新築の木造音楽室の吸音材
今回の記事は、木造音楽室の吸音材の効果・留意点です。私が約30年間経験した事例と関連資料を分析した内容を中心に述べます。(他の記事と一部重複していますが、再度、大事なことを伝えます)
主な内容は、「耐久性と安全性」「音響と吸音効果」に関する重要事項です。
最近、皮膚科や呼吸・気管支系の専門医が指摘するように、化学物質だけでなく、戸外に存在する黄砂や花粉などによるアレルギー疾患が増える中で、持病のある家族を抱える世帯において、新築・リフォームにおける懸念を出来る限り無くすための製品選択・設計仕様はかなり重要です。
今まで、当ブログでも安全性と耐久性の面で優れている吸音材を紹介してきましたが、今後も、その需要は高まると考えられます。ぜひ、建築士や施主の方には、その重要性を知っていただきたいと思います。
もちろん、同時に音響と吸音効果は大事なテーマであり、専門業者への防音相談においては、出来るだけ詳細に設計仕様や製品の特長を確認したいですね。
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耐久性と安全性
セルロースファイバーがエコ製品で安全性が高いと言われていますが、グラスウールなどと同様に化学物質等の粉じんが含まれていますので、同様の問題を抱えています。湿気や沈下など経年変化で吸音効果も少しずつ低下していきます。
耐久性と安全性という面では、これらの製品は大差はないです。
吸音率の高いロックウールも同様に、施工時に粉じんが発生する繊維製品なので、皮膚アレルギーや呼吸系の疾患を抱えている人にはリスクがあります。
現在、防音職人及び取引先の現場で確認されている安全な吸音材はPETウール・フェルト(吸音ウールなど)、杉の無垢材製品(羽目板・フローリング)だけです。
※杉の無垢材は吸音性のある音響材として位置付けています。主に軸組材と表層の仕上げ材です。
*針葉樹合板(下地材)は接着剤が含まれているので、化学物質に過敏なユーザーには必ずしも安全を保証できない場合があります。その場合は、杉無垢材の活用で代替します。
断熱・吸音材の吸音効果
上記のPETウール(吸音ウール)は、断熱性能はグラスウールよりも少し下がりますが、吸音率は大半の周波数帯でグラスウールなどの断熱材より上回ります。
グラスウール・セルロースファイバー・ロックウールよりも耐用年数が長いため、費用対効果に優れています。
PETウールと杉の軸組材・仕上げ材だけで構築した木造音楽室の事例を他の記事でご紹介しましたが、軸組在来工法であれば、D-45以上の遮音性能は確保できます。
また、外壁の外装材をモルタルなどの塗り仕上げ材にすれば、D-50の遮音性能も可能です。
一般的な防音材などを使用できない施主の方は、まず、天然素材の建築設計が得意な建築士に先に相談すると良いと思います。
用途に適した音響・防音設計の専門家を、建築士に探してもらえば良いでしょう。なお、セルロースファイバーの仕様にこだわる建築士は、ほぼ間違いなく、提携先の建築会社の事情に左右されていますので、ご留意ください。
なお、外壁内部に入れる吸音材の推奨する厚さは100ミリ以上です。追加で加算する防音壁の吸音材の厚さは、ロックウールが40ミリ以上で、PETウール(吸音ウール)が50ミリ以上となります。
繰り返しますが、木造の音響・防音設計においては、グラスウール及びセルロースファイバーは吸音性のある断熱材という位置づけになります。
施主の要望に応じて、柔軟に設計仕様を変更できる良心的な建築士を探してください。
ちなみに、一般の建築士は、断熱材と吸音材の専用品が分からないで新築の木造音楽室の設計をしている担当者が多く、施主としては、この事実を念頭に専門家を探すべきです。
