生成AI君よ、ついて来れるかな?生成AIとのつきあい方を考えてみた(2)
生成AI君が生み出す作品の完成度は51点。
51点の根拠は生成AI君が学習する仕組みにある!
なんてことを前回書いたので、今日は生成AI君が学習する仕組みを紐解いてどんなやつか知ってもらおうと思います。
いきなりココにきた方はこちらをご覧ください。
生成AI君は、こう学習してる
生成AIのベースにあるのは、機械学習と呼ばれるコンピュータ技術です。
機械学習は、何度も試行を繰り返し、その成功例から法則(こつ)を見つけ出し、成功率100%に近づけようというものです。
読み込んだ大量の学習データ(作品)から、共通点や傾向を導き出し、ユーザーが良しとする作品を、効率よく生み出す。これが生成AI君です。
この時、何を良しとするのか最終的に判断してるのは人です。
学習データを変えたり、プログラムを修正することで、良しとする基準と生成する作品の精度を高めています。
いわゆるアップデートです。
これ加えて、利用者からのフィードバックも学習材料になっています。
フィードバック?そんなのしたこと無いよという方、ログインの際「この中でバスが写ってるものを選んでください」のような画像認証に出会ったことはありませんか。
これ、単に正解を選んでるとばかり思ってたのですが、AIの学習に利用されてると知って驚きました。
情報が公開されて無いので推測になりますが、この学習方法を画像生成AIも採用してると考えられます。
Midjourneyだと、一度に4つ画像が生成されます。この中に求める画像が無ければ、再生成するなり、プロンプトを変えるなりして、イメージにあった画像が生成されるまで繰り返します。求める画像が生成された所でアップスケール(より解像度の高い画像で出力)し、ダウンロードして利用します。
この過程で生成された画像は、アップスケールされなかったもの、されたもの、ダウンロードされたものに区別され、プロンプトと生成する画像の関係精度向上に活かされてると考えられます。
ユーザーが画像を選ぶ度に、このプロンプトにはこの絵が正解!と教えてるというわけです。
生成AI君の進化
フィードバックによって生成AI君がどう進化するかというと、多くの人が支持するものを良しとする、多数派生成AI君 になります。
例えば、今読んでくださってる方と私が、全く同じプロンプトで偶然同じ画像が生成されたとしても、同じ画像を選ぶとは限りません。好みも求めるもの違うので当然です。
これが 100人、1000人、1万人と学習データが増えるとどうなるか。より多くの人に選ばれた(支持された)ものが良いという判断に至ります。
多数派の答えを求めてると言えますし、フィードバックでは、こういう方向にしか進化できません。
生成AI君もたまに60点や70点を叩き出すことがあります。それはアップデートされた直後です。
その後は、また平均に向かって徐々に点数は下がり、限りなく50に近づきます。
これが51点という値の根拠になります。
それにしても、51点はちょっと低いんじゃない?
そっかなーと私も思いました。
1点の作品を学習データにはしないでしょうから、50点以上の作品を学習させたとして平均75点。このあたりが良い線なのかなと。
ただ、平均を下げる要素がいくつかあります。
ひとつは、全ユーザーが100点を求めるわけではないという点です。
私の場合、絵は描けないので見極める基準すらなく、クオリティよりも、雰囲気が合ってることの方が重要で、OKラインもそこです。
MVの背景に至っては、生成した画像を修正したり切り貼りしており、そのまま使うことはありません。
つまり、OKはOKでも、妥協を含んだOKということです。
音楽生成AIでBGMを作ってお小遣いを稼ごう!みたいな動きがありますが、これも100点クオリティーが求められてないから成り立つ話です。
もう一つ平均値を下げる要素に、生成AIには、生成後の作品の評価を学習する機会がほぼないということ点が挙げられます。
現状、各サービスサイトに付いてるイイねボタン(高評価ボタン)くらいしか知りません。アーティスティックだな、綺麗だなと思う作品があっても、押したことありませんし。
完成度100点の作品とは、多くの人の目にさらされ、耳に届いた上で、高い評価が得られたもの。
生成した作品が、賞賛されたのか、バズったのか、酷評をうけたのか、はたまた見向きもされなかったのか。世に出た後の評価を学習する機会が無い以上、先ほど出した平均75点というのは、狭い世界を基準にした75点ということになります。
これらを加味すると、平均より少し上の51点という数値が妥当かなと考えたわけです。
AIと人の決定的な違い
生成AI君は、ニーズが多い方向に進化するというのはご理解いただけると思います。
(クオリティーはどこいった!笑)
クオリティーを追求するユーザーもいるので、クオリティーも徐々に上がりますよ。きっと。
ニーズにしてもクオリティーにしても、
高評価に向かって収束するのがAI君の進化 と言えます。
さて、人はどうでしょう。
人に限ったことではありませんが、
命あるものは多様化によって進化してきました。
ひとつの要因で種族が絶えてしまわないよう、異なる2つのDNAをかけ合わせて別のDNAをもった命を生み出し、突然変異も含め多様化することで危機が訪れても誰かは生き伸びる。これが人の進化の仕組みです。
異端が人を進化させてきたとも言えます。
収束するAI君と多様化する人。進化の方向性が真逆です。
なので安心してください。
AI君がどれほど人に近づいたとしても、超えることはありません。
生成AI君よ、ついて来れるかな?
ただ、突き詰めることは得意なので、何か一点において、人より優れた結果をもたらす力量は持ってます。
こんな人いますよね。
一芸に秀でた人。
Midjourney君、Suno君、ChatGPT4君、新しいサービスが生まれるたび、一芸に秀でたキャラが増えた。
こう考えると、なんだ、今と変わらんじゃん(笑)
キャラに呼び捨ても味気無いので君づけで呼んでます。
AI君よ、私達の生活を便利にしてくれ!
こう思ってる限り、AI君は自分に出来ないことをしてくれる、良きパートナーでいてくれます。
* * *
「アップデート後、平均に向かって徐々に点数は下がる」
上がるんじゃなくて?下がるの?
この説明が抜けてましたね。
これは、ユーザーが求めるニーズの変化によるものです。
アップデート直後は、最新の学習結果が反映されてるので、その時点で、最もニーズにマッチした、最良の結果が得られる状態です。
ユーザーのニーズは日々変わります。使用目的だったり、流行だったり、SNSでバズったネタだったり。
アップデート直後の最良と、フィードバックで生じる最良のズレが、点数を下げる要因です。
まあ、ここが生成AIくんの学習しどころだし、アップデートで更新されれば、結果的に良くはなるのですけどね。
これについては、生成AI君に悪いところは一切ありません。
もし彼に心があったらな、こう思ってることでしょう。
「昨日はこれが良いって言ってたのに、これじゃだめなの?」
* * *
今、問題なのは、生成AI君ではなく、日々51点の作品を大量に生み出してる人であることを認識しておいてください。
今日はここまでです。
次は、音楽業界に起きた二つ目の技術革新と、生成AI君の近来予想などしてみようと思います。
そこから一つでも、問題の解決の糸口が見つかることを祈ります。
今日は理屈っぽくて面白くなかったかも、ですね(汗)
気分転換に、AIを扱ったアニメを2つご紹介して締めとさせて頂きます。
サイコパスにはAIの進化が、プルートゥにはAIのタブーが描かれてます。私が今の考えに至った要素も含まれてたりします。
2作品とも見始めたら止められない貫徹必至のエンタメです。
ぜひご覧ください。
世界観の作り込みが凄いけど、それ以上に刑事ドラマとして秀逸!
正義をテーマにしたTV版第1シーズンが特に好きです。
AIが深く関わってるのはTV版第2シーズン。
劇場版も含め全話地続き。膨大な話数なので、ぼちぼち見てってください。
手塚治虫さんの鉄腕アトムの中の1話を浦沢直樹さんがリメイクした漫画原作のアニメ。ロボット(AI)とは人とは、という哲学的なテーマを、浦沢直樹節ともいえるミステリーが、見ごたえあるエンタメに仕上げてます。
いいなと思ったら応援しよう!
チップを貯めてエレキ・ギターを買います!
期待を込めて応援下さると嬉しいです。