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野菜の移動距離を、もっと自由に。──都市の地産地消と新しい物流のかたち

こんにちは。Square Roots Japan代表の松本です。

スーパーに行けば、一年中、野菜が手に入る。
この豊かな食卓は、日本の高度な物流網と、現場の方々のたゆまぬ努力によって支えられています。

ただ、時代は少しずつ、新しい形を求め始めています。
「物流の2024年問題」という節目を迎え、物流のあり方そのものを、もっと人に優しく、持続可能な形へとアップデートしていく時期に来ているのだと思います。

「遠くから運ぶ」ことが当たり前だった時代から、
「適材適所で、賢くつなぐ」時代へ。

今日は、私たちが考える「食のインフラ」の未来について、世の中で起きている希望ある変化(物流のイノベーション)にも触れながらお話しさせてください。



1. 「移動を限りなくゼロにする」という贅沢

SQRJが、都市のど真ん中で農業を行う理由。
その最大の狙いは、「移動そのものをなくす」というアプローチです。

収穫して数分で届く野菜は、みずみずしさや香り、食感の立ち上がり方が変わります。
トラックに乗せる必要も、梱包材で厳重に守る必要もありません。

この「Hyper-Local(超・地産地消)」こそが、ドライバー不足やCO2排出といった課題に対する、私たちなりのひとつの回答です。
「運ばない」ことは、環境にとっても、野菜にとっても、一番の贅沢なのです。

SQR USAがかつてニューヨーク市で展開した地域密着型配送は、小売パフォーマンスと顧客満足度を強化しました。


2. 「運ぶ」も、進化している

一方で、すべての食材を都市の中だけで完結させることはできません。
日本には、その土地でしか育たない素晴らしい「旬」があります。

それらを、いかに鮮度を保ち、環境に優しく届けるか。
この分野でも今、素晴らしいイノベーションが起きています。

例えば、JR東日本が推進する「はこビュン」のような取り組みです。
新幹線や在来線という「すでにある鉄道インフラ」を活用し、地方の特産品を高速で都市へ運ぶ。

私はこのニュースを見たとき、強く感じたのは、発想の共通点です。
新しい道路を作るのではなく、既存の資産(鉄道網)を再編集して、価値に変えている点。
そして、「速さ」によって、鮮度という価値を守ろうとしている点です。

アプローチこそ違いますが、「既存の仕組みをアップデートし、食の未来を守る」という志は、私たちと同じ方向を向いていると感じます。

「はやぶさ」等の新幹線を活用した荷物輸送「はこビュン」。「朝獲れ」をランチに届けるなど、物理的な距離をスピードで解決します。


3. 「地産地消」と「高速物流」が共存する未来

SQRJは、都市の中で「地産地消」をつくり、日々の食卓を支える。
進化した物流は、地方と都市をつなぎ、季節の彩り(旬)を届ける。

この二つのアプローチがパズルのように組み合わさることで、日本の食料供給はもっと「しなやか(Resilient)」になれるはずです。

ある時は、近所のファームから摘みたてのハーブを。
ある時は、新幹線が運んだ地方の朝どれ野菜を。

一つのルートに依存せず、複数の選択肢を私たちが「選べる」状態にあること。
それこそが、豊かな食のインフラだと考えます。

北米最大級の食品流通大手Gordon Food Serviceの敷地内に直結することで長距離輸送を極小化し、サプライチェーンの強靭化を実現しています。


4. インフラを、「見える価値」に変えていく

農業も物流も、これまでは「支える」という役割が強調され、黒子に徹してきた側面があるかもしれません。

けれどこれからは、
「どこで育ち、どうやって(誰が)届けてくれたか」
その物語自体が、価値になる時代です。

SQRJはテクノロジーで「場所の制約」をほどいていく。
そして物流の進化は「時間の制約」をほどいていく。

それぞれのアプローチで、日本の「食の地図」を、もっと自由で、心地よいものに書き換えていく。
そんな未来を、私たちは現場からつくっていきます。



〖次回予告〗
次回の『SQUARE ROOTS magazine』は、2月13日(金)更新予定。
SQRと高齢者向け住宅サービス「Story Point Group」による、予防医療の取り組みをお届けします。


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