるぬる」のお湯です。一度や二度はいったところで、それほど変わりはしないでしょうが、肌がすべすべになったような気がします。翌朝、朝食前にもう一度温泉に入りました。

洋朝食 1
洋朝食 2

朝食はよくあるビュッフェ形式ではなく、フリードリンクの洋定食です。オシャレな定食を堪能して、ゆったりとチェックアウトして、今日(観光2日目)の目的地へ向かいます。

今回は3日目(観光2日目)を迎えたところで終わりです。ホテルの外で食事をして、夕刻に散策した折りに、今回の旅の予定にはなかったユニークな「豊玉姫神社」に出会えました。クラシカルな洋風ホテルでの温泉体験も楽しめました。呼子の朝市から始まった観光1日目は、思いがけない神社との出会いとシックなホテルで締めくくることができました。次回は、観光2日目、塩田津の街並み散策から始まります。

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