【作曲脳解剖】Pink Rain(soundws版)の曲のカケラ全部入り#2
さてさて、もうこちらは読んで頂けたでしょうか。今日はこの続きです。
mohanmollerさんとのコミュニケーション
mohanmollerさんと私
まずは、mohanmoller(モハンメラー)さんをご紹介したい。
ご自身の生演奏・生録音による楽曲はUKロックが持つカッコ良さに溢れている。と言う言葉ではとても足りない!!!UKロックそのもの。10代半ばから洋楽を聴いてきた私にとって、芯に確固たる音楽スタイルを持っている憧れのミュージシャン。
きっかけは何だったか忘れてしまったが、偶然聞いた曲のカッコ良さに当てられYoutubeに上げていらした曲を2日間ほどで全曲制覇したことは覚えている。
それ以来、ゴールド・レインをリアレンジさせてもらったり、ドラムの生音源や楽曲のパラデータを頂いたり、#曲のカケラにご投稿頂いたり、私も何度か記事にさせて頂いたりしている。ずっと交流を重ねているがまったくもって興味が尽きない。
今では、メールやメッセージなど表に出ないところでも交流があり、今回のようにコラボしている最中も話が脱線することが良くある(笑)脱線と言っても話はやっぱり音楽のことで、DTMの質問だったり、やりたいことの相談だったり、単に好きな音楽の話だったりする。もう根っからの音楽人。独りで音楽を作っているので気軽に音楽の話しができる相手が欲しい!という私の願いも叶えてくださった。
その方が私のアレンジを好きと言ってくださるし、私の投げかけに真剣に考えたうえで答えてくださる。また何もない時でも気にかけてくださる。
これほど有り難い方は他にいらっしゃいません。
これ、あらためて文字にすると、ファンレターというか、ラブレターみたいで照れくさい(笑)
それを押しても書いたのは、このコラボを進める中で感じたこと、変化していったことを理解頂くには、mohanmollerとの関係を知ってもらう必要があるからです。
コラボ企画のスタート
ゴールデンウィークを目前にした4月某日、mohanmollerさんから AI音源と共にこのようなメッセージを頂きました。
未発表のとある一曲を邦楽オルタナロックでアレンジしてみよう!という長期戦の計画があります。soundwsさんと自分でタッグ組んでプロデュースしてみたいのでございます。
歌詞をcofumiさんが書かれたと伺って、具体的に何をやるかも確かめないまま是非やらせて!と私からお願いしました。
AI楽曲を邦楽オルタナロックに再構築!
オルタナというのがまったくわからない(笑)ので、調べてみると「主流ではないアンダーグラウンドで自由な表現を追求する音楽ジャンル」とな。
売れ線を完全無視したインディーズ・バンドの曲?いまひとつピンとこないので参考になる曲を尋ねるとその日のうちに『世界/ハク』を教えてくれた。格好いいガールズバンド!こういう感じというサウンドのイメージは持てました。
AI音源から歌詞を書き起こしてみると一箇所だけピンとこないところがありたずねました。
(前省略)
ついでのようで申し訳ありませんが「ピンクレイン」ってどんな状況でしょう。 「窓の外を伝うピンクのネオン管に照らされた雨粒」って読んだのですが、mohanmollerさんは正解をご存知、もしくはどう解釈されてますか?
これに対しcofumiさんから大変丁寧なお返事を転送頂きました。これが凄く腑に落ちる内容で聞いて良かったと思いました。内容は作っている人間だけの特権なので教えられません(笑)安心してください!自身で解釈する楽しみが残ってますよ!
アイディアの共有
素材が出揃い、いよいよ曲作りに入るのですが、翌日には簡易デモ音源が送られてきました。早い(驚)これを叩き台にアイディアを出し合って行こう!ということで、私も頭の中で鳴っている音を音源にして送ろうと思ってはみたものの時間が作れそうにないので、取り急ぎテキストにまとめてお返事しました。


途中でやめたり変えたものもありますが、多くが完成版に活かされていることが読み取れると思います。
メモを送ってはみたものの今ひとつ伝え切れてない気がして、これまた取り急ぎ、私が考えた曲構成でドラムパートを打ち込み、mohanmollerさんが演奏したギターとベースの音源を切り貼りして乗せた soundws版簡易デモを追加で送りました。
対面であれば90%位はくち楽器で済むところを、離れているがゆえイメージを共有するのに手間がかかる(笑)などと雑談している中で「伝えたい事を文字で表せないから僕らは音楽やってるんだね」などとちょっとカッコつけてみたり(笑)冗談まじりにメッセージしてるのですが、これ、かなり真面目にそう思っています。
文字より音の方がずっと以前からあったわけで、小説や詩など文章で何かを伝えるというのはわりと新しい超高等技術で、音楽の方がより原始的で本能に近いと思っています。けして卑下しているわけではありません。誰にでも音楽の素養はあるということです。
その後、時間を見つけては頭の中の音を音源にしてまた考えてを繰り返し、GW前に2度デモ音源を送りました。GWに入ってからは、時間が取れたお陰で、歌詞を更に読み込んだりアレンジを詰めたりしていました。
* * *
3曲とも聴いてくださった方は、アレ?と思ったかも知れません。そう、この企画、当初は
mohanmoller&soundwsで1曲作る!
というスタートだったのです。アイデアを出し合って曲が出来たら演奏も分担して音源にする。いわゆる共作の予定でした。
これが、mohanmollerバージョンとsoundwsバージョンに分かれるのはGW明けの話になります。
鈴木敏夫と宮崎駿と高畑勲
突然アニメの話!まあこれも雑談の内です。
自分で曲を書いて演奏または音源にまでしてしまう音楽家は皆、鈴木敏夫と宮崎駿を兼ねているようなもの。ひとつの作品にプロデューサが2人も居たらまとまるものもまとまらないよね!という例え話です。
GW明けにmohanmollerさんから提案がありました。
(前略)
単純にsoundwsさんがプロデュースしたらどうなるんだろう?
という興味も同時に沸いてきちゃったのです。
(中略)
現時点での自分の理想だけを言わせてもらうと
1.sunoAI原曲
2.mohanmollerのオルタナデモトラック
3.soundwsさんプロデュースバージョン
この3つをnoteにて同時公開。これが夢です。
なんと!大変嬉しいありがたいご提案!
この時、私とcofumiさんは直接コンタクトを取っておらず、全てmohanmollerさんが仲介くださっていました。勿論私が参加させて頂くことは伝わっていましたが、soundws版の話はここで初めて出たものでまだお伝えしていません。
私自身も3番はあくまでアイディアで、いずれ2番と3番を合わせて1曲にするつもりでしたので、soundwsバーションはやらない!と言う可能性もこの時点ではありました。
この提案への私の返事がこちらです。
3番については、歌詞とメロディを自分が歌いやすく直したのですっかり自分の曲のような気持ちになっています(笑)
最終的にcofumiさんも知らない曲になってもかまわないのでぜひ完成までもっていきたいです(笑)
私が独断で魔改造したというていで作ってしまい、完成させた2番と一緒にお渡しして、後はcofumiさんの判断に任せる!というのもありかと思っています。
cofumiさんの詞に曲がつけられるというだけで舞い上がっていた私は、作ること自体が楽しく、出来あがった後のことはマジで考えてませんでした(笑)この企画はcofumiさんの意向が最優先!鈴木敏夫役はcofumiさん!という気持ちでいました。
今思うと、mohanmollerさんが気を回してくださったのかもという気がしています。GW前に送った3番目のデモ音源は、完成版にかなり近く私の色が存分に乗っていました。それを感じ取ったmohanmollerさんが、私の色が活きる形を考えてくださったのかもと。
メッセージを交わしたことある方ならおわかり頂けると思いますが、mohanmollerさんは配慮の人です。自分の勝手な思いを投げかけているように見せて、実は気を使わせないための隠れ蓑にしてるのではないかと(笑)
soundws版の話がcofumiさんに通った時点では、mohanmoller版で私がギターを弾くという話は消えていませんでしたが、このすぐ後で「自分のギター一本でいかせてもらいます!」という熱いメッセージをいただき、私も賛同しました。
別に喧嘩別れでも意見の対立でもなく、やりたい音楽への探求心から、各々自身の力で作品を作ることになったというわけです。
こうして3曲目のsoundws版PinkRainが世に出るに至ったのでした。
(こういう時のBGMはこれ)
音楽家同士のコラボレーション
雑談の中で、同じジャンルのクリエイターさんとのコラボは難しいという話になったことがありす。作詞家さんとのコラボは難しいと感じないが、作曲家さんとのコラボは慎重になると。それが先に書いた「自分で曲を書いて演奏または音源にまでしてしまう音楽家は皆、鈴木敏夫と宮崎駿を兼ねているようなもの」各々描きたいものを持っている以上、どこかで衝突するかも知れない。そこで消費されるエネルギーを考えるとそれは慎重にもなります。
#1でも書きましたが、「作品が世に出る前の意見=作品を磨いているところ」という相互理解がないと同ジャンルのクリエイターのコラボは難しいです。それを押して超えてくるのがmohanmollerさんで(笑)私も知り合って間もない頃かなり手厳しい意見を投げ返した記憶があります(笑)
こんな2人の間では、音楽家同士のコラボレーションの完成形態はバンド!ってことになってます(笑)
mohanmoller版PinkuRainを公開間近まで聴かなかったのは流れでたまたまそうなっただけですが、最後まで聴かずにおこう!と思ったのは、同じジャンルのクリエイタとして負けられない!という気持ちも働いていたと思います(笑)
mohanmollerさんもcofumiさんの意向が最優先と度々言っていたので、この度のプロデューサ鈴木敏夫役はcofumiさんと仮定すると、宮崎駿と高畑勲はどういう配役になりますかね(笑)役割分担は大事ってお話しでした。
アレンジで工夫したこと
ここからはアレンジ(編曲)について。
AI楽曲から雨が感じられなかったので、曲だけで雨の情景を演出することにしました。エレキ・ギターで雨、シンバルも雨、ベースとバスドラムで風をという具合。
これを最重要指針としてあらゆるアレンジを決めていったわけですが、なかでも大きな柱が3つありました。
1.リファレンス曲(参考にさせてもらった曲)
前回の#1にてこのようなクイズを出していました。
伴奏で雨を演出するにあたって、ある曲をリファレンス(参考にさせてもらうこと)に決めました。さてこの曲は何でしょう?
ヒントは、雨を題材にした有名な日本のフォークソングです。歌詞は幸せそのものですし曲調も雰囲気も明るく、PinkuRainとは真逆です。
思い浮かぶ曲はありましたでしょうか。
では答え合わせです。
私がリファレンスにした曲はこちら。
『さだまさし/雨やどり』でした。
どこが?そうですよね、メジャーとマイナーで調も違うし、サウンドもゆったりしているのに対しこちらは激しい、ほのぼのとした雰囲気の歌詞と不安を抱え葛藤している歌詞、中身は真逆ですが雨というモチーフは同じ。
時間は1:10から、歌詞はこの部分。
でも爽やかさがとても素敵だったので -----(1)
そこは苦しい時だけの神だのみ
もしも もしも -----(2)
できることでしたれば
あの人に も一度逢わせて -----(3)
ちょうだいませませ
PinkRainの歌詞のこの部分にあたります。
バーコードをなぞる指先 -----(1)
読み取れない僕らの明日
誰かが 決めた -----(2)
規格の中で
息を止めてる -----(3)
(1)ここで曲の雰囲気が変わってギアが上がったことを表し、頂上に向かって徐々に盛り上げていく
(2)ココが頂上!
(3)で結論に向かって収束していく
この構造を参考にさせて頂きました。
(2)の「もしも もしも」と「誰かが 決めた」を重ねて頂くと構造が見えやすいかと思います。
確かめていませんが、ディグリーネーム(ローマ数字で表されたコード名)で書くと、よく似たコード進行になっているはずです。(すみませんこのあたり感覚なもので;汗)
このパートは、PinkRainで一番好きな歌詞で、ここをPinkRainの芯にしよう!と決めた部分です。
偶然にも雨と言って真っ先に浮かんだ曲がこの雨やどりでした。
久しぶりに聴くとこのパートにぐっと心を掴まれます。この歌の芯はここだ!と思ったので、PinkuRainで使うコード弾きながら歌詞を口ずさんでみると、メロディもコードもガチリとハマりました!
こうして PinkuRain の芯が決まりました。
この前後は、このパートを引き立たせる、もしくは、曲としてバランスを取ることに注力して作っていきました。
2.音が2つだけのアルペジオ
『雨=アルペジオ』と言っていいくらい、雨とアルペジオの相性は抜群で、ギターとも相性が良いので、雨=ギター=アルペジオの組み合わせは、アレンジの鉄板と言って良い組み合わせです。
アルペジオは、コード(和音)の構成音を一度に鳴らすのではなく、時間をずらして鳴らす奏法です。美しい響きが得られるうえ、ハーモニーとメロディを兼ねた演奏を可能にします。
ビートルズのハミングバード、イーグルスのホテル・カリフォルニア、スピッツのロビンソンなど、印象的なアルペジオはそれだけで曲を成立させる力を持っています。
(例外もありますが)コードは最低3種類の音で構成されていて、3和音のコードは明るい・暗い、といった明快で強い響きを持っています。音の種類を増やすと、明るい・暗いという響きは薄くなり、情緒や哀愁、美しさ、華やかさといった響きが増します。(もちろん弾き方にもよりますが)
PinkRainで表現したい雨は、主人公の複雑な感情の側面です。歌詞の言葉をお借りすると「名前のない感情」(これ、カッコいいので何度でも使ってみたくなる)なので、情緒は良しとしても、明確で強い響きや美しさや華やかさはしっくりきません。
そこで、音数を2つに絞ったアルペジオにしました。
イントロの出だしは「D♭maj7」と「A♭」の繰り返し。それぞれ2音選んで交互に弾くというシンプルなアルペジオです。
弾いてみると、早々にいい感じのアルペジオが出来たので、すぐさま録音し少しエフェクト(特殊効果)を加えてみると、名前のない感情が乗った雨が降り出しました!これはイケる!と思い、続けてアルペジオが途中で終わるバージョンも録音。
これで曲の頭で雨音に気づき、曲の終わりで雨音が小さくなったことにより自身の鼓動に気づく主人公!という演出の出来上がり、しかもループ構造になるので、名前のない感情はそう容易く収まらない!というメタ的演出にもなります。
3.リズムギターの音作り
雨を感じさせるエレキ・ギターの音と言えば、アルペジオにも使ったクリーンで「しとしと」と降る感じが出せます。他に、少し歪(ひず)んだクランチなら「ザーザー」と降る感じが出せます。
この2つの音色を使い分けて、無段階に変わり続ける雨の表情を、雰囲気や流れに合わせ私の手加減・匙加減(感情)で表現しようと試みました。
歪(ひず)みの量は主にアンプのゲインつまみで作ります。ゲインを上げれば歪み、下げればクリーンになります。また弦を弾く強さによっても作れます。強く弾けば歪み、優しく弾けばクリーンに。アンプのゲインを上げ過ぎると優しく弾いても歪むので、弾く強さで弾き分ける場合はアンプの歪み量を程良いかげんに調節する必要があります。歪んだ音とクリーンな音を使い分けるだけならばエフェクターを使えばスイッチひとつ切り替えることも出来ます。
これがなかなか決まりませんでした。クランチはきらびやかで音の輪郭がハッキリしています。くちギターで言うと「ジャキジャキ」していてリズムが際立ちます。実際曲に合わせてみるとリズムが立ちすぎて淡々と降る雨には合わないと感じました。
クランチを更に歪ませるとオーバードライブと呼ばれる音になります。くちギターでいうと「グワー、ゴゴゴー、ガガガガー」台風なみの暴風雨には合いそうですが(笑)
アンプのありとあらゆるつまみをいじって、クリーン、クランチ、オーバードライブの間を何度も行ったり来たり。これでは埒が明かないと思いアンプシミュレータを幾つか試してやっと雨を表現出来る音色を見つけました。
優しく弾くとザラザラとした質感のクランチ、強く弾くとザラザラがザザザザくらいキメが細かくなった質感のオーバードライブ。
軒先から落ちる水滴の音が聞こえ目を凝らせば雨粒が見える状態と、ザーというノイズのような雨音で様々な音がかき消され、視界も白く見通しが悪い、音も視界も雨で飽和している状態。当初の思惑とは違いますが、クランチのきらびやかな感じも押さえられたのでこれで行くことにしました。
わかりやすいのは、1コーラス目の歌終わりが雨粒が見えるクランチで、サビが飽和したオーバードライブ。ほぼ雰囲気で強弱をつけました。
アンプやエフェクターの実機は一切持ってないので、演奏時はエレキ・ギターを直接オーディオ・インターフェースに繋いで、パソコンに入っているAmpliTubeというアンプシミュレータ(ギターアンプを模したソフトウェア)を鳴らしています。
AmpliTubeは、DAWに繋がなくても使えるので、遅延(音が遅れて聴こえること)が気になることも無く気持ちよく弾けます。また、無料版ですが1トラックだけ録音も出来ます。この度もこれで録音した音を後でDAWに取り込みました。
録音されるのはエレキギターの素の音(アンプを通る前の音)なので、DAWに取り込んだ後、アンプシミュレータを差し替えることが出来ます。
最終的な音作りに使ったのは UAD Showtime '64 Tube Amp というアンプシミュレータです。
以上がアレンジの3本柱でした。
この後はDTMやってる方にしか通じないかも!というくらいマニアックな話です(笑)出来るだけで良いのでついてきてください。
4.ソロギターの音作り
私が使っているのはストラト・キャスターと呼ばれるタイプのギターです。私が抱いているストラト・キャスターのイメージは『線の細い暴れん坊』です。ジミヘンのギターサウンドがピッタリ。
この暴れん坊感を出すため、ギター側はトーン10、ボリューム5、ピックアップはフロント、アンプシミュレータ(リズムと同じ物)側は、BASS2、MIDDLE8、TREBLE6、GAINはないので歪量はINで弾く強さによって表情が変わるところにセッティングしました。
このギターソロでイメージしたのは、主人公が見ている窓の外の景色。通りを歩く女性のスカートが濡れて足にまとわりついたり、湿気を吸ったスーツが重く感じられたり、普段何でもないものが雨によって絡んだりのしかかってくる感じを出そうと思いました。粘っこい弾き方もその一環です。
5.ベースの音作り
この度のベースの役割は風。主人公はガレージの中なので、肌に当たる風より風圧を感じると思い、音の輪郭を抑え歪ませないセッティングにしました。また、車のアイドリングのような、低い音が震えている感じを出したかったので、狙いよりも1オクターブ上で弾き、その音を1オクターブ下げた音を重ね、唸っているような圧迫感のあるベースを作りました。
ベースの1番細い弦はギターの一番太い弦のすぐ下の音域にあたるので、この音は低音域を抑えている暴れん坊セッティングと相性が良いです。同じ音を鳴らすとベースとギターがひとつの楽器のように聞こえます。
6.英語のアクセントを活かす
英単語は強く発音する位置(アクセント)が決まっています。このアクセントを持つゆえ英語は、言葉そのものにリズムあると言われます。
例えば Blue は、「ル」にアクセントを置き「ブルー」と発声したほうが格好いいです。英単語が曲にハマらない時は、このアクセントの位置を拍の頭に合わせると英単語が持つリズムが得られます。
ガレージもシャッターもバーコードも、リズムに乗せる必要がないパートでしたのでアクセント位置は意識しませんでした。今回意識したのは Pink と Rain の2つだけです。
そして参考にしたのはプリンスの Purple Rainでした。
まずは Pink。これは全体で一音なので P を、Rain のアクセント位置は a 、この2個所を拍の頭に合わせました。 R の発音時は舌が浮いているので「レ」よりも「ル」に近い音になります。この2つを続けると「ピン クル|エ イン」となり、さらに 「ン」は音にしない方がより英語っぽくなるので、意識としては「ピ・クル|エ・イ」と発声するといい感じにハマります。
自分で歌うと難しくないのですが、これをボカロに歌わせると「クル|エ」のニュアンスが出ないこと(笑)かなり頑張ったのですが完成した音源が限界でした。
7.DAW&アンプシミュレータだから出来る音作り
曲の終盤、真ん中でイントロとは違う歪んだアルペジオを弾いています。
終盤に進むほど柔らかく弾いて、歪んだ音を徐々にクリーンに近づけ、雨が弱まっていく様子を演出しようと考えました。が、私の演奏技術では望んだほどの変化が得られませんでした(涙)
そこで、アンプシミュレータに入る音量を徐々に小さくしていくことで最終的にクリーンな音に着地させました。
初めから歪んだ音で録音していたらこの演出は出来ませんでした。DAW&アンプシミュレータだから可能な音作りです。
ゲイン・ステージングといって、機材に入る音量(ゲイン)を適切に調整して機材のパフォーマンスを最大限に引き出そう!というセオリーはあります。ただ、この度のようにそれを逆手に取って出来る音作りもあるので、出音が良ければそのゲインがその時の正解!ゲイン・ステージングに神経質になる気持ちはわかりますが、狙った効果が得られない時に見直すくらいが丁度良いと思います。
2回にわたりお届けした【作曲脳解剖】はいかがでしたか。
音楽作っている時の私は常にこんなことばかり考えています。
この試行錯誤を楽しい!と思っているのでやめられません(笑)
かなり本能で書いたので伝わっていると良いのですが、これが、作曲に興味をお持ちの方、DTMをやっている、またはやってみたい方のヒントになっていると嬉しいです。
最後に、ここで書いたことをひとつ頭の隅に置いて、もう一度聴いてみてください。ポイントはひとつの楽器に耳を傾けること。それが作曲脳を育む第一歩になります。
ご感想やツッコミなど、コメント頂けたら嬉しいです。
では、また。
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