【セルフケア2025/6/11】仕事をやめたい内科医👨🏻⚕️ ~カウンセリング編 #4~
「休んでいるはずなのに、気が休まらない」
「遊びだったはずの学びが、いつの間にか自分を苦しめている」
「家族のためにも頑張りたい。でも、動けない」
そんな静かな焦りや理由のわからない罪悪感に
悩まされたことはありませんか?
本記事では、ASD傾向を持つ黒川さんが
休職中に体験している「穏やかな時間と、不意に襲う不安」の正体を、
丁寧にひもといていきます。
あなた自身の心の揺らぎを見つめ直すヒントになるかもしれません。
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[1]🌱心の解毒が始まった日
👩⚕️篠原(ナレーション):
前回のカウンセリングでは、黒川さんの中に長く滞っていた思いが、
ついに言葉となってあふれ出しました。
「この人の存在を思い出すだけで取り乱してしまうんです」
と語ったあのとき、
黒川さんはまさに心の地雷に触れていたのだと思います。
理屈ではどうにもならない怒りや無力感。
謝罪を拒む気持ちと、助けを求めてしまう矛盾。
そうした葛藤のひとつひとつを、
私たちは言葉にしながら一緒に見つめていきました。
そして、最後に黒川さんが言ったのです。
「まずは、自由気ままに世界史の学習に取り組もうと思います」
あの一言に私は、ほんの少しですが、
黒川さんの心の風通しがよくなったような印象を受けました。
もちろん、まだ道の途中です。
しかし、回復の手ごたえは、本人が一番感じているはずです。
さて、今回はその続きとなる4回目のカウンセリング。
黒川さんは、少し穏やかな表情で、部屋に入ってこられました——。
[2]🌪️順調なのに不安になる理由
👔黒川さん:
篠原先生、こんにちは。
またお時間をいただいてしまって、恐縮です。
先日はありがとうございました。
あれから、先生にアドバイスいただいたように、
『評価されない時間』を過ごすことを心がけています。
一橋の世界史も、少しずつですが続けていまして。
苦手だった文章を書くことも、
好きなテーマだと意外と苦にならないものですね。
疲れたら昼寝をする、ということにも、
以前より罪悪感がなくなってきたように思います。
……ええ、ですから、自分でも驚くくらい、
穏やかな時間を過ごせているはずなんです。
理屈の上では、とても良い状態なんだと思います。
ですが……なんと言いますか、
ふとした瞬間に、まるで足元から地面がなくなるような、
強い不安に襲われることがありまして。
順調に進んでいるはずなのに、どうしてだろう、と……。
そのことについて、少しお話を伺っていただければと思い、
今日参りました。
👩⚕️篠原:
ようこそ、黒川さん。
まずは、落ち着いた時間を取り戻せていること、本当に良かったです。
「昼寝に罪悪感がない」とおっしゃった一言からも、
回復の実感が滲んでいると感じました。
そして、それだけの変化がありながら、
なぜか「足元が崩れるような不安」に襲われる——。
これは、実はとても自然な反応です。
人の心は、落ち着いてきたときにこそ、
奥に潜んでいた不安や孤独が顔を出すことがあります。
ちょうど、嵐が去って、
静けさの中で残った瓦礫に気づくようなものかもしれません。
これまで黒川さんは、
「頑張る」
「演じる」
「周囲に適応する」ことに全力を使ってこられました。
それが一時停止された今、
ようやく「自分の内面に目を向ける時間」が巡ってきたのです。
そのときに現れる不安感は、
「異常」ではなく、「自然な適応のプロセス」。
いわば、
心が休息を取り戻す過程で浮上してくる揺り戻しのようなものです。
ここで自分を責める必要はありません。
むしろ、「ようやく本当の回復が始まった」と、
やさしく受け止めてあげるタイミングなのかもしれませんね。
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